【初心者向け】イスラム教攻略note【礼拝】


はじめに

世界で最もわかりやすくイスラム教を解説するnote。

恐らくこのnoteを見に来た人はイスラム教に入信したばかりの初心者だと思う。
初見だと分からない単語や意味をググっても出てこないものが多数あって困っていることだろう。
そんな人たちの助けになるべく、日本人ムスリムの私が礼拝の作法等や専門用語について解説する。
※なお、このnoteは長くなりそうなので都度追記するスタイルで行く。

イスラム教とは

普通に長いから読みたい人だけどうぞ。

イスラム教の聖地、サウジアラビアのメッカという場所にあるカーバ神殿

ざっくり歴史

西暦610年にできた宗教。数十年でできた割には現代にも適用できて汎用性が高い。信者は20億人いる。スンニ派という多数派とシーア派という少数派がいて、シーア派は大体イランの人。ムハンマドというおっさんが作った。

左がガブリエル(ジブリール)で右のおっさんがムハンマド

なんか洞窟で瞑想してたら声が聞こえてきたんだとか。ムハンマドは字を読んだり書いたりできないので、神の言葉集(クルアーン)やムハンマドの行動記録(ハディース)は字の書ける弟子が遺した。

クルアーン(神であるアラーの言葉が書いてある)
ハディース(ムハンマドの言行録)の解説書、結構量ある

アラーという神がいて、アラーという言葉自体も神という意味。キリスト教でGodというと「父なる神(ヤハウェ)」を表すのと同じ。というか実はアラーとヤハウェは同一人物。天使はいっぱいいるが、神はアラーだけ。

ムハンマドの扱い

イスラム教において、ムハンマドは他信者と同じ一般人扱い。キリスト教では神の声を聞いたイエスも神扱いされているが、イスラム教ではムハンマドはあくまで神の声を聞いただけの一般人。ただ、一応神の声を聞いた人ということで、彼の言動はイスラム教的に重視される。

イスラム教とキリスト教の対立

なんでイスラム教とキリスト教が同じ神なのに分かり合えないのかというと、イスラム教はユダヤ教から続く系譜の最終アプデ版だから。ユダヤ教を否定してできたのがキリスト教で、キリスト教を否定してできたのが、イスラム教。
過去の聖書に書かれてあった内容についても、「実はこういうことだった」とアラーが訂正したりしている。

この3つの宗教をアブラハムの宗教という

偶像崇拝禁止

偶像崇拝というのをイスラム教は禁止している。どういうことかというと、アラーの絵だったり銅像だったりそういうものを作るなということ。つまりイケメンのアラーを描いてそれに向かって信仰すると、アラー本体というより絵のイケメンに対して信仰してね?という判断からそうなってる。FGOとかも絶対クソブスの歴史人物いるだろうけど全部イケメンになってるし。

そもそも性別まで変わってるんだが(Fate/Grand Order)

天国と地獄

天国と地獄の概念がある。右肩に善行を記録する天使がいて、左肩に悪行を記録する天使がいる。どっちも天使。

こんな感じ?

善行の方がちょっとでも上回れば天国に行ける。悪行の方が多いと地獄行き。毎日の礼拝や寄付などをすると善行ポイントを稼げる。

イスラム教といえばテロ

「なんか怪しい言葉を叫びながらタンクローリーで突っ込んでるよな」というイメージ。しかしそれはごく一部の過激派がやっている。

イスラム国の人、もちろん国ではなく自称してるだけ

当たり前だが20億人のムスリムがあんな感じなら世界はもう滅んでるのでは?
なぜあんな感じになるかというと聖戦(ジハード)の意味を履き違えているから。ムスリムのテリトリーを守るために戦うことはやむなしとしているが、布教拡大のために自爆テロをしろなどとアラーは言っていない。そもそもイスラムとは平和という意味なので平和と程遠い行為を教義にするわけがない。
簡単にいうと過激なラブライバーと一緒。ほとんどのラブライバーは穏健的。アイドルマスターとの宗教戦争も起こっているらしい。

礼拝してる?

なぜ日本で流行らないのか

テロのイメージはあるだろうが、それ以前に敷居が高い。基本的に礼拝の時に唱える呪文(ドゥアー)はアラビア語でなければいけない。

一番大事な呪文「アル・ファーティハ」、唱えられない人は初心者か偽ムスリム

しかも結構な量を丸暗記することになるのでアラビア語圏以外だとなかなか流行らない。その点キリスト教はゆるいなと思う。「天にまします〜」というのでもOKだから。今は「天にいらっしゃいます〜」という風に変わっているらしい。そういうところもキリスト教が流行る理由かもしれない。そもそも歴史的に天草四郎とかの時代から馴染みあるしな。

キリスト教の伝道師ザビエル(1549年に来た)

スンニ派とシーア派の違い

キリスト教で例えるなら、スンニ派はプロテスタント(聖典重視)でシーア派はカトリック(最高指導者重視)。
スンニ派はクルアーン(アラーの言葉集)はもちろんのこと、ハディース(ムハンマドの行動記録)も参考にしてイスラム教の在り方を考える。

逆に、シーア派はクルアーンは当然重視するものの、ムハンマドの行動よりも、今生きているムハンマドの血族が言ってることを大事にしようという発想。つまり、そいつがイスラム教をどう考えるかでOKになったりダメになったりするものがある。

イマームはイスラム教の偉い人のこと、指導者

イスラム教は合理的

「なんか女性は変な服着てて大変そう」というのが、一般人の感想である。確かに礼拝も一日五回とかだるいわな。しかし、明言されてなくても大体理由がある。

・豚肉禁止

豚さん

豚肉禁止はよく聞く話だろう。クルアーンには不浄だから、としか書いていない。ただ、現代的観点で見ると、3つほど理由がある。

1. そもそもユダヤ教で禁止されてた
イスラム教の古いバージョンのユダヤ教でも禁止されてた。
2. 寄生虫やウイルスがいる
ちゃんと火を通さないと余裕でE型肝炎とかになる。多分昔当たった人が多かったのかも。
3.豚が雑食だから
人間と食べるものが競合する。エサで穀物食わすくらいなら人間がその穀物を食べたい。なら最初から食べ物が競合しない草食の牛とかラクダを食えと。

・死肉禁止
当たり前だけどいつ死んだか分からないような肉は食べると危ない。

・酒の禁止
元は禁止されてなかったが、宴で暴力沙汰が起こったので後からクルアーンに追加された。

・女性のヒジャブ(顔とか覆ってるアレ)

あやしすぎる

イスラム教では女性は「存在自体がエロい」とされてる。足だったりうなじだったり、なんでもエッチ。正直口すらもエッチなので全部隠すことにした。男性の心は弱く、性欲は人間を狂わせ、犯罪につながることもあるので、平和のためこのようなルールになった。ただ、ヒジャブでどれだけ体を隠すかは国によって結構ゆるさが違う。トルコとかはかなりゆるい。

・一日五回の礼拝
生活サイクルの維持が裏目的。ちなみに礼拝と同時に手洗いうがい足洗い等もセットなので清潔維持の習慣にもなってる。

一応豆知識として、他の宗教の神の名前を呼びながら作った食べ物はNGというルールもある。宗教戦争が絶えない今日この頃、敵の毒とか入ってるかもしれないからね。

イスラム教はゆるい

・断食
「色々戒律あって大変そう。」とよく言われる。実は結構ゆるい。大変そうと言われる代表格に断食がある。何も食えないのかと思いつつ、日が出てる時は食べられない、というだけ。朝と夜に爆食する。断食をすることで貧しい人の気持ちを教徒全員で理解する狙いがある。太陰暦の9月にやる。普段我々が使っている太陽暦だと毎年地味にずれていく。

ラマダン期間は毎日日没後に爆食パーティ(イフタール)をやる

・礼拝はずらせる
飛行機とか乗ってると時間通りにできないからあと回しにしてもオッケー。

・豚肉もやむを得ない時は食べれる
脅されて食わされる時や、他に食べるものがない時などはオッケー。

音楽はNG?

実はムハンマドが音楽に対して耳を塞いだという記録がある。心を奪われてしまうと信仰心が薄れるかららしい。つまり音楽の力はムハンマドも認めたということの裏付けでもある。楽器は基本NG。皮を張っただけの簡易的な太鼓はOK。
ちなみに歌は禁止だが朗誦(いい感じの読み上げという体)ならセーフ。礼拝呼びかけのアザーンというものも、歌っぽいが朗誦。誰がどう聞いても音楽だろ。

用語解説

専門用語が多いのでここで解説。

一般用語

・ムスリム
イスラム教徒。

インドネシアのムスリム

・モスク
イスラム教の教会。大体上が丸い。

東京都渋谷区の東京ジャーミィ

・イマーム
指導者という意味。イスラム教の神父的存在。教会の一番偉い人。ただ、実際は教会という縛りはなく地域の一番偉いイスラム指導者もイマームと言うし、国の一番偉いイスラム指導者もイマーム。

名古屋モスクのイマーム

・ハラル
イスラム教的にOKなもの。

・ハラム
イスラム教的にNGなもの。

食事におけるハラル、ハラムの例

礼拝用語

・サラート
礼拝行動のこと。

だるいならみんなで祈ろうほととぎす

・キブラ
メッカの方向のこと。

東京ジャーミィはキブラの方角にこんなのがある

・ニーヤ
心の中での意思表明という意味。「アラーのために〇〇します(礼拝します、禊します等)」と心で唱えるのがニーヤ。

・ウドゥ
日本的に言えば禊(みそぎ)。礼拝の前にやる手洗い等。
洗う順番は手、口、鼻、顔、腕、髪、耳、足。

ウドゥするとこ

・ルクー
礼拝姿勢の一つ。おじぎ。手のひらを膝につける。

おじぎ

・サジダ
礼拝姿勢の一つ。土下座。手のひら、おでこ、膝、つま先を床に付けるのがポイント

土下座

・ラカート
礼拝中の一連の動作のセット。一日五回の礼拝それぞれにラカート数が決められている。早朝=2、午前=4、午後=4、夕方=3、夜=4となっている。

・ドゥアー
礼拝で唱える呪文(祝詞)のこと。日本人からするとアラビア語丸暗記なのでそこそこの量に感じる。

・スーラ
クルアーンの章のこと。114章ある。第1章のアルファーティハは絶対に覚えなければいけない。礼拝ではもう一個覚える必要があるが一番短いやつ(第112章)でいい。

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