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コミュニケーション能力という強みを失いかけ、もがいた先でとある気づきが生まれた話

前回の記事で書かせて頂きました通り、接客畑出身の私。
公共交通機関(空港と駅)での経験が職歴の大半を占めています。
(過去記事に飛びます)

そこでの経験からコミュニケーション力を自身の強みとしてきたわけですが、グランドデザインに入って今まで自分が得意としてきたコミュニケーションの在り方とグランドで必要とされるコミュニケーションの在り方が全く違うことに気がつきました。今回はそこでの戸惑い、分析、今後について書いていきたいと思います。

マザーテレサ降臨

Aさん:「高野さんをマザーテレサと呼ばせてください!!」

高野:「え゛っ???」

こちらの言葉、駅のinformationセンターに勤めていた時代に同僚から言われた言葉です。
数々の愛称をつけてもらった中でも3本指に入るなんともぶっ飛んだ展開。

殺伐極まりないターミナル駅。人身事故が起きようもんなら改札に隣接した私達の職場は戦場と化しておりました。
一寸先は闇(笑)な状況で、どんな強者に対しても神対応な高野。彼女から見たら皆に平等に手を差し伸べ笑顔と相手を包み込む眼差しを絶やさないマザーテレサに見えたそう。(笑顔の裏で内心はここで書けないようなことを思ってたけどね㊙)


安心してください。断りましたよ。


国民の90%以上は知っているであろう偉人の名前をいただくなんて孫の代までバチがあたりそうなので瞬時に却下させて頂きました。

全く神対応ではないですが、接客を長年やっていれば多少の瞬発力と対応力は自然と身に付いてきます。大小トラブルは日常茶飯事。長年の経験で得たコミュニケーション能力には少しだけ自信がありました。(後半で覆されますが、、、)

強者揃いなお客様


ここで接客時代の強者たちとのエピソードを少しご紹介します。

~空港編~
・雪で飛行機が飛ばず、ハワイ挙式ができなくなってしまった花嫁さんに泣かれ、一生呪うと言われた(怖すぎる)
・空港ラウンジが使用不可なことにブチギレたチンピラに胸ぐら掴まれた(浮いた)
・入国には絶対ビザが必要な国。ですが「俺は〇〇国の王様だからビザがなくても大丈夫なんだ(嘘下手か)!」とカウンター前で座り込むお客様を説得。無事ご帰宅
・出発15分前に現れて(国際線は出発45分前締め切り)乗せろと大暴れ。
 荷物がクローズしていた為、ゴルフバックを担ぎゲートまでお客さんと猛ダッシュ!!!!!!!!しかもパンプス。無事定時で出発


~駅編~
・天候の関係で止まってしまった電車をいますぐ動かして!と大激怒(神様でも無理)。1時間怒り続け(すごい体力)その間に運転再開
・野球のエア素振りを披露されアドバイスをください。と懇願される(謎)
・改札でICカードが毎回引っかかってしまうらしいお客様。JRが組織ぐるみで乗車拒否をしてる!と激昂(そんなことはありません)。収拾つかなくなりポリス出動


などなど。。。
これらは全部嘘のような本当の話です。
しかもほんの一部。

何を隠そう、私はとにかく引きが強かったのです。
(同期からも太鼓判!←要らぬ称号)
途中からは開き直り、激オコなお客様をどれだけ笑顔にできるか。にやりがいまで感じるように。くる者拒まず(というか拒めない)+天性の引きの強さでとっさの対人コミュニケーションスキルを鍛えてきたのでした、、、。


そんなこんなの経験から自分の中では武器はこれだ!と思い、それに繋がるワークショップに出てみたり、就職活動で強みは?と聞かれればコミュニケーションを軸に常に話をしてきました。
がしかし、この自身の強み、、、グランドで仕事をしていくうちになにか違う、、、。違和感を感じ始めたのでした。


ふつふつと湧き出る違和感


様々な打ち合わせ、企画会議に参加することが増え一つのテーマに対し時間をかけてコミュニケーションを重ねていく時間が増えました。

そこで違和感を感じます。。。

私ちゃんと自分の意見を伝えられているのかな?
相手、事、ものに対して課題があることはなんとなくわかるのに、それを明確にしていく為の問いが出てこない。
企画を考えた時に、本当にこれでいい?これが本当に解決に繋がるの?という自問自答のやり方がわからない。
どんどん展開していく仮説(多角的な見方)に頭が追いつかない。。。等々

そうか、、、


「解決すべき課題」を噛み砕く為に相手(クライアント・事・モノ・自分)ととるべきコミュニケーション能力が圧倒的に欠けているんだ。。。


いやいや、基本的なことできてないじゃん。って言われたらそうなのかもしれません。きっと言っている意味がわからない方もいるかも知れないですね。自分の力不足に嫌気が差し、年間数多くのコミュニケーションについて講演を行う恩師に泣きつきました。


「先生。私コミュニケーション能力なかったのかもしれません泣。」

そうすると彼女は、

「接客業のコミュニケーションと今高野さんがいるところで求められてるものは種類が全く違う。それをやってきてないんだから、できなくて当たり前!」
と一喝されました。

何????コミュニケーションには種類がある???

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コミュニケーションの違いを分析してみた


■【接客】=短期的コミュニケーション
・特徴:受け身。結果(反応)がすぐでる
・問われるコミュニケーション力:伝える力、瞬発力
・相手:自分の目の前の人
・時間:一瞬

簡単にいうと、、、
まさにコール アンド レスポンス。

お客さん:Say ,Ho~~!=明確な答えがある問い
私:Ho~~!=答えを瞬時に伝える

的な。(あれ?違う?w)

私が今までいた世界のコミュニケーションの在り方は

解決して欲しい課題が目の前に明確にあり、且つ相手(お客様)がそれを質問やリクエストというかたちで投げかけてくれる。それに対しベストな答えを出す。仮説や検証がない世界でとる一瞬の短期的コミュニケーション。

でした。

日本文化特有の「察する」という力が常に試され、その一言に込められた思いを一瞬でどれだけ感じとり、その人が求める以上のリアクションを返すことができるのか。これが期待以上の接客と結果となって現われます。だからこそ、一期一会に注力し、リクエスト以上に応えられた!と目に見えてわかる瞬間はとてもやりがいを感じるものでした。


余談ですが、、、
某大手航空会社のCA歴15年以上の知人が、最近は短距離よりも長距離路線に乗ることが増え、同じテンションの自分を演じなきゃいけないことがしんどいと話していました。
女優だ~。


■【グランド】=長期的コミュニケーション
・特徴:自発的
・問われるコミュニケーション力:質問力、考察力、検証力
・相手:クライアント、課題、自分の内側、制作物、時に目に見えないモノも対象
・時間:長期。一つの問いに対しトライ&エラーを繰り返し、時間をかけて熟考する


私がみなさんをみて感じるグランドデザインでのコミュニケーションの在り方は、

Who(だれが)When(いつ)、Where(どこで)、What(なにを)、Why(なぜ)、How(どのように)。にそって 問いかけが構成されていて、伝えたい情報、解決すべき課題の主旨が明確になり、かつ過不足なくクリアになっていく。この工程を幾度となく一定期間繰り返し答えを出す長期的コミュニケーション。

です。

きっと意識をしていないだろうけど、同じ職場で働く皆さんの脳は無意識にそれができているのでは。と感じています。


上記二つをまとめると、

「過去(接客)では一問一答の世界で答えはに相手にあった。現在は答えを引き出す為の質問からしなくてはならなくて、時に相手が意図してないところに答えがある場合がある。」
と導き出しました。


なんだ!コミュニケーション能力がなかったんじゃない!
そもそもやり方が違ったんだ!
じゃ〜短期的の方はもう少し強みとして君臨させよう笑。
と元気を取り戻しました。
奥が深いです。コミュニケーション。。。


5W1Hを身につけよ!

今まで述べてきた意見はあくまでコミュニケーションを語り出したひよっこな意見です。お許しください。

まだまだ長期的コミュニケーション能力が乏しい私にとっては脳みそが溶けそうな場面が多いです。
ただ全く別の世界に入れたことにより
“一つの課題に対して多角的に複数人で解決する。それぞれの意見や思いがあって、時間をかけて関係を構築し、皆で同じゴールに向かう”
という新たな経験ができています。


まだまだ時間はかかりますが、5W1Hを意識して課題に向かうとパンク寸前の頭が少しずつ整理されていきます。自然とこれができるようになるまでは経験を積む。これしかないですね。

時にしんどいけどそういうの嫌いじゃないです笑。

何事に対しても常に相手の思いを汲み取り、寄り添うことは大切であることには変わりないですが、それにはその場面に適したコミュニケーションの種類があったというお話でした。

ありがとうございました。

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