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笑撃?の実録!『運転代行女が見た!泥酔珍客スタッフ事件簿!』《第9話》


〜何も起こらない訳がない。
 お客様の99.9%がお酒を召してるから〜
暴言、セクハラにも負けず今日も安全にお送り致します。


       第70案件
        勘違い
    随ドラ(主人公の任務)

随ドラとして1年間働いてから二種免許をとり客ドラになった50代秋田。
客ドラの研修は社長自ら行い、その後にベテラン随ドラに託される。

私との初日…
客ドラとして助手席に乗り込んできた秋田は…

背もたれをぐぅんと倒し
足を組み
腕を頭の後ろで組み

「みみ子さんと乗るの楽しみにしていましたよ〜」

「…。」

なんか勘違いしてる…

こいつ急に態度L…

「こんなに早く二種免許証取れると思ってませんでしたよ〜」

なぜか客ドラが偉い?すごいと思っている様子…

勘違い甚だしい…

しかも…

客ドラになったとたんに張り切ってしゃしゃり始める

「この店で随伴車はここに止めてください!」
「俺の号車がラストまで残されるのかな〜」
「へ〜。みみ子さんはこの道を選ぶんだ」
「車のヘッドライトって左右角度が違うの知ってます〜?」
「居酒屋〇〇は△市にあります!」

などなど

なんか癇に触る

そしてべしゃりがとまらない…

その当時、まだ代行始めて1年の秋田と7年の私。

私に指示するな

しかも

そー言いながら秋田は道を知らないし運転が下手なのだ。

なので
ついこの間まで随ドラだった秋田は

道もなにもよく知ってる50代男性客ドラ早見とペアが多かった。
そして
道を指示するくらいなら自分で運転したいと随伴車も客ドラ早見が運転していたのだ。

あとはトラックの運転手もしてる客ドラ金城も道に詳しいので、金城とペアも多かった。
秋田が随伴車を運転はしていたものの、金城に道など指示されてたはずだ。

金「あいつ道知らないのに聞かねーんだよ」
金「あいつとんでもないところ行っちゃうんだよ」

とよく金城が嘆いていた。

そして…

とにかく運転が下手なのだ。

二種免許をとったからといって運転が上手い訳ではない。

客ドラの研修が誰よりも長かった…

というより、今でも研修の延長のようなものだ。

社長はト〇カのミニカーやラジコンカーを買って車の動きの仕組みを教えたり

駐車するときに無駄なく優位な位置から入れる練習をどんだけ???というほどさせていた。

のに

客ドラになったとたんに態度L…

〝自分が知ってます〟の時にしゃしゃるしゃしゃる。

聞いてもないのに…

誰に言ってるの?
私に言うな…

あなたが言うこと知ってること全部わかってますから…

運転が下手だって道を知らないからってそこはこれから良くなっていけばいい。
ただ
しゃしゃり圧が過ぎるから癇に触る


        第71案件
     黙って乗ってなさい
        随ドラ

客ドラ秋田とペア。

配車係が

配「スナック〇〇の△さんお願いします」

私「了解です」

秋「あそこかぁ〜。△さんが止めてる駐車場によって右か左か出方がちがうんだよねぇ〜」

私「え?いつも同じ駐車場ですよ」

秋「いや、違いますよ!いつもいろんな駐車場に止めてますよ」

私「いつも✖️銀行の駐車場ですよ」

秋「ちがうんですよぉ〜。あ…どっちかな〜今日はどこに止めてるかな〜」

私「…。」

テンション高くあーだこーだ言ってる彼を放置…

そして

スナック〇〇に到着し
ハザードをつけて停車。

日報に到着時間等を記入し始める私…

私「…。」

秋「…。」

私「何してるんですか?着きましたけど…」

秋本 「え? ここ…?」

私「…はい。」

こーゆーことが山ほどある。

道もお店もお客さんもあなたよりわかってる。
ちゃんと連れていくので
助手席で黙っておりこうに座ってなさい。


       第72案件
    どの立場で言ってるの?
        随ドラ

50代随ドラ上がりの新人客ドラ秋田とペア。

20代男性3人組のお客様。
とにかくご機嫌のご様子。

お帰り先を聞いたらすぐそこ2キロ弱。
しかも、私たちの空車時の待機場所の近くなのでスタッフみんなよく知ってる地域。

秋田が客車に乗り込み出発。
私も随伴車で追走。

ん?
どこ行くんだ?
逆方向…
そしてなぜかあちこちでグルグル回ってる…

近いのになかなか着かない…

どこ行くんだこいつは…

どこをどう通って帰ったかわからないくらいあちこちをグルグルまわって到着

メーターを見ると4キロ超え…
ほんとなら2キロ弱で帰れるところを…
お客様怒ってないといいが…

お客様の元へ会計に向かうと

出発時と同様にご機嫌。

ほっ…

そのまま会計し無事終えて随伴車に戻ると

秋「まったくよーっ!あいつらうるさいんですよ!道もろくに教えないし!」

私「え?」

秋「みんなでぎゃあぎゃあ騒いでて、道を指示しないんですよ!」

私「だからグルグル回ってたの?」

秋「あいつらのせいですよ!最初に道指示してくださいって言ったのに全然言わなし!みんなでしゃべってうるさいんですよ!」

…。

私「ってゆーかさ、お帰り先、私たちの待機場所に行くだけだよ?
2キロも無い距離をわからなかったの?」

秋「…。」

私「その距離で〝道がわからないので指示してください〟と言って怒られなかっただけありがたいと思わないとだめだよ」

秋「…。」

私「ふつーだだったら、そんなとこもわかんねーのかよ!って怒鳴られててもおかしくないよ?」

秋「…」

私「酔ってるお客様がご機嫌なだけでどれだけありがたいか」

秋「…はい」

私「しかも、〝道を指示してください〟と言ったからってお客さん指示してくれないよ…
酔っ払ってるから…
要所要所でこっちから〝ここはまっすぐでいいですか?〟〝もうしばらくまっすぐですか?〟とか聞かないと…」

秋「…はい。」

秋田は

客ドラとしてまだまだひよっこなのに…

一丁前な文句を言う…





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