「⑦ いいって何なのか? _植木屋の挑戦、あれから15年」
七回目で大晦日。
こんなことを書きたいなの箇条書きの
ちょうど半分過ぎくらいの折返しくらいです。
年末に毎日仕事終わりに書いてましたが
明日からお休みですので続きはまた来年のいつかに。
今回は昨日言ってた
京都や奈良の古庭園や石造を見に行っていた。
という話を。
ずっと思ってることだけど
女子大生が観光で京都に行って
お庭をみていいなぁって言っている。
そんな需要があるのに
京都の古庭園と今自分がつくってる庭って
あんまりつながってる感じがなくて
そこを繋げられる仕事がしたいって。
原宿や南青山のアパレルの店の庭をさせてもらったりもしたから
少しはその目標は達成できたのかもですが
まだまだやっていきたいことの一つです。
で、その京都の庭をみて
いいなぁって気持ちはもちろん僕にもあったのですが
いったい何がいいのかがわからない。
弟なんかは庭に対して早熟で
高校生くらいから京都のどこどこの庭がいいとか言って
いったいどこがいいの?って聞いたら
そのときのじぶんの感覚で答えてくれて
あらためて見学しなおしたら
なるほどなぁっていう気づきみたいなものがあって
ほんとにじぶんは感覚の鈍いやつだなぁって思ってました。
でもプロとして仕事をするって決めたので
ある程度はその「いいなぁ」って部分を言葉にできないとだし
勉強もしないとって
ずっと心のどこかで思ってて
そのときに重森三玲の日本庭園史体系という
辞典に奈良の図書館で出会いました。
(この辞典があるのは知ってたしもちろん重森三玲は知ってたけど
絶版で目にすることがなかったのです)
とりあえず借りてみて読んでみたいんだけど
ここには時代ごとにかなりの庭が掲載されていて
庭の実測した図面が添付されていて
重森三玲の言葉でその庭に対する意見が書かれていた。
ここがすごく僕には重要で
世間全般に言われている説明じゃ教科書的でしっくりこなかったんだけど
重森三玲さんの言葉はもちろんたくさんなるほどもあったんだけど
うーんほんまにそうかなってのも結構あり
それは重森さんの考えなので僕はこう思ったってのもアリな余地があるような気がしました。
で、片っ端から奈良の図書館で庭園史体系を借り
実際に京都や奈良や滋賀や和歌山や四国の行ける範囲で
庭を訪れ、その場でコピーしていってた
重森三玲さんの文章を読んで
再度その庭を見学するみたいなことをしていました。
どうしても欲しい実測図はA2とかそれより大きかったので
大阪市内の大型コピーができるところにいってコピーしてました。
しかし結婚して子供もいるのにどんだけ暇やねんですね。。。
時間があいたら平日の京都に丸一日かけて
お金もないのでお昼はカップラーメンとかですまして
開園から17時の閉園までひたすらまわる。
でもいくつも一気に有名庭園をまわるのは
途中でいっぱいいっぱいになって毎回吐き気がするくらいだったので
おすすめはしませんが。。。
でも一回みただけではなにもわからかった僕でも
ある程度の量を重ねていくと
なんとなくわかってくるようになります。
それは間違いないのかなと。
庭園史体系も今も思い出したように古本で揃えていってます。
もちろん当時のコピーしたものも大事に残しています。
石造品は同じように
川勝政太郎さんの
日本石造美術図鑑を参考にしました。
みたいなって思うものを
奈良や滋賀に。
こっちは本職ではないので
いいものをみて目を肥やすってくらいの感じです。
よくこれは古くていいものでしょって
言われることがありますが
僕はじぶんがそれを好きか好きじゃないかはわかるけど
そのものの骨董価値がわからないので
いつも石造品は写しでつくってる方のところで購入させてもらってます。
それだとその人の技術と石の質の金額なので
お客様にも僕は堂々とおすすめできるかなって。
ではよいお年を。
来年も庭の年にしましょう!
目次 前編
壱_信じることができますか?
弐_庭いりませんか?
参_地下足袋と下駄
四_どこでもプレゼン
伍_なにを伝えたいのか
六_植木屋的助け合い
七_いいって何なのか?
後編へ