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ASD旅行完全攻略

ASD旅行ハック~飛行機編~

人の話を聞かないけど口数が多い人が近すぎない距離に居て喋っててくれる、そんな人と友達にはなりたいと思わないけど助かるなぁと思っている最近です。

今回、急遽日本に家族で行くことになりパラシュートはどこですか?で過去にあったASDの子供との旅行が大変だったという話をした。ASD持ちの人や、子供がASD持ちである家族にとって旅行というのは心が折れそうになるくらい大変なイベントです。普段の生活から離れた行動をしなければいけないこと、予想外のことが多く起こること、人が多い場所に行かなければいけないこと、聞き慣れない音や見慣れない視覚情報にさらされること、これら全てがストレスになり精神的な疲れになります。

どう足掻いても間違いなく大変なのだが、そのストレスを最低限に抑えるために『ASD旅行ハック』をしていこうと思う。今回は飛行機で海外(日本)に行くのでASD旅行ハック~飛行機編~ということだ。俺らがASD持ちと認識してからの初めての旅行なので。色々調べながらここにまとめていこうと思います。

家から目的地まで

俺が一人で旅行するなら特に何の問題も無い。パスポートの期限切れだけ気を付けておけばいい。前日にスーツケースに荷物をまとめ、飛行機の出発時間に合わせて飛行場に行けば良い。旅行に慣れていればこんな感じで特に困ることもない。

しかしASD持ちの子供を連れていく場合はこうはいかない。何も準備しないと俺の飛行機での事件のようになる。今は笑っていられるが、もう一度やりたいとは決して思わない。

色々なサイトを調べていて共通していたのは、これから起こることを事前に説明することで子供たちに頭の中で一度シュミレートさせると良いとの事だ。例えば家から目的地(また旅行先から家まで)に到達するまでに下記のような工程と、伝えておいたほうがよい情報が存在する。

  1. 家から飛行場まで

    1. 車、タクシーや電車で飛行場まで移動する

    2. 多くの車や人が飛行場に居ること

  2. チェックイン

    1. 搭乗券を貰う

    2. 多くの人が居る可能性、多くの人が並んでいる可能性

    3. スーツケースのような大きな荷物は預ける

    4. 小さな荷物は飛行機に持っていける

  3. セキュリティーチェック

    1. 飛行機に乗る人の安全を担保する

    2. ポケットに入っている物、ベルト、靴などを箱に入れる

    3. 呼ばれるまで床に書いてある線の前で待つ

    4. 金属探知機のスキャナーの中を通る

  4. ゲートと待ち時間

    1. 搭乗券に記載されたゲートに向かう

    2. 飛行機の自準備が出来るまでに時間がかかるので待ち時間がある

    3. 軽食を食べたり、本を読んだりしながら待つ

  5. 搭乗

    1. 時間になるとスピーカーからの案内に従って列に並ぶ

    2. 搭乗券を見せ先に進む

    3. 飛行機に乗る

  6. 座席

    1. 搭乗券に座席が書いてあるので、自分の座席を探す

    2. 家族は基本的に集まって座れる

  7. 離陸

    1. フライトアテンダント(FA)、キャビンアテンダント(CA)、もしくは機長が連絡事項を話す

    2. 飛行機のエンジンや離陸時は大きな音がする

    3. 離陸時にスピードが急に上がり、圧力を少し感じる

  8. トイレ

    1. トイレの場所を確認する

    2. 非常に小さいスペースにトイレがある

    3. トイレの水を流すときに非常に大きな音が鳴る

  9. 飛行中

    1. 本を読んだり、小さなおもちゃで遊ぶ事ができる

    2. FAかCAが食べ物や飲み物を持ってきてくれる

    3. 席を立ち歩いても良い

    4. 座っている時はシートベルトを付けておくこと

  10. 着陸

    1. FA、CAもしくは機長が着陸が近いことを告げる

    2. シートベルトが閉まっていることを確認する

    3. 物が出ていたら片づける

    4. 飛行機から出る

  11. 着陸後

    1. 預けていたスーツケースを待つ

    2. 飛行場によっては非常に長い距離を歩くことになる

と長々と書きました。これを本を読むかの如くストーリーのように伝えてあげると、子供たちの頭に入りやすいそうです。このくらいの準備をしないと子供たちは疲れやストレスが溜まり、最終的にはその精神的な疲れが親御さんに戻ってくるとのこと。

起こりえる一つ一つのステップと同時に、その時に起こりえる周りの状況を理解させてあげることが大切だということです。

旅行中

普段の生活の中で子供たちが行う習慣や行動を旅行先でもすると良いらしい。うちの子供たちは週に一回ピアノ教室に通っていて、課題になっている場所を毎日夜寝る前に10分から15分練習している。この習慣を使う事にした。ゴムのような素材でできたピアノのキーボードのような物がある。丸めて収納したり出来るようで、場所もかさばらない。これを旅行に持って行って、夜寝る前に短い時間でも練習させようと思う。

子供たちに選択する自由を与えることで、不安を少なくすることが出来るらしいです。一人一人のバックパックに子供が選んだ好きなものを一つか二つ入れる。おもちゃなり、本なりで良いらしい。座っている時間や待っている時間が多い旅行には、子供が好きな時に好きな物を出し遊ぶことで状況に対して優位に立たせることが大切だということだ。

普段と違う環境で気が付きにくいのは感覚過敏の問題である。普段と違う気温、湿度、匂い、雑音など大人であればあまり考えずに理解できて対応できる。ASD持ちの子供は一つ一つがストレスに繋がり、どこかでメルトダウンに繋がってしまうかもしれない。旅行中に起こることの一つとして話しておくことも大切だが、慣れている匂いのエッセンシャルオイルやイヤホンで普段聞いている音楽を流すことで落ち着きを取り戻せるかもしれない。

最後にもうひとつ良いなと思ったのは、スケジュールを予めきっちり決めておくこと。スケジュール通りに物事が進むことで、旅行自体をコントロール(支配)している気分にさせる。スケジュールをキチキチにするということではなく、休憩も自由時間も予定に組み込むと良いということだ。朝起きて朝ご飯を食べる前に、一日のスケジュールを軽く伝えるだけでも良いとのことだ。一番良いのはスケジュールを子供たちが常に確認できる術を持つことだ。作ったスケジュールを紙にプリントするなり、スマホで共有するなりすることだ。

おわりに

ASD持ちだと自覚してから苦手なことはしないようにしている。自分が得意なことややりたいことのみに時間を使うことが得意なはずだから。しかし全てを避けて自分の好きなことだけを出来るわけでもない。

しかし子供が同じような考え方になるとは限らない。もしかしたら俺とは正反対の考え方になるかもしれない。ASD持ちの子供たちの人生はまだまだ長いし、その長い人生には山も谷もある。親として出来ることは多くの『良い』経験をさせることだと思っている。より多くの『良い』経験をさせることで、少しでも彼らの人生の足しになればと思っている。

ASD持ちは新しいことを体験するということが非常に困難なことであるが、対処する方法が多くあることを今回学んだ。親サイドの準備は20倍くらい増えたが、子供のためだったら親はなんでも出来るなぁと考えさせられました。

全てがうまくいくとは思っていないので、何が上手くいったのか、次に何をするかなど、旅行後に答え合わせをしたいと思う。

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