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笑撃?の実録!『運転代行女が見た!泥酔珍客スタッフ事件簿!』《第5話》

〜何も起こらない訳がない。
 お客様の99.9%がお酒を召してるから〜
暴言、セクハラにも負けず今日も安全にお送り致します。


        第40案件
     クリスマスパーティ

空車時間は自由だ
車内で待機してる為できることはかぎられているが
好きに過ごしている
仲の良い相手とはTVを見ながらおしゃべりしたり
仲が悪いとまではいかないが、会話もはずまない相手の時はそれぞれスマホをいじっていたり
寝ていたり
ペアの相手によって過ごし方は違うが自由だ

クリスマスがもうすぐ
40代男性客ドラ金城が
2人でクリスマスパーティーをしようよ!」
とノリノリでペアの40代女性随ドラ井川に声をかた
金城は待機中にコンビニでいちごのショートケーキを買ってきた。  
「はいっ!」

フォークと一緒にプラケースに入ったケーキを渡すと
井「ありがとうございま〜す」
と言いながら
スススッとカバンの中へ

撃沈
その場で一緒に食べようとしていた金城。
みんなも思うはず
パーティなんだから
ただのお裾分けになってしまった
その話を金城本人から後日聞いた私は
私「えーっ! 笑えるっ 振られちゃったんだ!」
私「そのケーキどうしたの? 生クリームやばそう」
後部座席に置いてあるカバンの中のケーキ
真冬といっても車内
暖房ガンガンの車内  
の中に5時間一緒に乗車のケーキ
やばいね
金城は家に帰って生クリームがどろんどろんのケーキをたべたとさ 


        第41案件
    エアコン事件 ゲキ切れ編 冬 

30代男性客ドラ林vs50代女性随ドラ水下

エンジンのかかっていない客車に乗るので
夏は灼熱地獄、冬は極寒地獄の客ドラ。

しかも何故か到着するまで
冷房、暖房を付けないお客様が多い。


キンキンに冷える真冬
客車内が暖まらないままお客様の自宅に到着

会計が終わりお客様と別れて
ダッシュで暖かい随伴車車内へ向かう林!
??? 
暖かくない
暖房が切れている!

つかさず暖房を高温、強風にする林

と数秒後に何食わぬ顔で水下が低温、弱風に!!!

それを察知しつかさず林が高温、強風に!

今度は水下が瞬時に低温、弱風に!!!

この2
普段から必要最低限の話しかしない仲
無言で激しいバトルを繰り広げ

しびれを切らした水下が

水「暑いのよっ!!!」
と激ギレして叫んだ!

確かに水ドラは随伴車にいる時間が長いため暑くなる時がある。

でも

随ドラは真冬の激寒と真夏の激暑にはならない車内で過ごせる為

客ドラより全然快適なのだ。

水下

少し我慢しようよ

客ドラ林は

車内が0度前後の客車から凍えて戻ってくるんだから
気を使える随ドラは上着を脱ぎ着して、客ドラの温度に合わせてあげる


        第42案件
   エアコン事件、静かなる戦い編 夏
      客ドラ(主人公の業務)

vs40代女性随ドラ井川

エンジンのかかっていない客車に乗るので
夏は灼熱地獄、冬は極寒地獄の客ドラ。

しかも到着するまで何故か冷房、暖房を付けないお客様が多い。

真夏
客車内が冷えないまま灼熱の車内のままご自宅に到着ー。
暑い暑い暑いっ!
会計が終わりお客様と別れた私は
歩速は冷静に
気持ちはダッシュで随伴車に乗り込むと

ぬっる
うん
ぬっる

汗がじわじわ

ぬっるっ

私「ちょっとエアコンの温度下げていい?」

井「いいよ」

私「ありがとう」と控えめに温度を下げる

汗が引いて快適になるまで遠い遠い

の途中でまた実車


随伴車に歩速は冷静にダッシュで戻ると
ぬっる
ぬっるぬっる

温度上げられてる

また

私「ちょびっと温度下げてもいい?」

井「いいよ」
それでもまた控えめに温度を下げる
でもでも
実車している間にまた温度を上げられてしまう

このやりとりを2回繰り返したところで
悲しいので3度目からは言うのを我慢する

あっつ

汗がひかないひかない

こんな気の使えない女性になりたくない


        第43案件
       事故の連鎖

客ドラ父と随ドラの息子の親子ペア

お客様をお迎えしていざ出発!
の瞬間
随ドラ息子が左腹をガリッ!
音に気づいて動揺した父が右前方をガリガリガリッ!!

うそーん!

事故の連鎖

あくびや風邪じゃないんだからうつすなっ

心優しいお客様だったが社長はトホホ

 

        第44案件 
       グッジョブ
        随ドラ

50代女性客ドラ加賀とペアの私 

客ドラ加賀が迎え先の居酒屋に声を掛けて店先で2人でまっていると

中から数人のお客さんが出てきて

その中の1人が代行のお客様の様子
そのお客様と共に何台か車が並んで止まっている駐車場に到着

そのお客様の車のまわりの安全確認をして
50代客ドラ加賀とお客様が車に乗り込んだのを見届けてから
私もダッシュで随伴車に乗り込む!

何台か車が止まってる列からスーッと一台出てきたので置いていかれないように素早く随伴車で追走する

2キロくらい走ったところで脇道に入り駐車体勢になったので急いで随伴車を降り誘導にでようとしたら
あ、れ

運転席に知らない人が

ん? 

どうして

あっ!!!!!

やばいっ
知らない車についてきちゃったんだ
オーッ!
ノーッッッ!!!!!
一気に血の気が引いた
神様〜っっっっ!!
の瞬間

「ブップーッ」
と後ろからクラクションが

振り返ると運転席に見覚えのある顔が!

加賀様〜っっっっっ!!

私が他の車について行ってしまったのを瞬時に気づき追いかけてきてくれたのだ!
加賀様グッジョブ!!!
惚れるっ
そして 
運のいいことに

ほんもののお客様の帰り道の途中だったのでメーターもそのままで大丈夫!

ほんとにごめんなさい

新人の頃だったとはいえ

何かアクションをしていたであろう後ろの客車に気づかないなんて

ほんとにごめんなさい
気をつけますっ!


       第45案件
       癒し画像

2030代のスタッフも多く、まさに子育て世代

20代男性客ドラ新田が
新「見てくださいよ〜 やばくないですか?」
と2歳になる愛娘のおもかわ動画や写真を見せてくれる。

「うちの子こんなことできるんですっ」
とでんぐり返りの動画や

「この前のクリスマスなんて
とサンタさんの格好した写真などなど見せてくれてデレデレのご様子。

わかるよ。

わかる。

かわえぇ〜

30代女性随ドラ川谷も

「もうすぐ一歳なんですっっ」
「かわいくてしょうがないんですっっ」
と歩き始めた動画や2人で遊んでいる写真をみせてくれる度に

癒される〜

私「なんなのこのかわいさは!」
 「うちゅうじんうちゅうじん!」
 「もう一回見せて!」

とばぁばかってくらいに癒される

TVYouTubeじゃなくても身近で楽しませてくれる  

私も何かないか? 

うちは

ヒゲもスネ毛も生えた私よりはるかに背の高い成人息子と

ごめんなさいという言葉を知りません。冷たい視線を送ってくる反抗期真っ盛りのJK

でも

私も

何か
何かないか
そうだっ!
必殺
「うちのみみちゃ〜ん!!!」(うさぎ)

ペット画像

これで対抗する。



        第46案件
       吠えるお客様

「◯X代行です」
と店の入り口で声をかけた。
すると店の中で代行を呼んだグループ客の1人が叫んで暴れてる模様。

そのままわちゃわちゃしながら店の外に出てくるなり
「代行!おめーがわりぃんだよ!ふざけんじゃねーぞ!」
と巻き込まれた

最初の標的は仲間にだったのか?
店にだったのか?
分からないが
店から出るなり標的が代行スタッフに向き吠えて吠えてなかなか終わらない
これでは無理だと思ったのか
グループの仲間が平謝りしながら代行をキャンセル
仲間はまともな人でよかった
チャンチャン。


        第47案件
        取り違え

店に到着し

代「こんばんは!〇X代行でーすっ!」

男「あ〜おれおれ〜」
と出てきて車に案内され出発。

代「市ですよね」
と配車係から伝えられてるお帰り先を確認すると

男「え?ちがうよ!市だよ」

代「え?どの代行さん呼ばれました?」

客「X X代行だよ」

代「うちは〇X代行です!ごめんなさい!お送りするお客様間違えてるので戻ります!!!」

と急いで戻ると他の代行さんとうちのお客様が待っている

逆もたま〜に

乗る前に確認しないとね


        第48案件
       どっちなんだい!

20代男性グループ客
いくつか経由する予定
20代男性客ドラ新田が
新「どの様な道で向かいますか?」
客「なんでもいいよ」
と出発。

一つ目の経由先に向かってると
客「なんだよ!いつもと道がちがうだろ!」

。」

おい!
どっちなんだい!!!

そして
あなたの〝いつも〟なんて知りません


        第49案件
       泥酔客放置

○X代行です!」

店呼びなので、店員さんに声をかけるがお送りするお客様はまた分からない

すると

店の奥から店員さんたちに抱えられて泥酔したお客様が出て来た

店「こちらのお客様です」

代行「お帰り先はどちらか分かりますか?」

店「わかりません」

代「お客様大丈夫ですか?」

客「ん?うぅ〜

。」

1人で歩けず、話もできずまさに泥酔

店「じゃあ、よろしくお願いします」

とお客を引き渡そうとした

いやいやいや、

代「申し訳ありませんが、話もできない泥酔した知らないお客様をお送りできません。
しかも、
お客様個人からのお電話では無くお店から呼ばれて私たちは来ているので、お店の方にお断りさせて頂きたいのですが。
泥酔したままのお客様をお引き受けすることはできません。」

とキャンセルさせて頂いた。

酔いが覚めたらまた代行を呼べるように一応名刺はお渡ししておいた

が。

ほんとうに困る

店もめんどうだから早く帰したいのも分かるが
引き渡しちゃえばいいと思ってるんだろうけど
泥酔客をそのまま引き渡すのは無責任

店呼びで行ってるので放置しようとするのはやめてください


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