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コンプライアンスを超える

 「内部統制評価基準 勝ち抜く会社の800のポイント」の4.経営管理の実践、改善のポイントの一つに、「法令順守・誤謬防止の意識徹底」があります。

 社会的責任という観点からは、法令の遵守、コンプライアンスは、それを最小限として、それを超えることを目指しています。

 組織は、地域や国のすべての法律と規制の要件を満たし、これらの法令および関連する要件を、最小限の遵守を超えて進化する好機として扱う必要があります。

 ボルドリッジ(ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワーク)では、それをさらに社会への貢献に拡張しています。

社会への貢献
 組織のリーダーは、公共への貢献と社会の福祉(well-being)と便益への配慮を強調する必要があります。リーダーは、公衆衛生、安全、および環境の保護における組織とその働き手の模範である必要があります。この保護は、組織の運営における様々な影響と製品のライフサイクルに適用されます。また、組織は、資源保護、リサイクル、廃棄物の発生段階での削減を重視する必要があります。計画の立案にあたっては、製品の生産、流通、輸送、使用、廃棄における負の影響を先読みする必要があります。効果的な計画立案は、問題を軽減または防止し、問題が発生してもただちに対応できるようにし、公共の意識、安全、信頼を維持するために必要な情報と支援を利用できるようにする必要があります。
 組織は、地域、国家のすべての法律と規制の要件を満たし、これらの法令および関連する要件を、最小限の遵守を超えて進化する好機として扱う必要があります。
 社会の福祉と便益を考慮することは、組織の影響が及ぼす範囲において、環境的、社会的、経済的のシステムを、(経営資源の範囲内で)リードしサポートすることを意味します。そのようなリーダーシップとサポートには、地域社会の教育、医療、その他のサービスを改善すること、優れた環境を追求すること、多様性、公平性、および包括性というような社会的に重要な問題に取り組むことにおいて模範となること、資源保護を実践すること、二酸化炭素排出量を削減すること、地域社会への奉仕活動や慈善活動を行うこと、業界慣行や商慣行を改善すること、機密情報でない情報を共有することなどがあります。このような社会への貢献は、以前にもまして、顧客や利害関係者の要求事項となっています。
 模範的組織には、リーダーシップには、他の民間および公共の組織に影響を与えて、同じ目的のパートナーになってもらうことも含みます。
 社会貢献をうまく成し遂げるには、組織が適切な手段を使用し、リーダーがそれらの手段に対する責任を負うことが求められます。
ボリドリッジ・エクセレンス・フレームワーク「核となる価値観と概念」より引用&アレンジ。翻訳筆者)

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 内部統制評価基準改訂版「内部統制評価基準 勝ち抜く会社の800のポイント」については、NPO法人内部統制評価機構のウェブサイトをご覧ください。

 ボルドリッジ(ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワーク)は、米国発の「証明された」経営フレームワークです。
 ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークの要約版、「ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダー【日本語版】」は、米国NISTのウェブサイトからダウンロードできます。ページ下方の Non-English Versions / Japanese を参照ください。


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