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笑撃?の実録!『運転代行女が見た!泥酔珍客スタッフ事件簿!』《第7話》

〜何も起こらない訳がない。
 お客様の99.9%がお酒を召してるから〜
暴言、セクハラにも負けず今日も安全にお送り致します。 


        第60案件    
    おっしゃる通りですお客様 

     随ドラ(主人公の業務)

お店に到着し
個人呼びのお客様へ電話

私「○×代行です。お店の前に到着しました」

客「わかりました」

30代男性客ドラ林と私が店の外で待っていると
何度かお送りしたことのある20代男性客がすぐに出てきた。

客「今、家族みんな出てくるから」

私「はい。お待ちしてます」
と待つことまだ1

いきなり

「待機料とはなんだーっ!!!!」

と年配男性客が怒鳴りつけてきた!
「え???」

私も林もびっくり!

年配客「待機料なんて聞いたことないぞ!そんなのどこの代行もとってない!!!」

と叫ぶ叫ぶ

ふと周りを見渡すと

父(年配男性客)と母(奥さん)
息子次男(電話してきたたまに使ってくれる客)と奥さんと子ども
息子長男(時々使ってくれる客)と奥さんと子ども
3世代での食事会だった模様

と話はもどり
吠えて吠えて終わらない

私「お声がけしてからお客様が出てきて頂くまでに15分たつと待機料がかかってしまうんです」

父「そんなとこどこもない!!!」

私「初乗り料金が付近のどこの代行さんよりもうちは安いので、待機料頂いても結果うちの代行の料金が安い場合もあるので

父「そんなの知らん!!」

私「例えば他の代行さんでは1.5キロまで2000円でうちでは3.5キロまで1500円なので、待機料頂いても安い時はよくあるんですっ」

と何を言っても

父「お前たちの代行はなんなんだ!!」

と止まらない止まらない。

息子たちは逆らえないのか
誰も止める人はいない中
ただ、息子長男だけは申し訳無さそうに私たちにこっそり頭を下げている

しまいには

父「お前たちの代行はもう使わないっ!!!」



 
ずっと黙っていた林が口を開いた

林「おっしゃる通りですお客様!!!
そうなんです!お客様が決めることなんです!
私どもが勝手に来るわけではございません。
お客様がお好きな代行さんをお呼び頂いて大丈夫です!」

父「!」

おっと?

初めて黙った!!

父「ぐぅ
おい!
お前、前に待機料いくら取られたんだ!」

息子次男「500!」

父「500円くらい払えーっっっ!」

え?



なにそれ

今までのこの時間は何

それからは何事もなかったかのように車に乗り込み出発

結果

出発までに15分過ぎたので待機料発生。

吠えてなければ1500円で帰れたのに2000。 

別れ際には息子長男が謝ってきたが

まったく
彼らは要するに

息子次男に
「代行来たから、早く店出るよ!待機料とられるから!」

と食事や退店をせかされことにより父が激怒しこの様な事態になったのかと

まったく



        第61案件
       悲しいアウディ  
         随ドラ

50代男性客
小柄な50代女性客ドラ伊東が客車に乗り込む。
どんな客車でも手軽に乗りこなす男まさりの姉御肌。
でも

伊「申し訳ございません。座席を少し前にさせていただいてもよろしいですか?」
小柄のためあまりに座席を後ろにしているお客様の車では足が届かず座席を前にさせて頂く。
のに

客「ダメに決まってるだろ!俺の位置に決まってるんだよ!絶対動かすんじゃねーぞ!」

伊「

ボタンひとつで
またはエンジンをかけ直せば自分の定位置に座席が自動で動いてくれるはずなのに
伊東は座席の先端ギリギリに座り運転。
無事に到着したが

こんなお客を乗せたくないだろうに
アウディ様



        第62案件
        肌身離さず  

昼間は事務の仕事をして
夜はスナックを転々としてきた
50代女性川崎が新しくスタッフに入ってきた。
最初は研修で川崎と私と客ドラと3人体制。
研修が始まりしばらくして
ん?
なんか違和感
なんか視界に入ってくる
研修中は随ドラの私と共に行動するので、誘導や会計時に私のすぐそばにいてもらう。
なんか違和感

誘導にも会計時にも
車から外に出る時は必ずカバンを持って出る
20センチ✖️25センチくらいの箱型おしゃれバックを腕に掛けて出てくる
私「川崎さん。おカバン後部座席やトランクに置いておいて大丈夫ですよ。」
川「いいんですっ!」

そうなの?
でも
そのうち代行の釣り銭カバンを肩からかけるんだよ?
気になる気になる
うん。
お客様待ってる時も誘導も会計も
車外に出る時必ずカバンを持って出てくる
何回か見本をみせたので、新人川崎に代行の釣り銭カバンを肩から掛けてもらいたいのだが言いにくい

おしゃれカバンを腕に掛けたまま
そのうち雑談から理由が判明。
スナックで働いていた時にいつでもどこでもお金を盗まれたと
財布からはもちろん

定期入れにいれても
スマホにこっそり入れておいても
盗まれた続けてきたと。
川「あの人たちは信用ならないから!」

感情がこもってるこもってる
川「あーゆーところで働いてる人たちって人間じゃないから!頭おかしい人多いから!」
と初日から毒舌披露

おいおい。
あなたも働いてたでしょ
スナックで出会ってきた同僚みんなに怒りがあふれている

私たちは信用されてなかったのね。

でも

出勤3日目にはおカバンを置いてくれた。
やった!
って。
喜ぶのもおかしいか。

        第63案件
     呼ばれた先に警察官!!!

知らない電話番号のお客様からの呼びで言われた住所に向かう
ん?
パトカー?
お客様に呼ばれたそばで何かあったのかな?
と思いながら進んでいくと
パトカーや警察官の輪に到着!!
なんだ???


そのまた中に一台のヤンチャ風な車が!
しかも片側一車線の車線またいで道路のど真ん中に止まっている。

お客様は車の中にいるようだが
私たちはなぜか警察官とのやり取りが始まる。

よくよく話を聞くと、道路のど真ん中で車が止まってると近所の方から通報が入り警察がきたそう。

きてみたら運転者が運転席で泥酔して寝てしまっていた為、代行を呼ばせて帰そうとしたらしい。
そーゆーことか。
でも

びっくりしたのが
今!飲酒運転での現行犯で捕まえられないそうだ!

なぜなら
ドライブレコーダーも防犯カメラも目撃情報も無いからだ。
この人物が運転した証拠が無いから警察官は代行で送られるのを見届けるしかないと
そうなんだ

ここまで他の人が運転してきて、この彼は運転席で寝ていただけかもしれないと言うのだ。

とにかく状況は理解して20代らしき若者をお送りした。
その20代男性のお客様は
親切に送ってくれたと喜んでくれて
それから何度か代行を呼んでくれた
飲酒運転だったのかはわからないが
飲酒運転はやめてね

常連のお客様は飲酒運転で捕まった。

その日30代のお客様は自分で運転して帰ってしまったそうだ。
途中コンビニで寝爆睡してしまっている所に警察官がきて職質された。
それは逮捕になった。
どうして

それは
本人がコンビニまで運転してきたところがコンビニの防犯カメラやドラレコにに写っていたからだ。
ちゃんと代行を呼んで帰る人
代行を呼ばずにこの時代でまだ自分で運転して帰ってしまう人
いつもは代行呼ぶけど、時々自分で運転して帰ってしまう人。
お金がない。代行がきてくれるまで時間がかかる。今日はそんの飲んでないからいいやと。


飲酒運転は自分だけの問題では無い
事故を起こして大事な人や誰かの大事な人を傷つけてしまうことにもなりかねない。

正直言って
目の前で飲酒運転して帰っていく人をよく見る。
居酒屋の客やスナックの店員などなど

なかなか飲酒運転は無くならない
悲しい事故がなくなりますように


        第64案件
      いらないアピール

「社長は?」

「社長どこいんの?」 

「社長じゃないのかよ」

。」

お客様に言われる。
特に少しイキってる?
威張っている?
男性客。

純粋に社長を慕ってくれてるならありがたいことだが

〝俺は社長と仲良いから丁重に扱えよ!〟
感が出てるお客様が時々出没する。

そんな雰囲気を醸し出す人に限って
年に数回しか代行を使わず社長もうる覚え…

        第65案件
      肩こってません 
        客ドラ

60代男性客。

客ドラの私はお客様をお迎えし客車に乗り込む。
ほとんどのお客様は助手席に座るのだが
今日のお客様は後部座席。
何気ない会話をしながら走ってると

客「運転してると肩凝るでしょ?」

私「そうですね〜でも私はそんなに凝らない方だと思います」

客「気付いてないだけで凝ってると思うよ。マッサージしてあげようか?」

私「いいえっ大丈夫です!」

客「運転してもらってるんだからしてあげるよ」

と勝手に後ろから手を回し両肩を揉み出した

私「いやっ大丈夫なんで!」

客「いいよいいよ遠慮しないで」

私「大丈夫ですっ」

とイスをMAX前へ!
さらに
ハンドルに胸が着くぐらい限界まで体を前方に
しても
ぬぉ〜っと手を伸ばしどうしたって届いてしまう

逃げ場がない


ガチンガチンに肩に力が入り逆に肩が凝り到着

ワンメーターの距離だったのがせめてもの救い

一度でも私に触れたお客様は、その後乗車拒否できる


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