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【ディスクレビュー】Bibio / Sleep On The Wing (2020.6.12 発売)

いつものように、すぐそこにある自然を感じさせるエバーグリーンな音。

どこか懐かしいのに、いつも新鮮に聞こえる。
アイルランド民謡からの影響であろう民族的な雰囲気が多いが、一方で、どこにも属していない、いつの時代にも当てはまらないような無国籍感・浮世離れした感覚も感じる。
普遍的、当たり前なようで、これは新しい世界での感覚なのだろうか?

ギター、ピアノ、ストリングス、時に1つの楽器のようにも聞こえる柔らかい歌声、手拍子、小鳥のさえずり、その全てが混ざり合って優しく問いかけてくれるようだ。

楽しい時は、さらに楽しくしてくれる。
穏やかな時は、さらに穏やかにしてくれる。

そして、辛い時や苦しい時は、その心に寄り添って曇りを晴らしてくれるよう。
”The Milky Way Over Ratlinghope” のように、どこかに憂いを感じながらも、それこそジャケットに写る鳥のように、俯瞰した視点から悲しみを包み込む。祈りの感覚にも似たそれは、どこか温かい。
ポジティブだけではない、メランコリックな気持ちにもそっとついて来てくれる。

どんな心持ちの時でも、どの時間に聴いても、その時の自分にフィットして、日常に彩りを与えてくれる音だ。


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