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多様性に加えて、公平性、包括性を重視にする

 ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークは、組織のパフォーマンスを向上するための最も重要な質問集です。質問に答えることで自ら気づき、改善を繰り返していくことで、現在と未来の成功を確実なものにしていきます。

 5.2 働き手のエンゲージメントでは、すべての働き手が効果的かつ最高の能力で貢献することを可能にし、それを促すために、働き手のパフォーマンスを管理し、すべての働き手メンバーの能力を開発するための仕組みについて尋ねます。

 あなたの組織の働き手メンバーの多様性、公平性、包括性について尋ねます。

(8)パフォーマンス管理や、パフォーマンス向上、キャリア開発のプロセスにおいて、多様な従業員および様々な従業員グループや従業員区分に対する公平性と包括性が保たれることをどのように保障していますか。(Baldrige Excellence Builder, p11 より。翻訳筆者)

 公平(公正)で包括的な職場環境は、働き手の満足とエンゲージメントを高め、多様性を持つ働き手から得られる組織のパフォーマンスへの恩恵を最大化します。 このような職場環境は、すべての働き手一人ひとりの帰属意識を育みます。
 組織は、
・戦略および働き手の計画立案によって示されるコミットメント、
・組織風土と文化、
・働き手の採用、維持、および報酬
・働き手の学習と能力開発
の4つの領域で、多様性、公平性、および包括性のための環境を促進できます。最初の2つはリーダーシップ(カテゴリー1)で確認します。後の2つが働き手(カテゴリー5)で確認する項目です。

 ここでは、公平性、包括性を、働き手の採用、配置、報酬について、求めています。

 最近の日本の例では、履歴書に性別を書く欄が標準的にあったものが、削除されたことがニュースになりました。

 多様性は、労働環境を豊かにする働き手の間の個人差で、雇用層および顧客層を代表するものです。この差異は、人種、宗教、肌の色、性別、国籍、障害、性的指向、年齢や世代、教育、出生地、および、技能の特性、さらには、アイデア、思考、学問分野、観点など、多くの変数に対応しています。 

 ボルドリッジでは、働き手メンバーの多様性が、新しいこと、新しいアイデア、イノベーションを生みだすのに重要であるとの考えから、多様性を重視していました。2021-2022年版の改訂から、多様性に加えて、働き手を含む「人を大切にする」、働き手の尊厳を守り、働きやすい環境を作るという根源にある背景から、多様性に加えて公平性、包括性が重視されるようになりました。

 多様であることはわかりやすいですが、公平で包括的であることは、従来から当たり前と考えられてきたことなどの中にもそうでないものが多くあり、それと気づかないままということがよくあります。これからは、そうしたことに気づき、改善していくことが大事であると、ボルドリッジは言っています。

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 ボリドリッジ・エクセレンス・フレームワークの要約版、「ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダー【日本語版】」は、米国NISTのウェブサイトからダウンロードできます。ページ下方の Non-English Versions / Japanese を参照ください。


 


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