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農業は環境破壊

メソポタミア文明、エジプト文明、インダス文明、中国文明。中学校で習う世界四大文明だ。それに加えてアステカ文明、マヤ文明、インカ文明。この内で現在でも同じ場所で残っているのは中国文明だけである。それは何故だろうか。
『世界史を大きく動かした植物』によると育てていた食物によるという。
メソポタミア文明=大麦、小麦
エジプト文明=大麦、小麦
インダス文明=稲
中国文明=大豆
アステカ文明=とうもろこし
マヤ文明=とうもろこし
インカ文明=じゃがいも
上がその文明で育てられていた主要の作物である。何故この中で中国文明以外が滅びたか、住む場所を変えなくてはいけなかったのか。それは大豆の特殊能力が関わっている。
窒素、リン酸、カリが肥料の三要素と言われている。連続して同じ作物を同じ土地で育てると、土の中にあるミネラルのバランスが崩れる。特に窒素は不足するようである。そんな時、マメ科である大豆の特殊能力が役に立つ。マメ科の植物は空気中の窒素を土に取り込むことが出来るのだ。
現代では硝酸アンモニウムを農業に使用している。窒素肥料を硝酸アンモニウムから作り土壌に撒くことで、強制的に足りない養分を土に入れる。そうすることで毎年同じ作物を育てる事ができている。
そういえば、今年にあったレバノンでの大爆発はこの硝酸アンモニウムが原因だったと言われている。ちなみにダイナマイトの原料にもなる大変危険なものだ。塩素と水を混ぜると発火するらしいが、このレバノンで起きた事件は、海水によるものでは無いと記憶している。
話は若干それたが、イネも育てていた中国文明は水田の水によりミネラルが補給されることも中国文明が今でも残っている理由の一つだ。水田と大豆をすることは自然にとって、比較的優しい事だと言えるのかもしれない。
つまり何が言いたいのかというと、同じ作物を育ててきた文明は土壌を破壊し、食べ物の供給が追いつかなくなり滅んだ可能性があるという事だ。何代にも続いて同じ土地を使って農業をしてた人はどう感じただろうか。昔はあんなに収穫できたのに!と過去を羨んだのだろうか。
場所を日本に移そう。日本で大豆と言えば馴染み深い者だが、現代病に悩んでいる人はちゃんとした日本食を食べていないのではないかと思うようになった。日本食というよりもある食品だ。
それは味噌である。美味しい味噌ラーメンが食べたい。日頃からそう思っているのは私だけであろうか。味噌にはトリプトファンというアミノ酸が含まれている。トリプトファンはセロトニンと言う神経物質(ホルモン)を作り出す。セロトニンは幸せホルモンと呼ばれているだけあり、多くの良い効果を心身に与える。例えば、リラックス効果、精神安定、モチベーション向上などがよく言われている。
またレチシンという脂質も味噌には含まれていて、これは脳を活性化させるらしい。またアルギニンというアミノ酸は成長ホルモンを手助けするものだという。成長ホルモンと言うと子供に重要なのでは?と思う方もいるかもしれないが、大人になってからも非常に重要である。成長ホルモンは身体のメインテナンスを行う。つまり、美容や免疫力に関わってくるという事だ。
日本は消費している大豆の大部分を輸入で賄っているようだが、こんなにも馴染み深い食べ物は国内で栽培してもいい気がする。ちなみに大豆などのマメ科の植物は育てるのが非常に簡単である。家庭菜園でも十分に出来るレベルである。ベランダやお庭で育てた大豆で、味噌を作ってみるのはどうだろうか?そのくらいなら環境を破壊する事もないだろう。

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