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【第2回】「無職で出産→保活全滅」から、そこそこキャリアを立て直した話

「資格ナシ。学歴ナシ。子育てサポートナシ。」
ナシが3拍子揃ったアラサー1児の母が、キャリアについてあーでもないこーでもないと考えるエッセイです。

5年前、無職で出産をした私はとても焦っていた。ふにゃふにゃの新生児が目の前にいるにもかかわらず、「仕事したい」「いつになったら働けるのか」「この先もずっと無職だったらどうしいよう」と、キャリアとお金の心配ばかりしていて正直“子育てどころじゃない”状態だった。

その後、あまりにも可哀想に思ってくれた知り合いが仕事をくれた。私は差しのべてもらった手を無我夢中で掴み、死にものぐるいで働いた。子供を一時保育に預けているわずかな時間でまとまった仕事をして、子供がちょっとでも寝れば、細切れ時間でまた作業をした。

また、1歳時クラス入園を目指した保活では、子供を家でみながら睡眠時間を削って週40時間働いた。結局全落ちしたけど……(おのれ杉並区ぅ……)

それでも諦めず、別の自治体に引っ越し、拍子抜けする簡単さで子供を保育園に入園させ、今は希望の職種で派遣社員として働いている。

この一連の戦いのなかで私にずっとあったのは、「絶対に働くんだ」という決意。でも、それはポジティブな感情ではなく、「働かないと気が狂ってどうにかなってしまう」という不安からだった。

生後半年の子供が何をしても泣き止まなくて絶望している時の様子

満足してるけど、モヤモヤもあり

今は希望の職種と働き方で勤務していて、現状にそこそこ満足している。でも、派遣で働くことも、フルタイム勤務することも、子供を保育園に預けることも、「全部自分で選んだの!」みたいに言うのは、安くて便利だからマックを食べてるのに「マックって案外美味しいよね」って言うのと同じぐらい本心に反している。だってほんとは正社員でバリバリ働きたいし、実家にはがっつり子育てを手伝ってもらいたいし、子だくさんママに憧れてる。

特に「正社員」「子供2人以上」は私の嫉妬のトリガーだ。実母にヘルプにきてもらって正社員で働くママさんや、子どもが2人以上いて自宅で穏やかそうに子育てしてるママさんを見ると、どうして私はああなれなかったんだろうと思ってしまう。なんで自分はこんなに恵まれていないんだろう…… ちまたでは「ママはもっと周りに頼りましょう」って言われているのに、どうして誰も私を助けてくれないの......

毎日のように泣きわめいて、この世界がいかに間違っているかを周りに主張し続けていたこともあった。

私、めっちゃ頑張ったじゃん!

でも、振り返ってみると、私は私の選べる範囲で常に最善の選択をしてきたと胸を張って言える。そして、私が救いを求めて伸ばした手を握って引き上げてくれた人も1人や2人じゃなかった。

「よくやってるって。」過去の自分には、そう称賛の声を送りたい。完璧に理想通りの道ではなかったかもしれないけど。

「大切なのは諦めない心」とかいう根性論は大嫌いだけど、諦めずに働きたい気持ちを持ち続けて本当によかったと思う。「自分なんてこんなものか」と腐らず、「何のスキルもないけど、私以上に労働への意欲がある人間はそんなにいないはず!」と謎の自信を持ち続け戦ってきた。

子供をベビーカーに乗せて永遠に歩いている時に見つけたシール

BESTではないけど、BETTERを選んで進んでいく

Xでは、「ワーママvs専業主婦」「正規雇vs非正規」など、どっちがより偉いか、大変か、頑張っているかという争いが毎日のように起きている。まるで、それらの選択肢を誰もが自由に平等に選べるかのように。

でも実際のところは全然違う。その道しか選べなかったし、そういう生き方しかしてこられなかった人がほとんどなんじゃないかと思う。必死で戦ってきて、今はとりあえずココにいるだけ。ワーママも専業主婦も正規雇用も非正規雇用もみんな、各々のフィールドで戦ってゆくだけなんだ。

そして私も、もちろんその1人。周囲への感謝を忘れず、これからも進んでいきたい。

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