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笑撃?の実録!『運転代行女が見た!泥酔珍客スタッフ事件簿!』《第10話》

〜何も起こらない訳がない。
 お客様の99.9%がお酒を召してるから〜
暴言、セクハラにも負けず今日も安全にお送り致します。


        第73案件
     こっちの方が近いですよ
         随ドラ

40代客ドラ金城とペア。

配車係から

配「居酒屋〇〇から△さんお願いします」

私「了解です」

と電話を切り…

金「みみ子さん知ってる??」

私「うん。居酒屋〇〇から□市の□中学校の近くだよ」

金「どの道で行ってる?」

私「みんな〇〇通りから踏切渡って〇〇街道で行ってるよ」

金「そうなんだー。それより〇〇駅の方から行ったほうが近いんだけどなー」

私「でも、お客さんの指示でみんなその通りで行ってるよ?」

金「そうなんだ〜」

こいつあやしい…

とお客様を迎えて出発…。

するとすぐに…

おいおいおい。

お客さんに言ったな…。

〝こっちの方が近いっすよっ〟って。

みんなと違う道を走行。

金城はわざと違う道を言うのだ。

〝俺の方が道を知ってる〟を誇示したいのだ。

こいつまたやってるよ…

と思いながら走ってると…

あーあ。

いつもの道より遠い…。

私はメーターでわかる。

値段上がっちゃうよ…

そんなことを思いながらご自宅に到着。

いつもなら2500円なのに
ワンメーター分、500円高くなってしまった。

私「ありがとうございます!3000円です」

まだ私の想像で過ぎないのでそのままの金額をお伝えする

客「…はい。」

ぴったりの金額を渡してくれたが…

お客様が金城に向かって

客「高くなっちゃったじゃん!」

金「あ、はい… すみません…」

確定…。

私「何かこちらの不手際でしたら料金を…」

客「…もういいよっ」

とお客様は帰って行った…

随伴車に戻り

金「こっちの方が近いと思ったんだけどな〜」
とヘラヘラ…

私「…。」

お客さんの為に近道を!ではないのだ。
俺は誰よりも道を知ってるを誇示したい金城。

そんなだから失敗する…。



         第74案件
        ルームランプ
          随ドラ

20代男性客ドラ新田とペア。

代行のお客様として、30代男性客ドラ佐藤を居酒屋さんへお迎え。

この佐藤とは私もよくペアになる。

居酒屋から出てきてわいわいおしゃべりしなが車に乗り込んで2台連なって出発。

途中で

新〝コンビニ寄りま〜す〟
私〝は〜い〟

インカムで連絡をとりあう。

そんなことしながらご自宅に到着。

お会計もして佐藤とまたね〜と別れて新田と随伴車に乗り込むと…

新「あっ!佐藤さんのルームランプついたままだ!」

私「あ!!!ほんとだ…!!」

  ボボッ
〝佐藤くん!佐藤くん!ルームランプついたままだよ!〟

新「…。」

私〝佐藤くん!?〟

新「みみ子さん… ここ…」

私「え?」

新「ここで聞こえてますけど…」

と新田が胸元のインカムを指差した…!

私「…!!!!!」

新「ちょっと!やめてくださいよ〜!」

とお腹を抱えて笑い出した!

私「間違えたっ!佐藤くんとインカムで繋がってる感覚だったっっっ」

そうなのだ。
佐藤とよくペアになるので、普段から業務中にインカムで連絡とりあってるからそのままの感覚…

新「あ… ルームランプ消えた…」

私「勝手に消えるやつだ… もうやめてよーっ  
無駄に辱め〜っっ 元話といえば新田くんのせいだからっ!」

とは辱めを人のせいにし始める。

新「笑えるんだけど!」

ほんと無駄に恥をかいたわ…



         第75案件
  かっこよく去ろうとしたんだろうけど
      随ドラ(主人公の任務)

個人呼びでファミレスチェーン店に到着。

深夜の駐車場には車が2台だけ

黒のハイエースと白のプリウス。

20代くらいのお客さんが2人談笑してる。

そのどちらかが代行のお客様だろうと随伴車から降りると
そのうちの1人が…

客「一本吸ってからいくから待ってて」
私「わかりました。」

待ってる間に安全確認がてら、車の様子を見て見ると

2台ともそれぞれの持ち主のお気に入りなのが分かる外装と内装

特にハイエースの方はローダウンのエアロ装着、ホイールもタイヤも変えている。

そのうち一服も終わりお客様の1人から案内されたのはプリウス。

代行のお客様はプリウスの方ね…

客プリウス「じゃあまたな!」

とハイエース男に声を掛け客ドラと2人で車に乗り込んだ

車に乗り込んでいた客ハイエースは窓を開けて「じゃあなっ!」と手を挙げ急発信…

前へ
ぶぅんっ!!!

後ろへ
ぶぅんんんっ!!!

彼の見せ場の
無駄な急発信と急後退の切り返しが終わりいざ出口へ

ぶぅぅぅ〜っっ

ガガガガガッッッ!!!!!!

あ〜あ…

思いっきりエアロとホイールを引っ掛けた…

駐車場が広いため、いろんな方向で列をなしている、がっつりコンクリートの車止め…

ハイエースは一瞬青ざめたかのように止まり掛けたが、また急発信して何事も無かったかのように去っていった…

やっちまったのを気づかれたくなかったんだろうな…

あれはすぐにケガの様子を見たいレベル…

私だけまだ車外にいて、しっかり見させて頂いた…




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