見出し画像

椿象【詩】

死にゆく心について

椿象のダンダラの
触覚がゆらりゆらりと揺れるさまに
風に揺れる葬式の幕を見た

生きる苦しみ
死にゆく心
それでもふいに灯る歓びが
死にゆこうとする心を呼び止める

また諦めの溜息は毒となる

弱さに怒りを注ぐことが
削りながらも生きる熱となる

絶滅した清い心について

標本となり美しくとも永遠に
ガラスケースに閉じ込められて
ついに日の目を見ぬままよ

それならいっそ汚れてしまいたいと願う

椿象が泣いている

ぶうん
ぶうん

君だけを想う


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?