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研修先の社内ルールをわかってない講師が登壇したらどうなるのか?

皆さんは仕事をしていて、お客様からクレームを受けたとき、謝りますか?謝りませんか?

まあ、普通は謝りますよね。

では、明らかにお客様が悪い場合はどうでしょう?お客様の勘違いで記録も残っている、理不尽ともいえるクレームの場合です。

一般的には、この場合も謝ることが多いです。何か不備に対して謝るというよりは、ご不快な思いをさせてしまっているということに対しての謝罪をすることで、まずは相手に寄り添うのが基本となります。

しかし、これは会社ごとにルールがあるので、そのルールに従う必要があります。

社内勉強会や研修を行う際は、この対応ルールについて明確にしておく必要があります。例として、対応ルールの認識に齟齬があったことによりひどい目にあった教育担当者さんのエピソードを紹介しましょう


以前にコールセンターで研修を行ったときの話です。

内容としては、基本的なクレーム対応研修で、一般的な基本対応手順を学んでから実際にあったクレームについて対応方法をディスカッションする、という内容でした。

先方の教育担当者ともテキストの内容を確認し、そのコールセンターの対応ルールとの齟齬がないかを確認した上で、研修を実施しました。この時確認したところ、対応ルールは明確ではないが謝ってはいけないというルールはない、とのことでした。

そして実際の研修に入り、講義の中でまずは当事者意識を持ったうえでお客様に寄り添い謝りましょう、という話になった時、それまで腕を組みながら話を聞いていたベテランの女性社員さんが声を上げました。

「謝るなんてとんでもない!謝ったらうちに非があることを認めることになるでしょう?!あなたうちの対応ルールも知らずに研修をやっているんですか?!!」
※ちなみにとても怖かったです

これには講師も困りました。

講師としてのスキルや研修内容以前の問題なのでどうしようもなく、教育担当者さんに話を振らざるを得ませんでした。

教育担当者としてはそんな対応ルールはない、とベテラン社員さんとその他の受講者さんに言いますが、ベテラン社員さんはみんな謝らないルールで対応している!と言い、他の受講者も半数ぐらいは同意していました。

こうなるともう研修どころではありません。講師側としても事前に確認をした内容になるので、「で、どうしましょうか?」という状態になりました。

結局のところ、その手順の部分以外のテクニック的な内容を研修ではお伝えして何とか研修を行いましたが、受講者さん達は完全に受講意欲を失っていました。アンケートの結果もぼろくそ。。

研修会社側としては、研修は失敗しましたがお客様側の問題ということもあり、クレームなどはありませんでした。しかし失敗は失敗なので、残念な気持ちでした。教育担当者さんは部内の状況を把握できていないということで、結構社内で詰められたようです。。

しかし、後から教育担当者に話を聞いたところ、これをきっかけに対応ルールについて明確化し部内で共有をすることになったらしく、それはそれでとても良いきっかけになったとのことでした。ベテラン社員さん達の立場が部内で結構強く、上手くコミュニケーションが取れない状態が起きていたようです。


皆さんはこのようなことがないように、事前に研修の内容と現場の対応ルールに齟齬がないかしっかりと確認しましょう。

このエピソードから得られた教訓

■実務と研修で取り扱う内容に齟齬がないようにする