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なんだか「しんどい」心を軽くする

なんとなく、毎日しんどい。

仕事にやりがいがないわけではない。嫌なこともあるが、楽しいときもある。感謝し、感謝され嬉しいときもあるし、自分の成長を感じることもある。
でも、これが天職?定年までずっとやりたい仕事?そう自問すると、すぐには頷けない自分もいる。

 自信は働いた分だけあるけど、それよりも未来に対する不安が大きい。そんな最近、出会って少し心軽やかになった言葉が、「レジリエンス」である。毎日どんよりした不安と、しんどさを抱えていたわたしが、少し軽やかに歩きだせるようになった考え方について、今思うことをまとめておきたい。



「レジリエンス」とは


最初に耳にしたのは、コラムニストのジェーン・スーさんとアナウンサーの堀江美香さんが配信している、ポットキャスト番組だったと思う。お話上手な二人のテンポに、知らないけれど思わず知っているかのように聞き流してしまったこの言葉が、ニュースやSNS記事で目にとまるようになったのは最近のこと。

「レジリエンスとは、回復力・復元力などの自発的治癒力を表す言葉です。
もともとは心理学の世界で困難や脅威に直面した時に「うまく適応できる能力」「うまく適応する過程」「適応した結果」を意味する言葉として使われてきました。
現在ではビジネスにおいても、逆境や困難を乗り越える力として注目されています。」

GLOBIS CAREER NOTE 
逆境に負けない心「レジリエンス」を高めるには?激動の時代に必須のスキル 

 


よく例えられるのは、「竹のようなしなやかさ」。
ただただ屈強な木とは違い、風が吹けばあおられるし、傍目には倒れてしまったかのように見えることもあるけれど、実はなかなか折れない竹。台風のような強風も受け流し、「地震の時は竹藪に逃げろ」という都市伝説もあるくらい、地面に広く根を張る強さがある(※防災上は高いところに逃げるのが基本です、都市伝説なので悪しからず)。そして、一度は倒れたように見えてもしなやかなバネで元いたところへ立ち戻ってくる、この「立ち戻る力」こそが、レジリエンスのもつ強さである。

 そして重要なのは、個人が持つレジリエンスには差があるが、レジリエンスはすべての人が「学び、育てることのできる力」であるということ。レジリエンス=回復力は、困難や、辛く悲しいことを感じない、経験しないということではなく、感じたあとにどのように解釈し、立ち戻っていくかという力であるから。

 

「レジリエンスを育てる10の方法」
 アメリカ心理学会(APA)


1. Make connections.
2. Avoid seeing crises as insurmountable problems.
3. Accept that change is a part of living.
4. Move toward your goals.
5. Take decisive actions.
6. Look for opportunities for self-discovery.
7. Nurture a positive view of yourself.
8. Keep things in perspective.
9. Maintain a hopeful outlook.
10. Take care of yourself.

アメリカ心理学会(APA)

日本語への変換はそれぞれ通訳者の解釈を含むが、言葉のえらび方があたたかく、個人的に惹かれたこちらの訳を紹介します。

1.大切な人とのつながりを育む
友人や家族など大切な人と良い関係を築こう。街の市民グループに参加するのも良い。自分を気にかけてくれる人からサポートの申し出があったら、受け入れよう。

2.危機は必ず乗り越えられるものだと知る
起こった事実は変えられないが、それをどう解釈するか、それにどう反応するかは変えられる。

3.変化は人生の一部だと受け入れる
自分の力では変えられないことはある。まずはそれを受け入れよう。そして、自分が「変えられること」に意識を向けてみよう。

4.自身の大切な目標に向かって、少しずつでも歩み続ける
小さくても良い。向かうべき方向へ向かっている──そう感じられるようなことをしよう。

5.自分で決めて、自分で行動を起こす
問題から目を背けたり、ストレスの元が過ぎ去るのをじっと願ったりするのではなく、苦手な状況にもできるだけ立ち向かってみよう。

6.自己発見の機会を探す
苦しんだりもがいたりしたことで、得た何かがあるはず。自分の成長したポイントを探し、きちんと知ってあげよう。

7.ポジティブなセルフイメージを育てる
直感を信じよう。自分の問題解決力に自信を持とう。

8.ものごとを大局的にみる
つらい状況にいるときは、今のつらさにフォーカスしてしまいがち。もっと広い視野で、長い目でものごとを考えてみよう。

9.楽観的でいる
「こうなったらどうしよう」より「こうなったらいいな」を思い描こう。

10.自分のことを大切にする
自分のニーズや感情をみつめよう。心の声に耳を傾けよう。楽しいこと、リラックスできることをしよう。

IDEAS FOR GOOD
レジリエンスとは・意味

 

個人的解釈


今のままではいけない気がする、という漠然とした不安を因数分解していく良い指標となりそうなので、近しい要素はまとめながら、自分なりに解釈してみた。

1.大切な人とのつながりを育む
→大切な人、と言える人はいるだろうか。家族?友達?同僚?
すぐに思い浮かぶ人がいれば、その人を、大切にすることができているかを自問してみる。「あなたは私の大切な人」そう伝えてもらったことでもらえるパワーは計り知れない。

思い浮かばなければ、新しいコミュニティに属してみることもできる。私は最近SHElikes(シーライクス)というキャリアスクールに通い始めた。興味のある分野を自分自身で学びつつ、わからないこと、共通の悩みや課題について話せる「シーメイト」という会員同士のコミュニティが存在する。私自身はまだプライベートで会うほどの繋がりはないが、自分の学びや、ふとしたつぶやきに反応したり、いいね!といってもらえたりするコミュニティは、大きな心の安心材料となる。

私の二人の姉妹も、フットサルの社会人サークルに参加したり、サーフィンやダンスを習いに行って仕事や友達以外の時間をとっており、それぞれに大切な仲間や尊敬する先生がいる。大切な人は、いつからでもどこにいても作れる。

2.危機は必ず乗り越えられるものだと知る
8.ものごとを大局的にみる
→枯れるほど泣いた失恋、茫然とした肉親やペットの死。だれもが直面する大きな困難に、いつも強い気持ちで立ち向かう必要は全然ない。「時が解決してくれる」ことは世の中に数多くある。つらいときは「つらい」と言い、ノートやSNSで書いても、書かなくてもいいから、悲しさを存分に味わう方がいい(人に迷惑をかけない方法で)。「つらくない」と言い聞かせて無理やり前に進んだシワ寄せは、後でどさーっとまとめてやってくる。なので、ひとつずつ深く悲しもう。後から振り返れば、数ヶ月や数年は大したロスではない。

3.変化は人生の一部だと受け入れる
4.自身の大切な目標に向かって、少しずつでも歩み続ける
5.自分で決めて、自分で行動を起こす
→自分ではどうにもできないことを悩んでも、しょうがない。
ジェーン・スーさん曰く「どんな問題も細かく因数分解していくと、毎日コツコツやるしかない、に行き着く」らしい。これはまだ実感がないことだけど、人生の大先輩がいうのであればきっとそうなのだろう。大きな方向性を決めたら、それに向かって何が必要か、何を変えなければならないか、考え、今日からやることを決めれば、少し心が軽くなる。

6.自己発見の機会を探す
7.ポジティブなセルフイメージを育てる
9.楽観的でいる

→シーライクスのコーチングで出会った言葉がステキなので紹介したい。

「自分の言葉を一番聞いているのは自分」。

「だめだなぁ」と言い聞かせ続けるか、「いい感じ、頑張っているよ」と聞かせ続けるかは、自分次第。自分を変えることができるのは、自分だけである。

 10.自分のことを大切にする
→大好きな友達にプレゼントするなら何を選ぶか、どんなお店を選ぶか、どんな言葉をかけてあげるか、考えてみよう。そして、同じように自分にもプレゼントやお店や、言葉をかけてあげられているか自問してみよう。それがきっと、「大切にする」ということだから。



「しんどい」からの脱出


毎日しんどい、と思って生きていくのは、とてもしんどい。
できるなら軽やかに生きていきたい、と強く願っている。
ならば、軽やかに生きるって、どんなことを達成すればいいんだろう?


・大切な人を大切にする
・自分のことも大切にする
・生活も仕事も丁寧にする余裕がある
・自分の目指す方へ少しずつ進んでいる
・少しずつでも毎日継続するものがある
・明るい言葉(前向きな言葉)を使っている
・・・

書き出してみると、どうやら「レジリエンス」は私の思う軽やかさにピッタリな考え方だった。

しんどい、そう思っているときは、自分の言葉や行動が自分をしんどくしているのかもしれない。逆に、軽やかに生きるためには、どんな言葉や行動をしていけばいいだろう。それをたどっていくことで、しんどさからの脱出を図れそうだ、と最近は思っている。

時や状況が違うと、言葉の解釈も違ってくることは往々にして起こる。
「レジリエンス」を指標として、しばらく振り返りを続けてみよう。
一年後、わたしはどんな風にこの言葉たちを受け取るようになっているだろうか。


なんだ、当たり前のことばっかり書いてるな。
そう思えることを願っている。

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