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#015「GreenLushの心の根」8月6日 広島への原爆投下の日にあたって思う事

皆さん、こんにちは。
今日は8月6日、広島に原爆が投下され、今日で78年になります。

原爆で亡くなられた全ての方々のご冥福をお祈りいたします。

さて、ブログの更新は久々になりますが、今回は広島への原爆投下の日にあたって思う事を最近の時事問題と国際情勢を絡めながら綴ってみたいと思います。

バーベンハイマー炎上中


早速ですが、ここ最近”バーベンハイマー”(Barbenheimer)というネットミームがTwitterを中心に炎上しています。「バーベンハイマー」とは2023年7月21日に同日公開された二つの映画、「バービー」と「オッペンハイマー」を合成した造語です。

「バービー」はご存じバービー人形を題材にしたファンタジーコメディ映画で、一方の「オッペンハイマー」はマンハッタン計画の中心人物として原爆開発に携わった科学者ロバート・オッペンハイマーを題材にした映画です。

この異質の両映画が同日公開されるにあたり、ファンが自発的にコラボ画像を作成する等の盛り上がりを見せる中、原爆を連想させるキノコ雲を背景にした画像や、キノコ雲をモチーフにした髪の毛をバービーに合成する等、8月が近い公開時期も相まって、日本人にとっては不快感を与える内容が多く確認されました。

これらのネットミームに対してTwitter等のSNSやネットメディアを中心に、

「不謹慎」
「楽しみにしていたが見るの止めた」
「キノコ雲の下で何が起きていたのか知らないのか」
「バービー人形で遊ぶ年頃の子供が何人死んだと思っている」等、

様々な批判が上がっており、ついには当局のワーナーブラザースが8月1日に正式に声明を発表し謝罪する事態となりました。


これらの批判は全くその通りだと思います。

問題視されている”キノコ雲”は原爆の象徴です。その原爆を我が国の無辜の民間人に対して放り投げ、実際に”キノコ雲”を生み出したのはアメリカです。少しでも想像力があれば日本人の中で”キノコ雲”が特別な意味を持っている事ぐらいは分かるはずです。

仮に当人に特別な意図が無くとも、「ハーケンクロイツ」「ナチ式敬礼」「崩落する双対のビル」「旭日旗()」など、これらで神経が反応するのは各国、各民族それぞれにあるという事をまず理解するという事が重要です。

他方、「意図的に」「悪気無く」「むしろ肯定的に」表現している可能性もあるという事も同時に理解する事も重要です。

あくまでアメリカという国家にとって、日本への「原爆投下」は、

「アジア征服を企て、我が真珠湾を卑劣にも奇襲攻撃した野蛮な侵略国家に対して、正義の鉄槌を下した正当な行為である」「その結果、邪悪なる日本の野望を打ち砕き、善良なるアメリカ国民及びアメリカ兵を数多く救った、原爆とはアメリカの強さと正しさの象徴である」

という認識が今なおメインストリームとなっています。少なくとも当事者であるアメリカにとっては表向きにはそのように認識せざるを得ません。(実はこの認識自体が全くのデタラメですが。)

従って「キノコ雲」=「アメリカの強さと正義の象徴」であるという事を前提とするのであればバーベンハイマーのネットミームの意図も自ずと分かります。

それと類似する話題を続けます。

2014年6月6日、ノルマンディー上陸作戦70年記念式典での出来事はご存じでしょうか?

連合国(United Nations)によるノルマンディー上陸作戦から70年を祝う式典での一幕です。アメリカ、イギリス、フランス、ロシア等の各国首脳が一堂に会する中、ショーが催されたそのクライマックス、ダンスを披露する人たちの背景映像では、なんと広島への原爆投下のその瞬間の映像。


巨大な火球と全てを焼き尽くす熱線、猛烈な爆風。その瞬間、我々の同胞がどのような地獄を味わったか・・・これだけでも虫唾が走り激しい憤りを覚える思いです。


しかし、その時、会場では拍手が巻き起こったそうです。


更に、取材をしていたテレビカメラは当時のオバマ大統領を映しており、そこには”ガムを噛みながら拍手をする姿"が捉えられていました。

冒頭のバーベンハイマーのネットミームもそうですが、ショーの一部に原爆投下の映像を使用する点から見ても、アメリカを中心とした連合国にとって原爆投下とは「強さと正義の象徴」であり、民間人に対する無差別大量虐殺の罪の意識は全くもって無いものと言えます。

話を続けます。

そのさなか一方のカメラではロシアのプーチン大統領を捉えていました。

その瞬間、もたれ掛かった椅子から若干ではあるものの、”姿勢を正しながら胸で十字を切る”プーチン大統領・・・

大勢の各国首脳陣、関係者が拍手する中、彼の行為は原爆の被害者への哀悼の念を示しているようにも見えます。


知っている人は知っている有名な映像です。


様々な議論を呼んだこの対比映像ですが、論点を順番に整理していきたいと思います。

2014年当時の報道姿勢

まず初めに抑えておきたいのはこのような対比構造で報道がされた点です。ソースはTBSテレビです。

私自身違和感を感じざるを得ないのですが、ロシアがウクライナを侵攻した2022年2月24日以前までは、報道各局はプーチン大統領の人物像を今日ように”狂人”かの如く報道はして来ませんでした。

勿論、常人には到底理解できる人物ではないとは思いますが「圧倒的国民支持を受ける優秀な指導者」、あるいは「極めて冷徹で老獪な独裁者」というような形で様々な切り口でその人物像を捉えてきました。

それが2022年2月24日以降、おしなべて、一気に、オセロをいっぺんにひっくり返したかのように、地上波は勿論、左の朝日、これまで右とされてきた産経まで「旧帝国主義を引きずる拡張主義の狂人」かのような報道となっています。

様々な情報を正しく整理する上において、現在の様に報道が通り一遍になった時は非常に注意が必要です。なぜなら、それは何かしらの意図を持った報道(統制)である可能性が高いからです。

少なくとも、当時はこのような形で報道されていた事は押さえておくべきでしょう。

オバマ大統領の拍手

次にオバマ大統領の行為に対してです。

先述の報道を見た場合、普通の感覚では「原爆投下に対してガムを噛みながら拍手するなんて侮辱している」と、我々日本人の感覚ではそう思います。

しかし、これに対しては次のような意見が見受けられます。

「原爆投下映像に対して拍手したのではない」
「ショー全体、あるいはダンサーに対する敬意の拍手だ」
「意図的に切り取り、歪曲している」等など・・・

これについては現場にいなかったので真相は正直分かりませんし、オバマ大統領の真意も分かりません。実際、一体彼はどのような意図で拍手したのでしょうか。

皆さんにはどのように見えるでしょうか?

彼の原爆に対する捉え方を、前後の事実関係を踏まえて整理してみたいと思います。

この式典の2年後、オバマ大統領は2016年に広島へ訪問、被爆者と抱き合い、原爆資料館の訪問を果たしました。現職大統領としては初めて自ら広島の地を訪れた事に対しては歴史的な出来事でした。

しかし、その中身はと言うと広島滞在時間は約52分であり、原爆資料館の訪問時間はわずか10分程度。勿論、彼自身の口から原爆投下への謝罪はありません。アメリカが民間人に対する無差別大量虐殺という人類史に残る大戦争犯罪を実行したという過ちも認めてもいません。

平和記念公園での演説の冒頭では、

「71年前の明るく晴れわたった朝、空から死が降ってきて世界は一変しました。閃光と炎の壁によって町が破壊され、人類が自らを破滅させる手段を手にしたことがはっきりと示されました。」

と、まるで自然現象がたまたま起きたかのような、主語が無く、他人事のような内容でした。

また、核兵器なき世界を実現する事を目的とした訪問にあたっても、いわゆる「核のフットボール」=「核ミサイルの起動スイッチ」は肌身離さず側近が用い歩いていたそうです。

オバマ大統領の広島訪問について、
「この訪問自体が謝罪の現れだ」
「口では言わないが行動で謝罪を示している」
と言う日本人もいます。

妙にアメリカ擁護(というか属国、隷属根性)だと思います。我々の同胞である無辜の民間人が一瞬にして大量虐殺されたにも関わらず、そのような事を言える神経が残念ながら私には全く理解できません。

もう一点、オバマ大統領は「ノーベル平和賞」を受賞しています。

これは就任当初、2009年4月5日チェコのプラハでの演説、「私は、米国が核兵器のない世界の平和と安全を追求する決意であることを、信念を持って明言いたします。」から始まった核軍縮を世界に訴えた、いわゆる「プラハ演説」が受賞のきっかけとなっています。

しかし、このような演説とは裏腹に、削減した核兵器は702発と冷戦後の政権では最低水準である点と、30年間で1兆ドル(約110兆円)もの予算を核兵器の近代化開発に充てている点などから言行不一致もはなはだしいと言わざるを得ない行動を見せます。

そんなオバマ大統領を踏まえた上で、2014年6月6日、ノルマンディー上陸作戦70年記念式典での原爆投下に対してガムを噛みながら拍手する姿は、皆さんの目にはどのように映りますか?

プーチン大統領の十字

次にプーチン大統領の十字についてです。

オバマ大統領の「ガムと拍手」と対照的に見られるプーチン大統領の「胸で十字を切る様子」ですが、この真意も正直分かりません。

プーチン大統領の行為に対しても次のような意見が見受けられます。

「受け手がいいように解釈しすぎているのでは?」
「メディア戦略としてわざとやっている」(だとしたらノーベル平和賞を受賞しているオバマ大統領は何故やらないのか)

その通りで私はプーチン大統領ではないので実際の意図は分かりません。

皆さんにはどのように見えるでしょうか?

オバマ大統領と同様に彼の原爆に対する捉え方を前後の事実関係を踏まえて整理してみたいと思います。まず大前提として、彼は事あるごとに公式の場で「アメリカによる日本への核攻撃」を批判しています。

例えば、2021年3月19日のプーチン大統領の発言、「アメリカは広島と長崎に原爆を投下した、民間人に対して」とあります。

また、2022年9月30日、ロシアがウクライナ東部4州の併合宣言をした際のプーチン大統領の演説の中でも、アメリカの戦争犯罪を次のように強烈に批判しています。「アメリカは軍事的な必要性がないにも関わらず世界で唯一広島と長崎に原爆を投下した、その前例を作った唯一の国だ」

一方で、一見矛盾するようですが、彼は常に周辺国や西側諸国に対して、「ロシアの領土、国家、国民がひとたび脅かされるような事があれば躊躇せずに核攻撃する」と宣言しています。一見アメリカへの批判に矛盾するような発言ですが、本当にそうでしょうか。

彼は「核攻撃する」と言ってますが実際にはこれまで一度も核攻撃を実行していません。しつこいようですが、いかなる理由があろうが、歴史上、唯一先制核攻撃”した”のはアメリカ一か国のみです。しかも無抵抗である民間人に対して、異なる種類の原爆を”二度”に渡って放り投げました。

私は核抑止力戦略理論が今の所成り立っている以上、核兵器を保有し、一旦緩急あれば即座に核攻撃するという強い意志とその能力を示す事は何ら矛盾しないと思っています。本当は使うつもりがなくても「いつでも使ってやる」という強い意志とその能力があるからこそ抑止力が成り立つ訳です。

彼はあくまで自国の防衛の為に核兵器を保有している訳です。更にプーチン大統領は次のようにも言っています。

2022年10月27日、モスクワで開かれた国際討論フォーラム「ワルダイ会議」での中で、

「アメリカによる広島と長崎への原爆投下は軍事的には全く必要なかった」
「アメリカは非核保有国に対して核兵器を使った唯一の国だ」
「アメリカの領土の一体性や国家主権に対する脅威はなかったし、当時の日本には既に反撃する能力もなかったのに事実上一般市民を核攻撃した」
「日本の教科書には『連合国側が原爆を投下した』と書いてある。学校の教科書にさえ(投下したのはアメリカだという)真実が書けない」

果たしてこのような事実を日本の国会議員が公の場で堂々と言えますか?

そんなプーチン大統領を踏まえた上で、2014年6月6日、ノルマンディー上陸作戦70年記念式典での「胸で十字を切る姿」は、皆さんの目にはどのように映りますか?

少なくとも私はプーチン大統領のその姿に心を揺さ振られました。



最後に、私は現在の日本の国家存亡の危機においては、もはや自衛核武装をいち早く実現するしか他にないという考えです。世界で唯一核攻撃をされた国だからこそ、自衛核武装を果たし”三度許すまじ原爆”を実現する事を強く望んでいます。

しかし、それは非常に困難で胆力のいる道のりです。

偽りの日米同盟、核の傘の虚構、核拡散防止条約、国連憲章の敵国条項、様々な課題を真正面から見つめ直し、我が国を雁字搦めに縛り付けるあらゆる頸木を打ち砕きながら実現するしか他ありません・・・

これについてはまた機会があれば纏めてみたいと思います。

今日はここまでです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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