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ベトナム語翻訳-第3章-ベトナム語翻訳における文章分析のスキル-パート3


前章では、日本語からベトナム語翻訳をする際、あまり重要ではないように見えて、大きな影響を与える要素について分析しました。良い品質の翻訳に仕上げるためには、語彙力に加えて、適切な表現を用いて文の意味を正確に表す必要もあり、それにより文章をより自然にすることができます。

本章では、日本語からベトナム語翻訳をするときに文章分析でよく用いる分類をご紹介したいと思います。

1. 指示語

指示語は、翻訳者が文章の情報を理解するために役立ちます。指示語を使用して文章の単語の繰り返しを避ける方法がよく使われますが、翻訳者がその指示語の意味を正しく理解しないと、訳文の意味を間違える可能性が高くなるでしょう。
指示語は、文章の意味を導く「道路標識」と言えます。すなわち、日本語からベトナム語へ翻訳をする時に、指示語は翻訳者が使い分けをするのに大切な役割を果たしています。
日本語でよく使われる指示語: これ・それ・あれ(物)、こちら・そちら・あちら(場所)、こう、そう(このよう、そのよう)、どう(方法)接尾辞によって、意味が決まります。

英語の文章では、これらの指示語がより明確に示されています。

  • 例:

    • 原文:In London during peak times, a room can cost as much as $50 per hour!As more rooms are provided for people who want to sing karaoke, these prices are likely to fall.

    • “these prices”の指示語は“as much as $50 per hour”を意味します。

such, so等の指示語もよくあります。

  • 例:

    • 原文:In addition, noodle slupring is very much welcomed.Luckily for us, local ramen chefs appear to understand that such practises are uncommon in our part of the world, so we are able to enjoy the delicious flavours of Japanese ramen noodles at our own pace.

    • “such practises”の指示語は“noodle slupring”を意味します。

指示語を見極めるのは難しいことではありません。これらの語が出てくる前に話題について言及する文があるはずなので、心配する必要はありません。

2. 数詞

複数形以外、日本語からベトナム語へ翻訳する際、数詞も注意する必要があります。これらの数詞は、話題の範囲または規模を示し、文の意味をより詳しくするために、作者の言いたいことをより明確に述べています。文章の状況によって、数詞の意味が異なるため、これらの言葉を見つけてその意味を理解することは非常に重要です。

簡単な場合として、数詞は数える単位に関わる数値として用いられる場合があります。(例:1枚、1日、3階、4件、2000円、...)。しかし、文章の状況によっては、強調するために他の単語または文法が使用されることもあります。例:

  • あまり食品が残っていない。“ở nhà chẳng còn bao nhiêu thực phầm còn lại nữa”

  • 大きな文化祭といってもせいぜい100人ぐらい来るだけです。“mang tiếng là lễ hội lớn nhưng cũng chỉ được khoảng 100 khách đến thôi.”

  • 残った料理はパンのピースわずかだけです。“thức ăn thừa chỉ còn một mẩu bánh mì nhỏ thôi”

英語の文章は異なる表現を持っていますが、翻訳する際、翻訳者はそれを副詞として無視してしまう場合があります。例:

  • Some: 一部、いくつか、少し、“Some people” = 人々“Some money” = お金

  • Many: 多い、多様、“Not many” = “そんなに”

  • Both: 両方、同じ、なんでも、組み合わせ

  • Majority: 多数、最も

  • Several: 数回、多くの種類、別々

  • Much: はるかに良い、より多い

  • More: より多い、余分

  • Less: より少ない、足りない

  • A few/a little: 少し(肯定文)

  • Few/little: ほとんどない(否定文)

3. 頻度を表す副詞

日本語からベトナム語へ翻訳する際、文章の状況によっては頻度を表す副詞が多少出てきます。それらをどうやって確認できるでしょうか? 翻訳中によく見かけられる頻度を表す副詞の表を以下に記します。

4. 否定表現

日本語からベトナム語へ翻訳する際、否定表現は文の意味と文脈を変える「要素」と見なされています。簡単な場合、文が動詞の否定形(「ない」または「ません」)で終わります。しかし、より難しくなると、文法構造、つまり否定表現を見つけなければなりません。よく使われる否定表現:

  • ~わけがない: 絶対ない

  • ~どころではない:この程度だけでなく

  • ~わけではない:すべてではない

  • ~というものではない:すべての条件を満たすわけではない

また、否定表現なのに否定的な意味を持たない場合もあります。たとえば、否定の否定は肯定になります。この点は十分に注意を払わないと勘違いしやすくなります。例:

  • Hardly, Scarcely: ほとんどない(数量)

  • Seldom, rarely: めったに(頻度)

  • Barely: ほとんどない(否定文)

  • Unless: ではなければ

  • Few, little: ほとんどない

  • 否定の接頭辞 un-, in-, im-, dis- (例: unnecessary, incapable, unfortunately, impatient, disable)

  • Far from :から遠い

  • Not only A but also B: AだけでなくB

  • 否定の接頭辞 no- (nobody, nowhere, nothing, no one)

  • Not ~ yet: まだ

  • Anything but : 以外

  • Fail to: できない

  • Not + 全体を意味する言葉 (always, neccessarily, exactly, every, entirely等): 必ずしもすべてとは限らない

5. 原文に関する資料を読む

日本語からベトナム語へ翻訳する際、原文の主題をより深く理解するために、関連する側面も調べる必要があります。そうすると、原文のタイプや語彙の適切な使用方法などを見極めるのに役立ちます。これにより、原文の全体的な内容を理解することができ、翻訳の品質をより高めることができます。
雑誌、新聞、インターネット等、参考元は多様にあります。

さらに、参考データの選択にもコツがあります。無意識にざっと読むのではなく、それに関連するキーワードに注意を払い、情報を見極めるのは重要です。翻訳メモリも翻訳作業の時間を節約するための一つの方法です。このメモリは各翻訳者によって作成され、翻訳の数をこなすことにより蓄積されます。

終わりに

テクノロジーが急速に発展している昨今、機械翻訳によりかつてないほど簡単に翻訳できようになりましたが、文章に「魂」を吹き込むのは人間しかできません。それだけでなく、翻訳の経験を通して自分の言語能力を向上させ、他のスキルも鍛えることができます。小さなことにも注意を払えば、より高い品質の翻訳ができるようになるでしょう。

次回:ベトナム語翻訳-第4章-ベトナム語翻訳における情報検索のスキル

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