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2021-2022から新しくなったこと(1)核となる価値観と概念

 ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークは2年ごとにその時代の最先端の実践を取り入れて改訂されています。最新の2021-2022年版が2020年12月に改訂されました。

 改訂のポイントの1番目は、核となる価値観と概念に「レジリエンス(resilience、回復力)」が入ったことです。
 実際に、価値観全体の個数(11個)は変わらず、次のように組み合わせが変更されました。

核となる価値観と概念(2019-2020年)
システム的視点
先見の明のあるリーダーシップ
顧客に焦点を当てた卓越性
人を大切にする
組織の学習と俊敏性
成功に焦点を当てる
イノベーションに取り組む
事実に基づくマネジメント
社会貢献
倫理と透明性
価値と結果の提供
核となる価値観と概念(2021-2022年)
システム的視点
先見の明のあるリーダーシップ
顧客に焦点を当てた卓越性
人を大切にする
俊敏性と回復力
組織の学習
成功とイノベーションに焦点を当てる
事実に基づくマネジメント
社会貢献
倫理と透明性
価値と結果の提供

すなわち

2019-2020年版の「組織の学習と俊敏性」「回復力」が加わり、2021-2022年版では「組織の学習」「俊敏性と回復力」の2つに分かれました。
「回復力」が親和性の高い「俊敏性」の概念と組み合されました。
・2019-2020年版の「成功に焦点を当てる」「イノベーションに取り組む」の2つの価値観が一緒になって、2021-2022年版で「成功とイノベーションに焦点を当てる」になりました。親和性の高い2つの価値観が一つにまとめられました。

それぞれの意味を確認しておきます。

俊敏性と回復力
(Agility and Resilience)

‎俊敏性は、迅速な変化と運用の柔軟性に対する許容力を必要とします。組織の回復力とは、災害、緊急事態、その他の混乱を予測し、それに備え、そこから回復し、混乱が発生した場合に、従業員と顧客のエンゲージメント、サプライネットワークと財務のパフォーマンス、組織の生産性、地域社会の幸福を保護し、強化する能力です。‎
出典:Baldrige Core Values and Concepts、翻訳:筆者
注:サプライネットワークはサプライチェーンの拡張です。
成功とイノベーションに焦点を当てる
(Focus on Success and Innovation

組織の現在と将来の成功を確実にするには、組織とその環境に影響を与える短期的および長期的な要因を理解することが求められます。それにはまた、組織のイノベーションを推進する能力も求められます。
イノベーションとは、利害関係者に新しい価値を創造することを目的として、製品やサービス、プログラム、プロセス、業務運用、ビジネスモデルをより良いものにするために、意味のある変更を加えることを意味します。
出典:Baldrige Core Values and Concepts、翻訳:筆者

★★

注:タイトル図は2019-2020年版です。「ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダー【日本語版】」からの引用です。

筆者らGQFが翻訳した「ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダー【日本語版】」は、米国NISTのウェブサイトからダウンロードできます。ページ下方の Non-English Versions / Japanese を参照ください。英語版とページ、形式を合わせてあり、対訳版としてもご欄いただけます。







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