押し出され
息をして
泣いていた
多分
夏の空気
セミも鳴いていただろ
光だけ感じる目で見た世界を
憶えてはいない
希望のように抱かれた
あなたは透明
遠い記憶を辿って
好ましい記憶は美しくなっていく
息をしているだけで生きていられた
すべてが面白く鮮やかで
今を見つめながら
痛ましい記憶は縁から溢れていく
清濁併せ呑み心にもシワが寄る
生きていくのだとつきつけられた
押し出され
息をして
泣いていた
多分
色のついた世界を生きる
あなたは希望
光だけ感じた目で世界を見ている
あなたは奇跡
「誕生」
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