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今年も6/9が近づいてきた 〜The ピーズの存在

今年も6月9日が近づいてきた。

2017年6月9日、日本武道館。
The ピーズ、結成30周年ライヴ。

はるさん、アビさん、佐藤先輩の3人による、The ピーズ。
全幅の信頼を寄せていて、ぼくの根底でずっと支えてくれている、世界で一番好きな音楽/バンド、The ピーズという存在。

あれから間もなく4年。
武道館での演奏を最後に。3人による演奏は、以来、一度もない。

この4年間。
はるさんは弾き語りのソロ活動を中心に。ギターを弾きつつ、ときに異なるメンバーを率いて、“The”を取った「ピーズ」という名のバンド編成でライヴを行なったり。そのライヴにアビさんが参加することも何度か。
佐藤先輩は、もちろんピロウズとしての活動が。

この4年間。それまでの何十年間と同じように、
欠かさず「たまぶくロカビリー風呂愚」をチェックするなどして、はるさん/The ピーズの動向を追ってきた。

この4年間で一度だけ、はるさんの弾き語りソロを観た。場所は「東長崎トイキッチン」。武道館以来、久しぶりに見る、はるさん。

アコギを抱えて弾きながら歌うはるさん。
久しぶりに聴いたはるさんの歌は、やっぱり、良かった。心に刺さる、響く曲も、もちろんあった。でも、何かが、違った。無理しているように感じた。心から楽しんでいる姿には映らなかった。

「はるさん、弾き語りは似合わないですよ。。」
いちファンが勝手なことを言うようだけれど。そう、感じた。

やっぱりベースを弾きながら歌うはるさんが見たい。隣にアビさんが居て。後ろに佐藤先輩が居て。「トリオのThe ピーズ」が見たいーーそう、強く、感じた。たとえバンド編成だとしても、ギターを弾きながら異なるメンバーと歌うはるさんは、ずっと見てきたThe ピーズのはるさんじゃないと思うから。

あの3人による、The ピーズ。演らない(演れない)理由は、きっとあるのだと思う。4年前の武道館を最後に、3人は永遠に集まらないのかもしれない。

いや、そんなことはない!

きっと、また、しれっと、何事もなかったように。事前告知も一切ナシで。千葉LOOKで、素人バンドとの対バンに紛れ込んで。The ピーズは復活するに違いない!

そう願い続けて、もうすぐ4年。

いちファンの思い込みだけであって。はるさんは、いまの活動に幸せを感じているのかもしれない。アビさんも、飛び入り的に、バンド編成のときに参加してギターをかき鳴らす程度の活動が、私生活とのバランスを考えて気楽で楽しいのかもしれない。佐藤先輩は、長年にわたって叩いてきたとはいえ、常に「サポート」的な立ち位置に徹していたところがあった。なので武道館を最後に「やりきった」と、すでに終止符を打っているのかもしれない。

いや、やっぱり、そんなことはない(はずだ)!
ーーという複雑な気持ちが6月9日を前に少しずつ大きくなる中で。

The ピーズに対する想いということで、4年前にはてなブログに綴った雑記を転載したいと思います。

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2017年6月9日、日本武道館。
The ピーズ、結成30周年ライヴ。

心の底から、純粋に、素晴らしいと思える、最高の3時間弱。

武道館だからって。
その思いは、ピーズを観たときに湧き起こるこれまでのそれと、基本的に何ら変わらないものでした。

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ずっと観てきたピーズは、いつものように演奏していたーーただ、それだけのことだった。

違うのは、観客の数と、
はるさんとアビさんが、いつもより笑顔が多かったこと。
ふたりを見守る佐藤先輩がいつもより大きく見えたこと。
アビさんのギターの音が抜群に良かったこと。
純度100%の祝祭と祝福が会場を包んでいたこと。

あと、ピーズにまつわる色々なコトが、ぼくのアタマの中で、いつもより駆け巡ったことだった。

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ピーズのライヴに行くと、3人を観ながら。演奏を聴きながら。
色々なコトが走馬灯のように思い出される。

初めてピーズを観たのは、たぶん1991~92年あたり。
場所は千葉ルック。「千葉で密会」というシリーズ名でのライヴだった。
前座は、ワタナベマモルとウルフルズ。

19歳でピーズを聴き出して、いま45歳。

25年以上、ぼくの中で、一番大切な存在として居続けるんだから、それは、やっぱり、そうなわけで。

ーー93年くらいだったか。
当時ピーズの世界観を真似たようなバンドを組んでいて、メンバー3人と千葉ルックでピーズのライヴを観終わたあと、外に停まっていたピーズの楽器車のワイパーに自分たちの音源を録音したカセットテープと「聴いて下さい」と書いたメモを一緒に掛けたこと。

“どっかにいこー” の演奏が始まると決まって思い出すのは、ウガンダと、アビさんの、あのときの表情。
スネアが入る最初の「タン」。ぼくが観たライヴだけでも、ウガンダがちゃんと入れず演奏を止めてやり直したのは、2度あった。
2度目は、同じく千葉ルックだった。
ちゃんと入れなかった瞬間、アビさんはギターを爆音のノイズでかき鳴らし、ウガンダを睨み付けた。
プロとしての、お客さんに対する、自覚だったと思う。
はるさんのベースに続いて同じフレーズをもう一度弾き直し始めたとき、アビさんの表情が怒りと情けなさで溢れていたこと。

ウガンダが抜けて、ピーズがふたりになった、渋谷ON AIR-EASTでのライヴのこと。
大きなステージの中央に椅子を2つ置き、それぞれ座って演奏していた。
中盤から後半にかけて。曲目は忘れてしまったけれど。
ギターソロに入ったとき、アビさんは感情をカラダで示すように、居ても立っても居られなくなったのか、立ち上がって、狂ったようにソロを弾き始めた。はるさんは、そんなアビさんを、穏やかに見守っていた。
その光景を観ながら、ぼくは泣いた。
後にも先にも、ライヴを観てあのように泣いたのは、あのときだけ。
アビさんは、きっと不甲斐なかったんだと思う。ドラムがまた抜け、これからピーズはどうなっていくのか。どうすべきなのか。自分個人としてはどうしていくべきなのかーーそんな感情がいっきにドバーッと表れた行動だったと、ぼくは勝手に解釈した。

その後の活動休止。

休止中に発売された全14巻のヒストリービデオを発売日のたびに渋谷HMVに通って買い続けたこと。

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休止から数年後。

真心ブラザーズのサポートベーシストとして下北シェルターに出ることを知って。
奥さんが抽選先の『ぴあ』を十数冊買い占めて見事当選、もう見られないと思っていたはるさんをステージで再び観ることができたこと。
YO-KINGのはからいで、はるさんがボーカルをとってピーズの曲を1曲演奏。
まったく声が出てなくて、そのブランクの長さを目の当たりにしつつも、そのライヴで、きっとピーズは復活する(!)と確信したこと。

そして、復活。

ロック・イン・ジャパン・フェスティバルでの復活ステージを観るために、仕事をいったん切り上げて、ひとりクルマでひたちなかまで行ったこと。
はるさんの声はまだまだ出てなくて、休止前の調子にはほど遠く、聴きとりづらい歌声だったけれど。
そのとき初めて聴いた “グライダー” の、耳の奥底に残り続ける、なんとも言えない余韻のようなもの。
それをリフレインしながら、クルマを飛ばして仕事に戻ったこと。

日比谷野音での真心も出演した忌野清志郎さんのイベント。
終演後、一般客に紛れて一番後ろの席にYO-KINGと一緒に座って雑談しているはるさんを発見して。
ビール2本買って「お疲れさまでした!」と、勝手にいちファンがふたりに差し入れ。
ビールを受け取ってくれた流れで、はるさんに「佐藤先輩が多忙でしたらいつでもドラム叩きますので!」「野球のメンツが足りないときは呼んでください!」と言って携帯番号を書いた紙を渡して、「お、おー、ありがと」と言ってくれて財布にその紙をしまってくれたこと。

渋谷AXでの結成20周年ライヴ。
ピーズで叩くクハラカズユキさんを初めてライヴで観て。
ピーズのドラムは巧すぎてはダメ、気が散るようなオカズはダメ、ドラムに耳がもっていかれてしまうような音作りはダメ … ってことが感覚的に解って、佐藤先輩のピーズにおけるドラミングの凄さが身に染みたこと。

そして、30周年、日本武道館ーー

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そりゃあ、やっぱり30周年で、武道館なので。
鼻の奥が、ツーンとして、涙がこぼれそうになった瞬間は、いつもより多かったかもしれない。

“ノロマが走っていく” という、やっぱり意表を突いてくる一曲目に始まって。

「せっかくだし 悪いけど 続くよ まだ二人いる」「君と最悪の人生を消したい」と歌うはるさんの嬉しそうな表情。

「しんちゃんと初めて録音した大切な曲!」と言って始まった “底なし” だったり。

本編ラストは “生きのばし”、2回目のアンコール、最後の演奏曲が “グライダー” だったことが物語る、佐藤先輩が入ってからの15年の大切さを思い知ったり。

客電が点いた中での “グライダー” の圧倒的な祝福感。
スクリーンに映し出されたはるさんは涙をこらえていて、お客さんは何人も涙を流していて。
演奏後の、3人手を繋いで円を作ってステージをグルグル回る、感動と笑いのオジサンたちの姿。

何よりぼくにとって、「今日は演らないのかな、、」と思っていた “何様ランド”。
2回目のアンコール、その1曲目。
佐藤先輩のドラムが鳴った瞬間、言葉にならない感情が溢れてきて、その感情は全身を侵食していって、「あーやっぱりはるさんにとってこの曲は特別な思いがあるんだろうな」って勝手に思いを巡らせながら、はるさんの声は時々かすれて出てなかったりして、でもその姿がこの歌の世界観をさらに引き立てて、曲の疾走感とともに武道館いっぱいに拡げてくれて、アビさんのギターソロはキレッキレで … そんなゴチャ混ぜになった感情を引きずったまま、客電が点いて “グライダー” が始まるという、このうえない極上の幸福感ーー

“グライダー” が終わると、会場には “好きなコはできた” のSEが流れた。
お客さんによる大合唱。夢のような、ものすごい光景。

なんだかその光景を見ていたら、なぜか急に不安になってきて、「えっえっ、もしかして3人のピーズはこれで終わっちゃうのかも??」と、よからぬ思いが芽生えてきた。

「そばにいなくても この世にいなくても」という歌詞。
でも、佐藤先輩は、最後のMCで「また会いましょう」と確かに言った。

でも、でも、、、
と不安がっていたところ、先ほどはるさんのブログがUP!

たまぶくロカビリー風呂愚 6/9武道館

「31年目 ではまた」
って書いてある!!!

あーよかった。ホッとした。
ってことで、今回の雑記を書き始めました、と。

以上、
唯一の連載雑記(?)、
「The ピーズを考えてみる。其の五。」でした。

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もうすぐ、6月9日。あれから、4年。
はるさん。そろそろ? そろそろですよね??


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