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沼人のエゴ

人から見た私はおそらく香水沼にどっぷり浸かった沼人である。しかし、もっと深い沼を泳ぐ方々から見たら、私など沼と泥の境をよちよち歩いているような新参者である。

そんな私でも香水売り場にいる若い販売員に対して「これで良いのだろうか…」と思うことがある。
こんなことを言うと「うちの嫁は!!」と怒鳴っている意地悪な姑のように思えてくるのだが、彼ら・彼女らは圧倒的に知識が不足しているように思えるのだ。

たとえば、Michel Almairacの作品「スカルプチャーオム」。香水の歴史を変えたとは思わないが、Almairacの作品を扱っていながら、あれほど日本で一世を風靡した作品を若い販売員たちは知らない。
今ではフランカーの域を超えて「シリーズ」と化しているBVLGARIのオムニア、Alberto Morillasが創ったオリジナルのオムニアを知らない。

取り扱い商品が多く、過去の名作や、過去に流行った作品を知る余裕がないのだろうと想像するのだが、せめて自分が扱う商品を創った調香師が、他にどんな作品を創っているのか、作品名だけでも知っていてほしいなと思うのは沼人のエゴだろうか。

今日も今日とて、Liquides ImaginairesのDom Rosaを指名してムエットが欲しいと言ったところ、何故そのブランドを知っているのかととても驚かれたのだが…
う~ん、つまり日本の香水市場ってまだそういうレベルなのねと思った瞬間だった…


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