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風景の質感【詩】

夕立に街を追われ
アスファルトを泳ぐ

ちっとも涼しくならないで
咽返る空気の中に
息も絶え絶えの魚たち

鉄砲玉のような雨粒
体が撃ち抜かれそう
ずぶ濡れで
もう清々しい

雨宿りしたって遅いのに
どっかの屋根の下
煙を吐きながら空を見る

色の見えない空が
細くひび割れて
神様がのぞき見た

何か言っているみたいだけど
大き過ぎる音だけが響いて
わくわくするばかり

電撃が貫いて
何かに成れやしないかな

取り留めのない夢
色が変わった街
滑らかになった道路が横たわる

ミンミン蝉の声がひぐらしに変わった

「風景の質感」


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