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「戦争広告代理店」はマーケターにとっても参考になったという話

マーケティングは善か悪か。

私はそんな、ろくでもない問いを、頭の片隅で反芻していたころにこの本に出合った。
今思えば、十数ものクライアントのマーケティングを深く考えすぎて、少し病みかけていたのかもしれない。
 
新型コロナでオンライン・デジタル化の需要が一気に急加速した一方で、オンラインの限界も見えてきたとも言われるが、何が限界の要因なのか、実はその構造はあまり明らかになっていない。
ただ、間違いなくオンラインのみでは人間の本来の可能性は、謳歌できないと多くの人が感じているだろう。
 
世界サイズで考えると、ウクライナ紛争や長く続く新型コロナ感染症、日本においては、急激な円安・物価高、など、世の中の混乱に乗じ、情報もサービスも、玉石混交の程度がますますひどくなっている。
 
そんな中、マーケティング支援を行う人間として、今後、どのような能力が求められ、どのようなスキームがサステナブれるのかを思案していた。
 
そんなときに書店で目に留まったのが本書だった。
 
ドキュメント戦争広告代理店
~情報操作とボスニア紛争~

 
戦争広告代理店? 情報操作?
 
反芻していた疑問の答えが、この本で見つかるとは思えなかった。
そもそも、題名からしてサステナブれそうにない。

ただ、キーワードがインパクト強すぎて、もしかしたら何かの参考になるかもという言い訳も手伝って、即買いし一気に読んだ。

そして、一気に読んだ私は、妻に本書の内容と感想を延々と熱く語っていたようだ。そのぐらい印象的だったということだろう。
 

マーケティング支援者の視点で読む


どちらが悪でどちらが善か、というステレオタイプな論調が嫌いだ。
本書の中で、敏腕PRマンは、PRの力によって、セルビアを悪でボスニア・ヘルツェゴビナを善と仕立て上げている。
(仕立て上げているという言い方もよくないかもしれない。)
 
恥ずかしながら、私はボスニア紛争に関する私の知識は皆無だ。
つまり、どちらの立場に立っても論ずる資格がないのだから、ボスニア紛争に対する政治的な立場はフラットに、できるだけマーケターにとって役に立つ要素だけを、次回以降で取り上げるようにしたい。
 
自分の業務にはもとより、多くマーケティング関係者にも参考になるように書きたいと願うが、気づかぬうちに私自身の本音が出てしまうことはお許し願いたい。

今のところ、以下のような論点を考えている。

・「虚」と「実」について。
・プロフェッショナルとのかかわり方
・politically correct を軽んじた代償
・セクショナリズムは回避すべし 

マーケターにとっても参考になると思うので、また、このNOTEに寄って頂けると嬉しい限りである。


今回の参考図書


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