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これから求められるライフスタイルについて

平成19年に国が仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章を策定し、多くの方が働き方について見つめ直すきっかけとなりました。
そして、自分に合った生活と仕事のバランスは人によって異なります。
今回は私自身が考える理想の仕事と生活のバランスを考えてみようと思います。

私は以前、助産師として産婦人科病院に勤務していました。
助産師という仕事は、日々赤ちゃんやお母さん、そのご家族に関われる、やりがいの大きな仕事です。

助産師は日勤だけでなく、夜勤に従事することが多いです。
夜勤は仮眠時間が1〜2時間程取れることもありますが、夜間帯にお産が重なったり、緊急対応が必要な場合は、16時間ノンストップで、病棟を走り回るなんてこともあります。

20代の若いうちは、夜勤後に友達とそのまま旅行へ出かけたり、ディズニーランドに同僚と直行するなどフットワーク軽く、出かけていました。
しかし30代ともなると、徐々に回復力が落ち、夜勤後は泥のように寝てしまうことが多くなりました。

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またお産は自然な営みですが、自然だからこそ何が起こるかわかりません。
「命が誕生する」ことは、赤ちゃんやお母さんにとって命がけの大変な仕事です。
妊娠中から産後まで本当にたくさんの奇跡が積み重なって赤ちゃんは生まれてきます。
特にお産の時は、お母さんとご家族が安全に、安心して新たな命を迎えることができるように、助産師は糸がピンと張るような緊張感の中で働くことも多いです。

助産師として働き続けたい気持ちもありますが、10年後、20年後を考えていく際に正直、私は体がついていかないのではと不安に感じることも増えていきました。
ある研究では、夜勤によって生じるサーカディアンリズムの乱れや睡眠不足が、がんの発生原因になったり、死亡率が高まるとも発表されています。
30代に入ってから、自然と今後の働き方を考える機会が増えました。

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その後、働き方を思い切って変えてみようと日勤のみの仕事を希望して、健診センターに転職しました。仕事内容も採血や問診、事務処理などお客様と密に関わるというよりは、滞りなく健診を受けていただけるようにサポートするものです。
夜勤がなく、以前より残業が減り、体に負担の少ない仕事。
私が望んでいたはずの仕事量でした。

Photo by 看護roo!

しかし、業務内容を覚えてしばらく経つと、心にぽっかり穴があいたような感覚に襲われました。
毎日同じ業務の繰り返しで、仕事のやりがいが見いだしづらくなっていました。
確かに、仕事量が減った分、私生活の時間が増えたのはありがたかったです。
しかし、一日約8時間を占める仕事にやりがいを見いだしにくいのは想像以上に辛く感じるのだと気付かされました。

それぞれ働いて気づいたことは、私は思っている以上に仕事での、やりがいを重視しているのだということです。助産師という仕事の中で、誰かの力になれる喜びを教えていただいたからだと思います。
そして健診センターでは、日勤帯に働きつづけることで自分の健康管理がしやすく、私生活も充実しやすいことを実感しました。

現在私は自分の理想とする働き方や職種を、今一度再考し直している段階です。
自分らしさや自分が好きなことを大切にしながら、夢中で取り組めるものが、将来どなたかに価値を提供できるようになれたら、自分もより幸せを感じられるのではと考えます。
仕事も生活も隔てることなく人生の生きがいとして融合されていく、これが私の理想のライフスタイルです。
自分が何を大切に生きていきたいのか、それを達成する方法を自分軸で考え、これから選択していきたいです。

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