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【書評】苦しかったときの話をしようか

有名なマーケターである森岡毅さんの「苦しかったときの話をしようか」を読んでみました。森岡さんの著作は何冊か読んでいますが、本書に関しては「父が娘に伝えたいこと」という観点で書かれています。


本の概要
年間集客が約700万人まで減少し、このままでは倒産確実といわれていたUSJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)を、年間約1500万人のテーマパークへ再生させた稀代のマーケター、森岡毅。彼は大学生になった我が子のために、就活・昇進・転職・起業などキャリア形成について書きためていたプライベートな文書があった。これに編集者が気づいて読んだところ、激しく感動。一般に向けて出版されることとなった。就活する前に自分の軸を決めること、そのためには自分の好きなことを発見し、磨いていくこと、社会では自分のブランドを構築するために努力することなど、就活生のみならず、ベテランの社会人が読んでも実に面白い内容になっている。また、タイトルにもなった第5章、我が子への愛が溢れる第6章の怒涛の展開は読む者の心を激しく揺さぶる。社会人として生きることに勇気が湧いてくる作品である。

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こんな人にオススメ

・自分のキャリアに迷っている方
・自分の強みが何かわからない、強みの見つけ方が分からない方

ここがオススメ

マーケティングの考え方を、自分をマーケティングする方法=自分というブランドを構築する戦略として応用する考え方が面白いです。とにかく強みで勝負しよう!というキャリア戦略であり、自分の弱みばかりに目がいってしまう方に特にオススメです。

ザックリまとめ

キャリア戦略

  • その人の目的達成のために、その人が持っている特徴を認識して、その特徴が強みに変わる文脈を探す、その勝ち筋を考えること

  • キャリア戦略においてコントロールできる変数は3つ

  1. 己の特徴の理解

  2. それを磨く努力

  3. 環境の選択

  • 年収を決める法則は3つある

  1. 職能の価値

  2. 業界の構造

  3. 成功度合いによる違い

  • 会社の将来性を見極めるコツ

  1. 持続可能な需要の有無

  2. 持続可能な構造の有無

人生の目的を立てる

  • 人生で達成したい夢を人生の目的とし、その目的を達成するためにキャリアがどうあるべきかを考える

  • 目的を見つけるには、どんな状態であれば自分はハッピーかという未来の理想状態から考えると良い

  • 自分のブランド・エクイティ・ピラミッドを作ってみよう

  • 自分のブランドを設計する4つのポイント

  1. Valuable:価値は十分強いか?

  2. Believable:信じられるか?

  3. Distinctive:際立っているか?

  4. Congruent:自分の本質と一致しているか?

  • キャリアとは、自分をマーケティングする旅である

  • 普通の人と同じようなことをしていたら、普通にしかなれない

所感

いま勤めている会社において、自分をどうマーケティングし、上司や同僚に売り込んでいくかを考える良い機会になりました。

自分の強みに焦点を当て、その領域であれば会社の誰にも負けないと思える程に磨きをかけ、最終的には他社に移っても同様に強みを発揮できるレベルまでに自分を引き上げたいと思います。

本書で書かれている経験談は凡人が経験できるようなものではありませんが笑、その森岡さんのご経験から凡人が学べることは多いはずです。

個人的には、「人と違うことをやり続ける」ことが大事だと思っており、その過程で自分の強みも醸成できたらと考えています。

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