社会の幸福と便益
製品やサービスを通じて社会に価値を提供すること、そのために雇用を生み出し維持すること、それによって得られた利益を利害関係者に還元すること、このような本業を通じた社会への貢献はもちろんのこと、模範となる組織には、公共に貢献すること、社会の福祉と便益に配慮することが求められます。
公共への貢献や社会の福祉と便益への配慮を組織として重要なことであると示すのは、組織のリーダーの役割です。
社会貢献
組織のリーダーは、公共に貢献すること、および、社会の福祉と便益に配慮することを、強調することが必要です。リーダーは、地域社会の幸福のための模範でなければいけません。
(Baldrige Core Values and Concepts (website)より。翻訳筆者)
社会の福祉と便益に配慮するとは、経営資源の範囲内ではありますが、組織が影響を及ぼす範囲における環境・社会・経済のシステムを、リードし支援することを意味します。
組織がリードし支援することが求められるのは、
・地域社会の教育、医療、その他のサービスを改善すること
・優れた環境を追求すること
・社会的に重要な問題の模範となること
・資源保護を実践すること
・二酸化炭素排出量を削減すること
・地域社会への奉仕活動や慈善活動を行うこと
・業界慣行や商慣行を改善すること
・機密情報でない情報を共有すること
などがあります。
また、リーダーは、公衆衛生、安全、および環境の保護において、組織とその働き手の模範であることが求められます。
環境の保護は、組織の運営における様々な環境への影響、および、利用後の廃棄まで含めた製品のライフサイクル全般において適用されます。すなわち、資源保護、リサイクル、廃棄物の発生段階での削減を重視することが求められます。
こうしたことを戦略計画、事業計画の立案の段階から組み込みます。
計画の立案にあたっては、製品の生産、流通、輸送、使用、廃棄における負の影響を先読みする必要があります。
効果的な計画立案は、問題を軽減または防止し、問題が発生してもただちに対応できるようにし、公共の意識、安全、信頼を維持するために必要な情報と支援を利用できるようにする必要があります。
社会の福祉と便益、使い慣れないことばかもしれませんが、原語は well-being and benefit、幸福で恵み豊かな状態です。
組織の社会的責任ということがよく言われますが、ボルドリッジでは、法令遵守など責任を果たすことを超えて、幸福で恵み豊かな社会の実現にむけてリーダーシップを発揮し支援することを求めています。
ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークの要約版、「ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダー【日本語版】」は、米国NISTのウェブサイトからダウンロードできます。
下方の Non-English Versions / Japanese を参照ください。英語版とページ、形式を合わせてあり、対訳版としてもご欄いただけます。
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