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歌手になりたかった私の夢が叶ったのは自宅のリビングだった。
あなたは子どもの頃、夢はありましたか?
その夢、叶っていますか?
もしあなたにお子さんがいるなら
お子さんは何になりたいって言っていますか?
今でこそ、Youtuberのような新しい仕事もたくさんあるけれど
子どもは往々にして、見た目にインパクトが強くてかっこいい、
花形の職業に憧れることが多い。
実際に私の同級生もそうだったように記憶している。
私の小学校の卒業式では、卒業証書をもらったら、
壇上で将来なりたいものを大きな声で発表しなければならず、
今思えばなかなか勇気のいる告白でもあった。
同級生は、漫画家、警察官、総理大臣・・・いろいろあった。
残念ながらまだわが母校から総理大臣は誕生していないけど、みんなどうしてるのだろうか。
私はというと、幼少期から音楽のシャワーを浴びて育ってきたので
中学生になるころには「私はシンガーソングライターになる」と信じてやまなかった。
毎日歌詞をノートに書きなぐり、友達と見せ合い、
ピアノでいくつかメロディーもつけた。
歌もヘタではなかったとは思う。
軽音部でバンドも経験した。
ライブも山ほど観た。
が、現実が甘くないことなんて自分が一番よくわかっていた。
当然のように歌手の夢は諦め、私は大学に進学、大手金融機関に就職、と
我ながらお堅い王道の優等生ロードを歩んでいった、、、ように見えるかもしれないが、実際はしんどいことだらけだった。
ほんとうにこれでよかったのかな。
もやもやした想いが心から消えず、自由に生きていきたくて、
今、講師になったり、書く仕事に踏み出したりしている。
そんなある日、子どもたちとリビングでくつろいでいるとき。
「ママさー、昔歌手になりたくて、歌を作ってたんだよ!」
思いつきで言ってみた。ネタとして笑われる前提で。
しかし、違った。二人とも目を輝かせて、
「ええ?!すごい!ママお歌が作れるの?!歌ってみて!」
さすがに歌詞はこっぱずかしかったので忘れたことにして、メロディーだけいくつか口ずさんでみた。ものすごく覚えていたことに驚いた。
娘が言った。
「今度ママがライブするなら、全部見に行くから!私のお誕生日でも行くからね!!!」
「ええ?ママ今から歌手にはなれないよ」
「なんで?なれるかもしれないじゃん!!!」
娘は毎年お誕生日にディズニーに行くことを楽しみにしている。そのディズニーを放棄してでも、私のライブを応援したい、という決意のようだった。
その言葉を聴いたとき、自分でもびっくりするくらい私の目から涙があふれだした。ボロッボロに。泣きすぎだよ、と初めてここでみんなが爆笑した。
武道館でライブはできなかったしできる予定もないけれど、私が自宅リビングで「歌手デビュー」できた瞬間だった。
子どもたちの夢は、なにも「職業」でなくてもいいと思っている。
そして夢なんていくつでも持てばいいし、どんどん変わっていいと思っている。
何でもいいから、私は全力でこの子たちの「なりたい」を応援したい。
そして私自身も、なりたいものを諦めちゃいけないんだよ。手放すな。めちゃくちゃそう思った。
ちなみに、件の卒業式の壇上で私は「文筆家になりたい」と言っている。
全力で叶えてみよう。きっと道はある。
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