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飲食店でのアルバイトを通じて優しくなれるのではないか

はじめに

会社員時代の先輩の一言。「あそこのコンビニって袋詰め遅くない?」「あそこのファーストフード、店員さんの愛想がないよな」と。

袋詰めのスピードなんて数秒の話なのに、忙しい店員さんに愛想を求めるのもな、と思いつつ聞き流していました。どうでもいいことでイライラする先輩も大変だなとも思います。そんなクレームをぶつけられたら店員さんも大変です。

その先輩はコンビニや飲食のアルバイトをしたこともなければ、実家暮らしで家事も家族がしてくれるそうでした。今でも時々心をよぎる、約10年前の話です。

アルバイトをはじめました

病院の仕事をやめ自由を謳歌している身(?)ではありますが、某ファーストフード店でアルバイトをはじめました。

福祉とは「誰もが普通の生活を送れるようにする」仕事とも言えます。でも生活って?普通って?という思いから、ファーストフードで働いてみようと考えました。…というのは建前で、実際は近くてシフトの融通が利くからです。飲食店でのアルバイトを少し振り返ってみます。

(サムネイルの写真は、ゲーム「overcook2」のものです。ドタバタ調理ゲーム…まさにアルバイトそのもののような)

①アイスクリーム屋

はじめての飲食店のアルバイトは大学1年生の時。某高級路線のアイスクリーム屋でした。

主な業務は注文を取りレジ打ちをして、商品を作って渡すこと。また持ち帰り商品の作成や商品・包材の補充、清掃などでした。アイスクリームのスクープのグラム数、見た目なども決められていました。

商品がアイスなだけに、温度管理や衛生管理が厳格でした。メーカーの直営店であり、店舗の清潔さやサービスの質に高い基準が設けられていました。

店長は鬼のように怖い人。お客の様子を見て対応をする。効率よく商品の準備をする。今思うと当たり前なのですが、しばしば怒られました。

「1人でできる仕事は1人でしなさい。簡単に助け合っていては効率よくできない」とも口にしていました。状況にもよりますが、今でも大事にしていることです。

ただ本部の方針か何かで、1年ほどで閉店に。大学2年生の時に別店舗に移ることになりました。

②アイスクリーム屋のカフェ

直営店ではなくフランチャイズの店舗で、ショッピングモールの中にありました。パフェやクレープ、コーヒーなども取り扱っていました。

店員はほぼアルバイトでゆるい空気がありました。大学生が多く、仲良く働くことができました。ただアイス屋だからか日によって売れ行きはバラバラ。寒い日だけでなく、案外猛暑の日もお客が少なかったりします。そのせいか、大学4年生の頃閉店となりました。

まさかの二度目の閉店。大学四年生の後半でしたが、すぐアルバイトを探しました。

③某チェーン弁当屋

家の近くの弁当屋さんでアルバイトすることとなりました。

注文を取ってお弁当を作り渡すことが主な業務でした。注文を取りご飯を詰める人、フライヤー担当の人、炒め担当の人と分かれていました。

調理と言っても大体の商品は揚げるだけ、炒めるだけの状態に加工されています。またピークの時間(昼食時、夕食時)が明確で、食材や弁当の仕込みもしやすかったです。

悩ましかったのは人間関係でした。店長と不倫中のパートの人、新人をいじめるベテランの人。異物混入や焦げなどのクレームも多かったです。一方でロスの商品や白ごはんを持って帰っていいなど寛容なところもありました。

3月に大学を卒業するタイミングで、就職しアルバイトを辞めることになりました。

④某ファーストフードチェーン

そして今回のファーストフード店。30代を迎え久しぶりの飲食店のアルバイトです。今はまだ商品の作り方、フロアの清掃の仕方等を教わっています。

扱う商品の種類が多く、お客の回転率や売上も高いです。イートインはもちろん、テイクアウトにウーバーイーツなどで常にカウンターに行列ができており、目まぐるしいとはこのことです。

マニュアルに仕事の手順や基準は明記されています。作業が細分化され、ポテトならポテト、掃除なら掃除など一つの役割に専念しやすいとも言えます。高校生から主婦の方、留学生の方、障がいのある方など色々な人が働いています。

今は色んな人に教えてもらいながら日々過ごしています。店長や社員さんというより、ベテランの主婦・大学生さんたちがお店を支えているようです。

お店が忙しいからなのか、かえって皆優しくテキパキ教えてくれます。私も笑顔で前向きに頑張ろう!と思うのです。

飲食店のアルバイトを通じて

私たちが飲食店に行く時、さまざまなものを期待します。

「注文通り正確で」「安全な」
「おいしくてできたての」
「美しい盛り付けの商品を」
「素早く提供してもらい」
「快適な店内で過ごしたい」
といったものです。

店員さんの方も、食品を提供するだけではなく、店舗で過ごしておいしく快適に食べてもらうところまでがサービスであるとは認識しています。

もちろん全て満たされればいいのですが、誰だってミスはあります。特に忙しい時間帯は提供が少し遅れたり、店舗が汚れていたりすることもあります。むしろ飲食店でアルバイトしていると、皆高くない時給以上に精一杯働いているな〜と感じます。

自身が客という立場になっても、「今は店員さん忙しそうだから待っておこうかな」「あとでゴミ捨てが大変だから分別しておこう」と何となく想像できるようになります。飲食店でもコンビニでも、何かサービスを受ける時に総じて言えるのではないでしょうか。

店員さんも人間ですし、いいお客さんにいいサービスしたいと思うもの。自身がいいサービスを受けることにつながると信じています。

おわりに

と言いつつ、自分がお客さんの立場にある時、店員さんにクレームを言う場面もありました。

明らかに調理ミスの商品や、危険な異物が入った商品の場合です。床に落とした鮭を弁当に入れられた時には「流石にそれはダメだ」とツッコミました。

もう一つ。厨房の中から怒声(おそらく先輩が後輩アルバイトに怒っている)があまりに聞こえる時です。聞こえていて気分が良いものではないですし、そんなに怒らないで…!と思います。

30代になり新しいことをするのはなかなかエネルギーを使います。商品のこと、サービスのこと、人への伝え方や協力の仕方のこと、様々なことを学んでいければなと思っています。

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