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Osaka Commons Project

アートプロジェクト「えがく、こえ」に続く、草の根の集いのプロジェクトが決まった。それが『Osaka Commons Project』だ。僕らは『コモプロ』と呼んでいる。


「人新世」の資本論

最近話題になっている『「人新世」の資本論』という本がある。草の根の集い@Osakaの活動のVisionを示してもらったような作品だ。

人新世とは地質学の概念のことであり、様々な分野で時代区分として用いられているらしい。この本では近年の資本主義が発生させている諸問題をマルクスの新しい解釈とともに綴られている。


楽しくて、豊かな公共空間を大阪に

脱成長、脱資本、脱商品化など、様々な言葉が最近のホットトピックとして僕の中で渦巻いている。それらを学術的に議論するには浅薄な知識しか持っていないので、このnoteでは僕が実現したいことをお伝えしようと思う。


▶︎楽しい公共空間

僕は5年ほどNPOで仕事をし来ており、やりがいも社会的意義も感じている。一方、社会課題を解決しようという意図と裏腹に、自身の活動のちっぽけさ、人一人の生活を支えることの難しさも感じてきた。

そんな僕がやってきたことが周りからは楽しそうには見えていなかった。仲間になりたいといってくれる人はやはり少数で、社会を変えるにはあまりに小さな動きに止まっていた。

そんな中、草の根の集いでは「えがく、こえ」というアートプロジェクトを実施した。参加いただいた皆さんに楽しんでもらいながら、僕たちのメッセージが届けられた数少ない経験となった。

僕はNPOの仕事にやりがいと社会的意義を感じている。そして、何より、楽しいからこの仕事を選んできた。そんな楽しさをもっと多くの人と分かち合えれば、課題山積みで希望を持てない今を変えていけると思う。


▶︎豊かな公共空間

豊かさとは物で溢れることではなく、満ち足りた人で溢れていることだと思う。誰か一人の欲求が際限なく満たされる一方で、最低限の欲求も満たされない人がいるような社会を僕は豊かだと思えない。格差があることが問題なのではない。

問題はそこにある苦しみが無視されていることだ。

先日のアートプロジェクトでは、子どもから高齢の方まで幅広い年代の方が、アートを通じ、オープンに政治を語れる場となった。こういった多様性を担保しながら耳を傾ける民主主義の実践を続けていきたい。

気づかれていなかった苦しみがテーブルの上にあげられ、その解決に向けて様々な取り組みが生まれていくために。

草の根の集い 集合写真


Osaka Commons Project が果たす役割

Osaka Commons Projectの役割は私たちの持つ『資源』の共同管理を行い、楽しくて、豊かな公共空間を大阪に築くことだ。

ここでいう『資源』とは何かを達成するために使える全てのを指す。建物や製品などはもちろん、僕らの時間や知識やスキルなどの無形のものも含めた全部。そして、この『資源』の共同管理に関する意思決定は人によって行われる。

私たちは当然ながらそれぞれ利害が異なる。都構想を実現した方が得をする人もいれば、実現しない方が得をする人がいるのと同じだ。

どんな物事であれ、リアルな損得が働く中で利害を調整するのは一筋縄ではいが、このプロセスこそが全ての声を大切にするプロセスだ。

AかBかの拙速な意思決定をすることなく、全ての立場を尊重するAもBも大切にする意思決定によって『資源』の管理を行う。

しかし、「それができないから政治は機能不全になった」という声もあるだろう。だから、最後に僕ら草の根の集いの役割を書いて結びとしたい。


両者の対話を促し、難しい意思決定を容易にする

草の根の集いの仕事は利害の対立する両者の対話を促し、難しい意思決定を容易にすることだ。僕が対話の定義で最も好んで使うものがあります。

「人と人の関係性を結び直すもの」

この定義は宇田川さんという経営学者が「他者と働く」という本の明快な定義だ。この定義より、対話は話されているコンテンツにはコミットしていない。むしろ、そのプロセスへのコミットである。

対話のプロセスが様々な声の発現を促し、色々な立場への気づきをもたらす。終わった時には自分自身の立場に固執することの不毛さを学ぶことができる。

だから、立場が変わらない今の与野党の話し合いは平行線にしかなりえない。もはや議論ですらない。話し合いとは立場を積極的に変えながら最適解に集団で近づく一連の変容プロセスである。

だから、話し合いとは本来とても協働的なものだ。誰か一人の正しさを証明し、承認欲求を満たすためではない。だから、僕たちは対話を促し、難しい意思決定を容易にしながら、私たちが持つ限りある『資源』の最適な共同管理を実現する。

その時、大阪にcommonsという新しいコミュニティの運営方式が浮かび上がってくるだろう。僕はそのことにとてもワクワクしている。

ということで対話の会を開くので、ここにあるメッセージで心が熱くなっているあなたとご一緒できるのを楽しみにしています。


\Second Season始動! 草の根の集いが突然コモンズとか言い始めたわけを語ります。/
https://www.facebook.com/events/3859489704113740

\大阪コモンズフェスタ  自分たちの「2025年 こんな大阪にしたい」をカタチにしよう/
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