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笑撃?の実録!『運転代行女が見た!泥酔珍客スタッフ事件簿!』《第3話》

〜何も起こらない訳がない。
 お客様の99.9%がお酒を召してるから〜
暴言、セクハラにも負けず今日も安全にお送り致します。


        第20案件 
     激かわスナック女子 出会い   

      随ドラ(主人公の業務)

スナックで働いている20代の激かわの女の子。

代行で出会った中でもそうそういない

アイドルグループにいてもおかしくないほどのかわいさ

私は2度ほどお迎えに行ったことがありお送りしている。

この日は30代客ドラ林とペアの私。

ペアの相手とは

どちらかが送ったことが無く

お客様情報を知らないと

お帰り先や

車種

いい人か

わるか

帰る道順などを伝え合い共有する

前情報で彼にはかわいい子ちゃんということを報告済み。

最重要報告内容

男性陣には大事な報告

スナックに到着し

○×代行です!」

と林は声をかけそわそわ待つこと数分

かわいこちゃんがお店から出てきた瞬間

客ドラ林の顔!

わかるよ
わかる

でも

もう少しポーカーフェイスをしておくれ

林は思わず私に 

〝かわいいっ〟

と目を見開き訴える

わかるよ
わかる 

でも

もうすこしポーカーフェイスを決め込んでくれ。 

林はとろけんばかりのニタニタ顔

そして実車中彼はかわいこちゃんと会話も弾んでいる様子。

だが
おい。
おいおい

お兄さん

スピード遅くないか?

わかるよ
わかるけど

林はこのままドライブしていたいと走行スピードが

きもち
いやいや
かなり遅くなる



後ろから随伴車でついている私

うん。

確実にスピードがおそい


しばらく走っていると
かわいこちゃんが彼の肩に頭をこてっ。

なんだ???
彼は心臓バクバクっ


そして離れない


そのうち頭を上げたかと思ったら、彼を見て目を瞑る

え?
キスを求めてる!?


酔ってるだけ


まじかっ
林は
いくか!
いかないか!
葛藤葛藤

でも

業務中!業務中!と自分に言い聞かせてなんとかその日は別れた

あれは完全にキスができた!と興奮冷めやらぬ様子

しかも向こうから積極的にくるなんて

興奮しない方がおかしい

わかるよ

わかる 

シフト希望を出す日が迫っていたその日。

週に3回くらいだった林は
翌月全日出勤希望を出した

他の男性陣に行かせたくないもんね

わかるよ
わかる
 


        第21案件  
    激カワスナック女子  早い別れ


30代男性客車ドラ林が2度目のかわいこちゃんのお迎え

運良く林とペアの時に配車された

かわいこちゃんが出てきた瞬間

「この前のお兄さんだ!」

覚えてる!おぼえてる!!

林はうきうき

顔!
だしない


そして実車中

「お兄さんのことすき会いたかった


これはゴー!サインだよね?

彼は確信する!

またまた彼は仕事を忘れ夢見心地でドライブ

おい。
信号渡れるだろ。

歩行者信号の点滅で止まる

わかるよ
わかるけど

ちゃんと運転してしようか

そして家が近づいてきた時

かわいこちゃんからLINE交換しよっと言われ有頂天

到着するとインカムで

林「ぼくのスマホもってきてください!」

はいはい
わかりましたよ

かわいこちゃんとLINE交換

車に戻って見守る私

そろそろいいかい?

次も入ってるので
とようやく別れた

さっそく彼は翌朝にLINE…







既読にならない

気になりちょこちょこLINEを開く林

どうしてだ?と思いながらも

〝二日酔いかな 疲れちゃったんだな〟



そして

2日既読にならなかったがようやく既読がついた



既読無視



なんで?

いやいや、かなり酔ってたからまだお酒が抜けず調子が悪いんだな

と自分に言い聞かせる林

そこで 
「大丈夫?」

追いLINE

からの追いLINE
「心配です。調子悪いのかな?」

しても既読無視

既読がつくのも数日後の既読無視

ちーん。

夢見させて突き落とし
悪酔いにも程がある


その後かわいこちゃんは

スナックに時々出勤しているようだがうちの代行を呼ばなくなった


そんな〜


しかし
前触れはあった

真夜中にハイテンションで奇声を発していたり
スナックのお客さんの上着を来て帰ってしまった為戻ったり

彼女のスマホ画面がバリバリに割れていたり
そんなでいいの?ってほど車もボコボコ

なぜかお客さんの鍵を持ってお店から出てきてしまったこともあった

そんな特殊行動を
私は何度か目にしてきていた

酒癖悪くて手に負えない系なのかと
彼には前情報としてなんとなく伝えてあったが

それでも彼は

〝かわいい〟

とその特殊行動なんてなんのその

〝かわいい〟

浮かれぽんち

わかるよ
わかる

恋は盲目
奇行は目に入らないものね

彼はあとで我に返り
よくよく考えるととんでもない女だったと受け入れた
逆に何にも起こらなくてよかったよ
と自分を納得させた
なぜなら
だって彼は既婚者子持ちで不倫、浮気の前科があるから
結構な修羅場を経験している
彼だけで一冊の本ができるくらいの内容の濃さ
なので
特殊行動の彼女ともし不倫関係になったら
何をしでかすかわからないこわさをかんじた。

それでもかわいいからあわよくば
だった
その後2ヶ月くらいしたらそのスナックから彼女はいなくなった

       第22案件
       縁石ダイブ 

お客様をお迎えし、客車と随伴車が連なって出発

したかと思ったら 

ガガッッ!!!!

客ドラの後ろから大きな音がした!

なんと40代女性随ドラ茂原が出発時に25センチの段差を見落としてそのままダイブッ!

前のバンパーが地面に激突したのだ!

車らアゴ痛いアゴ痛いっっ

客ドラが気づき客車から降り素早く駆け寄り
客ドラ「大丈夫?!」

茂「何がですか???」 

客ドラ「!」

この随ドラ茂原は他に

随伴車を壁に2回ぶつけタイヤを一個パンクさせて去っていった


        第23案件
       携帯用ライト

夜間の暗闇での仕事なので、ライトは必需品。

会計時にお客様の手元を照らしてあげたり
領収書を書いたり会計したりするので灯りがないとどうしようもない。

ポケットライトを100均で買っていたり、登山者がおでこにつけるゴムバンド付きのライトを首に掛けてていたり、スムーズに業務をこなせる様みんな独自のライトを持っている。

しかし

3つの代行を渡り歩き代行歴15年以上の50代ベテラン男性随ドラ松本はライトを持たない。

会計は基本的に随ドラがするので松本は特に必要なのだが

でも持たない。

どうしているかというと

本人は随伴車のベットライトの前で片膝を地面につけ立ち膝で自分の手元を照らす。

地面に膝を付けたくない時はヘッドライトの前ででくの字に腰をかがめて手元を照らす。

あとはペアのスタッフがお客様の手元を照らしてあげていると、その明かりに割り込んでくる

立ち膝もくの字も割り込みもみっともないのでやめてください。

いい加減ライトもとうか


        第24案件
       いちごあ〜ん 
     随ドラ(主人公の業務)

70代女性常連客。

居酒屋から大きな大きなイチゴをひとつぶ手に持って店から出てきた。

出迎えていた30代男性客ドラ林の目の前でじゅるっといちごを一口食べた

すると

食べかけのイチゴをそのまま彼の口元に持っていき

客「はいあ〜ん

林「!」

客「あ〜んは?」 

林「い、いや大丈夫ですっっ」

客「あ〜んっ!あ〜〜んっ!!」

「あ〜んっっ!!!」

ぱくっ!!

食べちゃったっっ!!!

私は思わず「あ!」と声が漏れてしまった

林「!!!!!」

彼は硬直したまま

「ふふん…♡

と女性客はにんまり満足気で帰っていった

実車後彼に聞いたら断れなかったと

いやいやいや、断れるでしょ


いや?
断れないか
私にも思い当たる出来事が

あるような無いような

あった

いつも飲み仲間やスタッフみんなに優しく毎回高額チップもくれる40代男性客

私が初めて自宅までの道を覚えたお客様。

いつもよくしてくれて仲良し。

そのお客様が実車中に数枚のクッキーが入ったお菓子を食べていた。

2枚目を手にしたら運転中の私の口元に持ってきて

客「はい!」
ぱくっっ!  

あっ!
食べちゃった
思わず食べちゃった

てへへ
そんなことがあったわ


        第25案件
     初出勤でそーくるか?
         随ドラ

スタッフに新しく20代後半男性里崎が入って来た。

数日間は随ドラの私と客ドラと里崎と3人体制。
私が運転席で彼は助手席で客ドラは後部座席に乗り込み日報の書き方など一通りの業務内容を教え始める

配車係から指令が入り私が運転して目的地まで向かう間もあれこれ説明



とその間、彼はスマホをいじっている

いやいや、
今!
初出勤で!
研修中に!
スマホいじること自体ありえないけど
でもっ!
昼間の仕事の大事な連絡だったらしょうがない
奥さんが心配しないように連絡してるならしょうがない
と自分に言い聞かせた

が、なかなかスマホから手も目も離れない
ゔ〜ん
失礼だがちらっと覗いてみた

うそーんっ!!!
インスタ?
なになに???
ネットサーフィン!!!

それらを見ながら私の言葉に返事をしてる
おかしいよね?

だめなことだよね?
今までたくさんの新人さんの研修をしてきたけど
初めての衝撃
その後も運転してる私の隣でネットサーフィン
こんな時代がきたのか

いや違う。
時代も年齢も関係ない
人間性の問題。


        第26案件
     お食事でもどうですが? 
         客ドラ

70代男性客。
客ドラの私が行くと、趣味で撮ったという写真がたくさん入ったアルバムをいつも嬉しそうに見せてくれてチップをくれる。

そのうち「今度お食事でもどうですか?」と誘われるようになったがいつもやんわりお断りしていた。
ある時いつになくしつこく誘われて、急に私の手をとり
「お願いだから!食事だけでいいから!」
と何枚ものお札を次々と握らせてきた!

「申し訳ございません!社長の方からきつくいわれておりますので!」
とお断り続け、男性随ドラが会計に来てその場はどうにか逃げられた。

そうなってくると乗車拒否。
それからは他の客ドラが行くようになった。


 

        第27案件
      水も滴類ほのぼの男
         随ドラ

「今日も飲みすぎちゃったな〜」といつもニコニコご機嫌の40代男性客。

「喉が渇いた」と自販機で自分の飲み物と私たちの分まで買ってくれてから出発。

自宅に到着し会計しようと随ドラの私がお客様に駆け寄ると胸に大きな大きな赤黒いシミが!

「どうしたんですか??」
びっくりして声をかけた。

サスペンスドラマで刃物で刺されたかの様な赤黒いシミ



どうやら缶コーヒーを盛大にこぼしてしまったようだ

私「大丈夫ですか?胸にコーヒーが
本人は私の言葉でこぼしたことに気づいた様で

客「あ〜!なんでぇ〜!あ〜こんなになっちゃって〜困ったなぁ〜」と。

それでもずっとにこにこご機嫌。

なんだかほっこりするわ 


        第28案件
   インカム混線許してください

客ドラと随ドラはインカムでつながっている。
実車中に
「この先右折します」
など連絡に使ったり
「オーライ!オーライ!」
と誘導の時に使う。

代行中に車で走っていたり、街中でお客様を待っていると、時々インカムから声が聞こえてくる。
混線だ。

よくある。

〝そっちに5人グループ客が行ったから引き止めて!〟
〝了解〜〟

キャバクラ系の呼び込みだ。
〝白、白の軽自動車他3台行きまーす〟
〝どうぞ〜。そのあとこっちから5台行きまーす〟

交通誘導員だ。
〝3番テーブルおあいそで〜す〟
〝は〜い〟〝5番テーブル片付けちゃって〟

居酒屋だ。

そんな感じでインカムの周波数が同じだとよく混線して聞こえてくる。

その場を離れれば聞こえなくなるのだが、これも何気におもしろい。

そんなある日も聞こえてきた。
〝ブッ、ブブっ
〝どうぞ〜〟〝了解〜〟
〝こっちはいいからそこで止めておいて〟
〝対応よろしく〜〟
など男性の声が聞こえてきた。

混線だ!

信号待ちで2人で随伴車に乗ってる私と林はちょっとふざけて声を発してみることにした。

〝そろそろ来るかな?〟

〝今のところゼロ〜〟

私「お疲れ様ですがんばってくださいね」

〝え?〟

〝え?え?え?今女の声しなかった?〟

〝なになに?どーゆーこと?〟

男性2人軽いパニック

声が届く距離を超えてしまったのかその後の会話はもう聞こえなくなってしまったが、男性たちはすごく驚いていて私たちはしてやったり。

そうだ
私たちは車であちこち走ってるから混線慣れしているけど、定位置でインカムを使うと混線は無いに等しい。
始めにオンした時点で混線してそうだったら周波数をすぐに変えるし 
お店や工事現場で使うインカムはその場にとどまってるから混線率は低いのだ。

なので私の声におばけか?ばりに驚いていた!

ごめんなさい。私です。

でも
お仕事のじゃまになってしまうのでもうしません


        第29案件
       スナック店員 

「まこちゃんばいばーいっっ!」
と腰をくねくねぶんぶん手を振り男性客を見送るスナック店員さん。
私よりはるかに年上の女性たち。
お客さんが見えなくなった瞬間
「うざっ。やっと帰ったよ

ひょえぇぇ〜
でもっ
男性客は毎日のように通い続ける
本人はうれしそうだからいっか!

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