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トランプ当選期待銘柄:ハリバートン (HAL)

(日本時間2024/7/18時点)
時価総額:322億ドル
PER(予想):9.43 PBR(実績):3.34
配当利回り:1.87%
🟢原油/天然ガス探査・採掘設備
🟢設備とサービス一貫
🟢アメリカ石油・天然ガス採掘設備業界1位
🟢トランプ当選期待銘柄
🟢株主還元強化


ハリバートンの事業概要

アメリカの原油/天然ガス探査・採掘設備業界

  1. アメリカは世界のガソリンの38%、軽油15%を消費する一大市場

  2. どこに行くにしても自動車が必要で、日本でのチャリ感覚で車を使用

  3. これだけのガソリン需要があるので、アメリカは従来、世界最大の原油輸入国だった

  4. シェールオイル革命により、アメリカは世界最大の原油生産国に変貌

  5. 世界最大の原油生産国に変わる過程で、アメリカでは原油/天然ガス採掘設備(リグ)が大幅に増加

  6. コロナショックとともに景気は一気に後退して原油需要が激減

  7. さらに、トランプ政権から代わったバイデン政権下では、政策としてクリーンエネルギーを推し進められた

  8. エネルギー企業の立場からすれば、事業環境の向い風を踏まえてシェールオイル関連の設備投資を減速させ、クリーンエネルギー関連の投資に切り替えた

  9. しかし、火力発電所やガソリン車のような需要面が一気にクリーンエネルギー使用に変わることはなく、原油需要はほとんど減らなかった

  10. それに加えてロシアのウクライナ侵攻により、ロシアからの天然ガス輸入に依存していたヨーロッパはエネルギー自立に向けて液化天然ガス(LNG)をロシア外、特にアメリカからの輸入を増やす

  11. まとめると、アメリカ産のシェールオイル需要は世界的に増加したものの、供給量は減速

  12. 何事においても、需要>供給だと価格は上昇

  13. その結果、クリーンエネルギーに切り替わりつつある政策環境にても、原油および天然ガス価格は高止まり

事業部門紹介

Drilling and Evaluation (D&E; 探査および採掘施設建設) (売上比率: ~40%)

  1. アメリカ国内ではシェールオイル革命とともに、探査・採掘セグメントが伸長していた

  2. クリーンエネルギー推進の流れとともに、アメリカ内での採掘は規制が強化

  3. 一例として、カリフォルニア州ではフラッキング (化学物質を含む高圧水を注入し、岩盤を破砕)による採掘方式を段階的に廃止の方針

  4. 一方、南米と中東を中心に新規油田の探査・採掘施設建設が伸長

  5. 当社は全世界に渡るビジネス展開を実施しつつも、探査・採掘においてはアメリカでシェア1位で、グローバルにはSchlumbergerに次ぐ2位

  6. 業界特性上、莫大な資本とコネクションの獲得が難しいため新規参入は難しい

  7. ただ、業界プレーヤー間で探査・採掘技術において技術的な優位性はほぼない

  8. 当社の探査・採掘技術においてはプラットフォームシステムの提供による自動化と顧客によるカスタマイズに他社より強み

Halliburton社決算資料より

Completion and Production (C&P; 採掘管理)(売上比率: ~60%)

  1. 探査・採掘と同様、アメリカでは事業環境に向い風あり

  2. とはいえ、アメリカではシェールオイル採掘需要は継続中で、シェールオイル採掘に必要不可欠なArtificial lift(人工採油)関連設備および採掘管理に当社は強み

  3. 南米の新規油田発見とともに全般的な採掘管理需要が増加

  4. 採掘が終わった油田を閉じる Completionまで当社は一気通貫のサービス提供

積極的な株主還元施策

  1. 上述のアメリカの原油/天然ガス探査・採掘設備業界 8 のように、アメリカのエネルギー企業は潮流として、設備投資を減速させている

  2. 当社も資本効率化を強化し、設備投資/売上比率を5-6%まで減少させ、豊富なフリーキャッシュフローを株主還元に回す方針

Halliburton社決算資料より

直近業績

  1. 北米では売上減少: 探査、採掘需要ともに減少。シェールオイル設備に必要なArtificial lift関連サービス伸長

  2. 南米での新規油田発見とともに、探査、採掘ともに伸長

  3. 2022年以降収益性の改善が着実になされてきている

2024Q1決算資料より作成

投資アイデア

トランプ氏再選による政策転換期待

  1. トランプ氏は大統領選公約としてクリーンエネルギーからの脱却を掲げている

  2. 高止まりする原油価格に魅力を感じるアメリカのエネルギー企業としては、減少傾向の採掘設備 (リグ) 数を再び増やすと推測

  3. リグ数の増加とともに探査から採掘管理まで一貫サービスを提供する当社には追い風

  4. 特に、ここ数年減収減益が続き、業績の足かせとなっている北米事業が加速すれば、当社の株価には非常にポジティブに働く見込み

目標株価

  1. 原油/天然ガス採掘のトッププレーヤーであるにも関わらず、バリュエーションはForward PERが9.9と割安感

  2. 業界Peer水準を鑑みるとPERは12~15程度を期待

  3. 今後の増収・増益期待を踏まえると

    1. 2024年内の目標時価総額:390億ドル (株価:~43ドル) 

    2. 2025年末までの目標時価総額:520億ドル (株価:~60ドル) 


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