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思い出の味回顧:豊島食堂(大分県豊後高田市)

思い出といっても、まだ現存していますが。

昭和の町として有名な大分県豊後高田市にある「豊島食堂」は、自身が子どもの頃、たびたび両親に連れて行ってもらった食堂だ。

たいていは夜で、母が運転することをいいことに、父親は焼き鳥にビールをあおっていた(ような気がする)。

自分と弟は決まって「豊島ランチ」。

エビフライやスパゲッティ、チキンライスなど、いわば子どもの好きな王道メニューというところか。

この食堂の一角にブラウン管テレビが置いてあり、あるとき通された場所がテレビの真正面だったことがある。

このテレビはほかの客にも見えるよう配置されていたので、ボリュームは大きめだし、だからといって勝手にチャンネルを変えることもはばかられる雰囲気だった。

仕方なく、あまりみたくもないテレビを前に、そしてその大きなボリュームに遮られ、結果、もくもくと食事をせざるを得ないこととなった。

ま、それはそれで、家族の思い出である。


ときは流れ、1989年の夏に高校時代の同窓会が開催され、再びこの店を訪れた。

話に夢中になるばかりで食事にはあまり手をつけなかった。いまさらながら申し訳ない。

なぜか縁が無く、それから30年が経過してしまった。もしできるなら、焼き鳥でなく、あのときのランチを食べてみたい。

豊島食堂(大分県豊後高田市高田780番地/電話0978-22-2451)

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