チャンクアップのススメ
コチラの投稿は『グラフィックレコーディング Advent Calendar 2020』14日目の記事になります。
(赤いオビのあたりをぽちっとすると、リンクとんで他の方が書いたものも読めます。)
かるく2020年をふりかえる
気づけば2020年も間もなく終わりですね。
今年の初めは予定されていたイベントが軒並みキャンセルとなり、その後のオンライン化の波にも乗り遅れ、「視覚化」とはある程度の距離感をもった1年となりました。
描く現場もなければ、他のグラフィック・レコーダーと話す機会もなかったので、1人でつらつらと考えている時間が多く、1つ1つ思考・試行しながら描いていました。
そのせいか、少ないながらもそれなりに面白く描けた1年だったように思います。
聞いたまま描かないこともある
例えば、とある山間地区総合計画の住民説明用冊子に載せるイラストの依頼。イラスト仕事は本職のイラストレーターさんが描くのがいいと思っているのであまり請けたくないのですが、前後のお仕事のつながりもあったのでお請けすることに。
ただ、すでにある総合計画の文言を見てイラストを描くところは、担当の方のお話を聞きながら描き、一緒にイメージを固めていくようにお願いをしました。
そのようにして描いたイラストの1枚(仕上げ後)がコチラ。
なんのこっちゃですよね。
元々の文言は次のようになっています。
基本目標:
定住・交流を支えるまちづくり
方向性:
町に暮らす人や関わる人の確保や、暮らしに必要な基盤整備によって、〇〇町での暮らしと町外のつながりを持てる町
基本施策:
①定住促進 ②道路 ③公共交通 ④情報通信基盤
とか何とか。この後、具体的な話が続いていきます。
それが、なぜこんな絵になったのか?
グラフィック・レコーダーのアタマの中(マツイの場合)
担当の方のお話を伺って最初に出したイメージがコチラ。
これ、描いている側のアタマの中では具体的なインフラの話を聞きつつ、「それらは何のため?」とチャンクアップさせてイメージを考えています。(チャンクアップがわからなければググってね。)
この時イメージしていたのは「住民が土地に根付き成長していく」様子で、インフラはそのためのものであると捉えています。
そうしてイメージしたものを「根付く・成長 → 植物」「インフラ → 水・太陽」というようにメタファーを使いチャンクダウンさせて描いています。(メタファーがわからなければ以下同文)
チャンクアップの効果
こんな感じで捉えましたよ、と絵を見せてお話ししながら更に煮詰めていきます。「外部につながっていくイメージがほしい」ということだったので、描き直したのがコチラ。
これをベースにイラストを仕上げています。
この時に担当の方からは
「そうか、主体は住民なんだ。行政側をヒトで描く必要はないですよね。」
「今は道路やネットワークの整備だけど、インフラ整備は普遍的で必要なものは変化していくんですね。」
などの気づきがあったと話がありました。
描く側も道路やネットワークなど具体的にイメージしやすいものをつい描いてしまいがちですが、チャンクアップやメタファーがうまく機能すると、より大切な部分が抽出され、見る人に新たな気づきを生む効果があるのだと思います。
嬉しいことに「これらの絵を使って住民に説明するのが楽しみ」とも言ってもらえました。
そんなワケで
どんなワケ?
図解が得意なワケでもなく、デザインのこともよくわからない自分は、絵があることの嬉しさを出せないものかと考えつつ、こんな感じで脳内お花畑にしながら楽しく描いてます。
「聞いたまま全てを書く」「グラフィック・レコーダーの解釈を出さない」ということを是とする人もいるので誰にでもオススメできるものではありませんが、まぁ、こんな描き方もあるよというコトで。
(ホント、グラフィック・レコーディングって何なんだろね?)
それにしてもやっぱり、イラストは本職のイラストレーターさんに頼んだ方がいいと思うんですよね。
デッサンいっぱい描いてきてヒトやモノの構造を理解している人が描くくずした絵と、始めからくずした絵しか描いてこなかったなんちゃって絵描きの絵は雲泥の差があると思うのですよ。自分は後者。
なので、絵の上手さ以外の部分で価値を出せるようガンバっていく所存です。(絵も練習するけどさ。)
オマケ
とか言いつつ、表紙用のイラストもイイ感じに描けたと思うので見ておくれ。「様々な異なる考えの人がつながりをもつ町」というお話からイメージして描いてます。
いろんな色の毛糸が重なり合って、まちの絵が出来上がっていくイメージ。毛糸に見えるように頑張ったさ。(話聞きながら描いていたときは「キャベツ?」と言われました。)
キャベツ↓
オマケ2
2020年は「鬼滅ブーム」でしたが、自分にとっては「ハイキュー!!」完結の方が大ニュースでした。
ストーリーやキャラクターもさることながら、フカン・アオリといったいろいろなアングルからの人の動きが鬼上手いしカッコいい。「ドンジャンプ」や「くれ」などの決めゴマを何回見返したことか…
読んだことない人、ぜひ読んでおくれ。
まとまらないけど
来年もこんな感じでゆるゆると描いていきたいと思ってます。
メタファーもありきたりなものを描いてしまいがちなので、表現の幅はひろげていきたい。そして「こんな描き方をしたらこんな効果があったよ」なんて誰かと話をしたり、誰かの描いたものから刺激を受けたりできるといいな。
了
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