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出木杉がくる!!

同志Aからのお題:仮面


昔勤めていた会社に「ドラえもん」の出木杉君のような後輩がいた。彼は当時20代半ば。性格良し、頭の回転良し、ルックス良し、運動神経良し、家柄良し。

語尾は大抵「アハハハハ」と、さわやかスマイリー。周囲と柔らかな雰囲気を保つのが得意だった。同じフロアに敵を抱えていた私には真似できない。

個性派が集う社だったが、彼は白身魚のようにクセがない。

しかし、本当は仮面を被ってはいないか、無理して演じていないか。性格が斜めっている私は、上司などの前で、事あるたびに「いい人そうに見えて、本当は腹黒い奴ですからね」と刺激してみたが、嫌な表情一つすることなく「違いますよぉ、アハハハハ」と、長いまつ毛の笑顔でかわすのだった。

そんな彼も、時には取引先との長い電話を切った直後にボソッと毒を吐くことが。出木杉君も人間だもの…安堵した。

と、ここまで書いて、ハッと気付いた。仮面探しをしていた私が仮面の男だったことに。職場の誰にも相談せず、転職する準備を進めていた。何事もない顔をして、普段通りに仕事して…。

ああ、ビターなことを思い出してしまった。こんな時は藤子不二雄A先生のギャグ漫画「仮面太郎」を読むことにしよう。太郎は太郎でも、麻生でも河野でもメロリンな山本でもなく、仮面太郎である。

小学館「eコミックストア」から
いつも仮面を被って正体を明かさない謎の少年・仮面太郎の持つ特殊な能力で、仮面を被った人々にもう一つの人間の姿が現れる。ガキ大将でブサイク顔の怪井バケ太は、転校してきた太郎と出会ってからココロの中が変化してゆくのだった…。ギャグ&ペーソスあふれる、A先生ファンなら必読の隠れた異色作。

ルッキズム、金銭欲、友情…切なくもハチャメチャな笑いが古傷に効く。アハハハハ!

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