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『Les Parfums パリの調香師 しあわせの香りを探して』

少しのんびりしようと思い、noteで知った映画を観た。
『パリの調香師 しあわせの香りを探して』
原題はLes Parfums.
にしても邦題って「しあわせの○○」って多いよね。

オープニングから数分経ったところで黄色い花が画面いっぱいに映る。その間を縫って1本の道を車が走っていく。
おそらくミモザで有名な地、タヌロンだ。
Perris Monte Carloのミモザタヌロンを買った時、タヌロンの意味を調べたことがあった。その時に見た写真と同じ光景が映っていた。

その次に印象的だったのは、主人公で調香師のアンヌの部屋の奥の方、ほのくらい棚に確かに見えるジャドールのボトル。映画の中では彼女がジャドールを作ったということになっている。

ちなみに、ジャドールを作ったのは女性調香師カリス・ベッカー。
私は多分彼女のジャドールを嗅いでいる。ぶどうが醗酵したような濃厚な香りが当時の私には苦手で手放した。
今手元にあるのはもっと軽い印象。初代ジャドールを手放してずいぶん経ってから再び店頭で試した時、苦手だったはずの香りとだいぶ印象が違うのを感じた。私の嗜好が変わったのではなく、フランソワ・ドゥマシーの調香で香りそのものが変わっていたせいだったのか…

そしてアンヌに振り回される運転手ギョームとその娘とのシーンに、私は亡き父を思い出した。
父はいわゆる犬鼻と言われるやつで鼻が良く効いた。香水はおろか花の匂いも嫌いだった。そして嗅覚と共に味覚も優れた人だった。
私もそれを少し受け継いでいるようで、匂いや味に関しては比較的敏感な方らしい。
「らしい」というのは、自分では当たり前だと思っていたのだが、「◯◯の匂いがする」というと「よくわかるねぇ」と言われることが多いからだ。

離婚したギョームは共同親権が欲しかった。彼は10歳の誕生日を迎えた娘を海岸に連れて行く。娘に「ここに来たことはママには内緒だよ」という。
我が家は離婚こそしなかったものの、一時期はギョームの娘と似たような暮らしをしていた。父と私で旅行に行った時、ギョーム親子と同じように「ママには言うなよ」というような冒険的な出来事もあった。

ひとつだけ不満がある。
映画にこの手のストーリーはとても多い。
調香師という普段滅多に知ることのない世界ではあるが、おそらくリアルに切り取っていないだろうし、別に調香師でなくとも成り立つ話かもしれない。

ただ、もう手放しても良いかなと思っていたジャドールを、もう少し手元に置いておいてもいいかなと思った。

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