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人に「説明が分かりやすい」と思われる秘訣

話が分かりやすい人と、分かりにくい人を分ける違いは何でしょうか?敢えて一言で違いを表現するなら、それは「共感力」かなと私は思います。

ここでは、いわゆる「PREP法」のような「話をする順番」については触れません。あくまで、その一歩手前の準備段階についてです。


共感力とは

「共感力」というのは、「相手のことや、その相手のいる状況について共感できる力」だと思います。相手に理解してもらいやすい説明をするには、以下のことを自分がまず理解する必要があります。

  • 現在の相手の知識レベルと理解状況

  • 相手が理解すべき情報は何か

  • 説明を終えた時、相手がどんな状態であることがゴールなのか

相手のことを理解するには、「仮説を立てる力」が必要となります。また、仮説立ての後、分かりやすい説明を行うために「説明内容の設計」に取り組むことになりますが、その際には「俯瞰する力」「抽象化する力」という二つの能力が重要となります。

「いかに分かりやすく説明できるか」というコンテクストにおいては、これらの能力を総じて「共感力」と呼んでいます。

共感力を構成する要素

  • 「仮説を立てる力」

  • 「俯瞰する力」

  • 「抽象化する力」

「仮説を立てる力」

「仮説を立てる力」とは、「相手が何を求めているのか」「相手は何を知らないのか」を想像し、仮説立てをする力です。また、相手がどういう状態になることが望ましいのかを把握しておき、ゴールから逆算してやるべきことを考えることも重要です。

「俯瞰する力」

「俯瞰する力」とは、全体を見渡して対象とする物事や課題の分析・分解をする力です。この俯瞰力を、「いかに相手に伝わりやすい説明を行うか」という具体例に落とし込んだ場合、例えばあなたが説明を行う予定である特定の課題について、説明を行う対象課題の全体像から説明範囲の特定、説明を行う順番、相手の理解度に応じた説明回数の設定など、検討事項は複数あります。

「抽象化する力」

「抽象化」という言葉を使うと分かりづらいかもしれませんが、要は「分かりやすくすること」です。「分かりやすく」するには、その対象課題を「シンプルにする」こと、「類推による理解を促す」ことの2点が重要です。

「シンプルにする」とは?

細かい枝葉の議論と幹の議論を区別することです。相手の理解度に応じて枝葉を切り捨て、幹の内容にフォーカスしたり、相手の理解が一定レベルに達した段階で枝葉の議論に踏み込むなど、相手の理解状況に応じて説明内容のギアを変えることです。

相手の理解状況が一定レベルに達していない段階で仔細の議論に説明が及んでしまうと、相手を混乱させるだけです。その場合は、敢えて枝葉の内容を削ぎ落とし、説明内容をシンプルにすることで、まずは一定レベルの理解度を得られるようにしましょう。

「類推による理解を促す」とは?

類推のことをアナロジーと言いますが、二つの物事の類似性を見つけ、相手の理解を促すことです。対象課題が複雑で抽象的な場合、身近な例を持ち出してその対象課題との共通点を提示してあげると、より理解が進みます。

例えば、需要と供給による価格変動と言われてもピンと来ないとき、不作の野菜と豊作の野菜などを例に出すと分かりやすいですよね。(トマトが3個しかないのに、トマトを欲しい人が10人いれば価格が上がる)

説明する順番

上述の手順で説明内容を構築したら、実際に相手に説明を行います。ここのでのポイントをいくつかご説明します。

  1. 前提条件を揃える

  2. ゴール(目的)を相手と共有し、共通認識とする

  3. 説明する範囲の全体像を説明する

  4. アジェンダに沿って説明スタート

まずは、相手と前提条件を揃えておくことが最も重要です。何故この特定課題に対する説明を行うのかと、相手がどの程度のレベルの知識を持っていると想定し内容を構築したのか、また、その想定に相違がないのかの確認等です。

次にゴールを相手と共有します。前提条件を揃えた後、何を目的として説明を行うのかを説明し、相手に目的意識を明確化させます。こうすることで、次に説明する全体像の理解が容易になります。

そして、説明を行う範囲の全体像を説明し、全体像の中での今回の説明範囲の位置付けを共有してから(一回ではなく複数回に及ぶ場合)、本番の説明に入ります。

以上です。
プレゼンや新人教育、キャッチアップMTGなど、上述の方法で内容を組み立てるようにしていますが、参考にした本を最後にご紹介します。

役立った本

本書はコンサルの方向けに書かれている本のようですが、全ての働く人にオススメできる本です。答えのない無理難題を知識労働でいかに乗り越えていくかがサラリーマンの腕の見せ所ですが、本書の思考法はきっと役に立つと思います。

「日本全国に電柱は何本あるか?」といった例題やその解答例から「フェルミ推定」のプロセスを紹介しつつ、「好奇心」「論理的思考力」「直感力」という地頭力のベースとそれらのベースの上に重なる仮説思考力、フレームワーク思考力、抽象化思考力の3つの構成要素とその鍛え方を解説。「問題解決」を必要とする業務に携わるビジネスパーソンはもちろんのこと、本当の意味での創造的な「考える力」を身につけたいすべての人に贈る、知的能力トレーニングブック。

Amazonより引用

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