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【清水由起のデータから読み解くギフト事情 vol.9】ギフトアイテムのトップシェア、あらゆるオケージョンで主役「食品ギフト 」


食モチベーションの高まりから食品ギフトは拡大基調

ギフト市場における食品(飲料・酒を含む)のアイテムシェアは、4割超と推定される。

食品は日々の生活において非常に身近であり、選択肢が豊富であること、包装やのし対応によって特別感を演出できることから、ギフトの中でも定番のアイテムとなっている。価格帯も幅広く、あらゆるシーンに対応できるため、フォーマルギフト・カジュアルギフトの両方で消費者から支持され続けており、食品ギフト市場規模は継続拡大している。特にコロナ禍では、旅行や外食が気軽にできない分、産直グルメやマグロや鰻、和牛といった高級食材、ご当地スイーツ、老舗レストランのお取り寄せといった「中食」用商品も人気となり、市場を牽引。2022年以降は、対面での式典やイベントの開催も増え、人々の往来も活発になったことで、さらに成長の兆しを見せている。

注:2023年は見込値、2024年は予測値
(株)矢野経済研究所調べ

カジュアルギフトで増加、自分へのご褒美グルメも人気

ギフト市場全体の動向として、中元・歳暮をはじめとした儀礼的なフォーマルギフトが年々規模を縮小していることから、これらのシーンで代表的なアイテムであった、日持ちする「食用油」や「乾麺」、「缶詰」、「食肉加工品」、「水産加工品」などは減少傾向にある。

一方で、継続的に伸びているのがパーソナルなカジュアルギフトのオケージョンである。自分で試して美味しかったもの、メディアで話題の産直品やスイーツ、贈り相手の年齢・ライフスタイルを考慮した小分け商品、ちょっとした「プチギフト」など、身近な相手だからこそ「こだわりの詰まったグルメギフト」や「相手を想った食品ギフト」を贈る傾向が見られる。記念日などの決まったタイミングだけでなく、お世話になったお礼、久しぶりに会うからなど、カジュアルギフトはその贈る理由・タイミングも自由であることから、商品ラインナップ・価格ともに幅広い食品ギフトは選択肢に挙がりやすい。メーカーも各所で限定アイテムを積極的に投入するなどの動きが絶えないことから、今後もカジュアルギフトを中心とした食品ギフト市場は拡大基調が続くと予測される。

さらに、「自分へのご褒美」として、通常購入している商品よりワンランク上のもの、興味はあっても購入までには至っていなかった商品を、中元や歳暮などギフト商材が揃っている時期に自宅用に選ぶ動きもある。特に鰻や海鮮類、ブランド肉、高級フルーツなどの産直品は、特別感を感じられるとして人気が高い。

中元・歳暮依存から脱却する参入メーカーも続々

こうした状況から、特に個人間で贈り合われるカジュアルギフトに着目し、施策を打ち出す食品メーカーは年々増加している。プチギフト、記念日ギフト、土産・手土産など、カジュアルギフトを贈るタイミングは年間を通じて何度もあること、そして費やされる価格の幅も広いことから、メーカーとしてもより自由にギフト商品を提案しやすい。
これからギフトを贈り始めるであろう20~30代の若年層を取り込むため、この層と親和性の高いECサイトの拡充およびSNSなどを活用したプロモーションにも力を入れている。

今後は中元・歳暮を主軸に置いたギフト訴求を続ける「集中型」企業と、あらゆるギフトオケージョンに対応する「広域型」企業の二極化が進んでいくと予想される。ただし、いずれにせよ、老若男女に必ず喜ばれる食品は、ギフトアイテムの中でも主役級の存在であり続けることは間違いない。

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