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十勝の牛乳に合うコーヒーを考える

GreenFive Coffeeが営業している十勝は、言わずと知れた農業王国。

「十勝産」とついた食材は、全国的にみても美味しいと評判のものばかりですよね。特に牛乳は、濃厚かつ飽きのこない、品質の高さを感じさせる美味しさです。同じ北海道内でみても、「濃厚さ」と「飲みやすさ」を両立させている牛乳は、他にないのではないでしょうか。私自身、十勝に移り住んで間もない頃は「こんな牛乳がスーパーで買えるなんて!」と感動した記憶があります。

さて、しかしそんな高品質な牛乳も、コーヒーと組み合わせることを考えると扱いが難しかったりします。というのも、牛乳感の強い味わいは、コーヒーの香りや上質な酸味との相性が悪く、生半可なコクや苦味では負けてしまうからです。それでも「カフェオレ」として認知されるメニューにはできますが、的確なマリアージュを楽しむには一考する必要があります。

牛乳に合うコーヒーとは

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ということで牛乳に合うコーヒーを検討します。今回は十勝産の成分無調整牛乳に合うコーヒーを目指します。
牛乳の甘味とコクに負けないようにするためには、ナチュラルやハニーといった精製方法の銘柄を選ぶのが望ましいです。しかし牛乳の甘味は砂糖系ですが、ナチュラル精製のコーヒーが持つ甘味は果糖系であることがほとんどですので、甘味がケンカして飲みにくくなってしまいます。しかしハニー精製の豆だけでは(銘柄にもよりますが)酸味が弱く、「苦味+牛乳」という典型的なカフェオレの味に集約されかねません。

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当然、コーヒー豆の焙煎度も重要です。いわゆる「シティロースト」を境目に酸味系と苦味系の香味に分かれますが、銘柄ごとの特徴もしっかりと捉えた上で焙煎度を選ぶ必要があります。ただ、コーヒーの甘味は一般的に中深煎りで最大になる傾向があるため、(目指す方向性にもよりますが)中深煎りで個性が際立つ銘柄を選ぶのが基本です。そのため上品なフレーバーが特徴的なブルーマウンテンや、強烈かつ上質な酸味のハワイコナといった、一般的に中煎りまでで活きるコーヒーは、牛乳と組み合わせるのが非常に難しいです。

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当店のカフェで提供しているエスプレッソは、カフェラテ=牛乳との相性と、エスプレッソ単体での美味しさとの、いわば最小公倍数を目指したブレンドに仕上げております。コロンビア・ハニー精製の豆と、エチオピア ・ナチュラル精製の豆、そしてブラジル・パルプドナチュラル精製の豆を絶妙に配合し、フレンチ寄りのフルシティで焙煎しております。エスプレッソ単体では酸味と甘味と苦味が調和した味わいで、カフェラテにした時には絶妙な甘味と口内から後味まで続く余韻の長い香りが楽しめ、開店以後多くのお客様にご好評いただいております。
ただ、十勝の濃厚な牛乳とは相性が悪く、現状では量販レベルの牛乳でカフェラテを提供しております。価格との兼ね合いもあり、採算の取れる範囲でブレンド作成をした結果ではありますが、本当は十勝の牛乳と素晴らしい饗宴をするコーヒーを作りたいと願っております。

ということで、次はそのあたりのお話を、採算面を度外視した前提でお話ししたいと思います。

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