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令和話題に上がる事はまずないちょっと昔の微妙な知名度のテレビゲームとその音楽の話5「3D格闘ツクール」

パジャマの坊主は私です。

3D格闘ツクール

アスキーツクールシリーズ※のひとつ、3D格闘ゲームを作るその名も3D格闘ツクール。
とは言ってもシステム周りは決まっていてモーションしか作れないので、『既存の3D格闘ゲームにオリジナルキャラを追加するゲーム』といった感じです。
しかもモデルも用意されたモデルしか使えません。

※アスキーツクールシリーズ
アスキーが開発しているゲーム製作エンジン。フリーゲーマー達にとってRPGツクールはあまりにも有名。2000年代海外のゲーマー達がFlashでアクションゲームやタワーディフェンスゲームを作っていたのに日本人だけRPGツクールや吉里吉里で何から何まで作ってたせいで日本のゲーム業界が周回遅れになったとか関係ない話もしたいけど関係ないのでしない。


私は2D格闘ゲームは結構プレイしてますが、3D格闘ゲームは第一回で触れた通り3つくらいしかやり込んでないので「3D格闘ゲームとしてどうか、対戦ツールとしてどうか」という話は出来ません。

で、このゲーム、モーションを作るのが趣旨ですがそれが無茶苦茶難しいです。
肩、肘、膝といった各関節をXYZそれぞれの方向に回転させて動きを作るのですが、考えて下さい。

皆さん、歩く時に全身の関節を何秒間何度曲げて歩こうか、他者の動きを見てどこの関節がどれだけ曲がっているかなんて考えた事はありますか?

「あー肩を0.5秒間横に72度前に16度左に27度捻って肘を3.1秒間前に96度曲げて左に85度捻って膝を1.2秒間左に41度曲げてようかな〜」なんて思った事はありますか?

このゲームでのモーション作りはそれを要求されます。

しかも現実の人間同様関節が多い多い。

省略されているのは背骨の細かい箇所と指の関節くらいで、人間の動きを再現する為に人体のほぼ全ての関節が用意されています。
人間は軽くビンタするだけでも全身の関節を動かしているのです。
それらの動きを全てゲーム上で再現しないと自然な動きなんて作れないのです。

うっかりするとすぐに脱臼します。(キャラが)

ぶっちゃけもう『3D格闘ツクールは人間の動きを作るゲームだが、このソフトで人間の動きを作るのは無理』と断言できます。

一人でもリアルな動き作れた人居たら見せて欲しい。

というかここまで書いた事は多分YouTuberとかがモーション製作実況プレイとか上げてるだろうからそれ見ればいいんじゃないかなぁ。

前置きが長くなりましたが、ここからが私の言いたい事です。↓

アスキーが用意したサンプルモーションがリアルすぎる


3D格ゲー作るぜと購入したちみっ子達の為にアスキー側がモーションを用意してくれてるのですが、それがかなりマニアック。

サンボと柔術、空手二種類、テコンドー、マーシャルアーツ、八極拳、蟷螂拳、プロレス二種類他といった格闘技をかなり忠実に(一部過剰に)再現してます。

しかも関節技の掛け方がリアル&マニアック。
プロレス&カンフー好きとしてはたまらない。

そのたまらなさを画面直撮りの動画でお伝えします。

見て下さいこのグラウンドの痛めつけっぷり!カポエイラ(白服アフロ)の洗練されたバランス感覚!カマキリ拳法(黒服オールバック)の肘を打つ予備動作の下半身の踏み込み!
カポエイラ使いの0:35秒辺りの飛び蹴りはよく真似しようとしてましたが無理でした!

同時期に作られたバーチャファイター3や鉄拳3といった大手にも引けを取らないリアルさだと思います。


( ^ω^)

( ^ω^ )

とはいえ、自作キャラを友達の作ったキャラと対戦させようなんて思ってもこれをやり込む人なんて今時いないだろうし、これだけ3Dモデリングが身近になった現代で「3D格闘アクションを作る為に」これを買う必要はないと思います。

そして一言では説明できない粒揃いな音楽の話

これに限らず、アスキーツクールシリーズの大半はアスキー側が作ったBGMが入っているのですが、3D格闘ツクールの曲は中々尖ってます。

ですが、こんな微妙なゲームのBGM集なんてアップロードされてないし、自分で曲を抜き取ってアップロードするのは音楽家としても大人としてもどうかと抵抗がある。

なので、『右側のスピーカーの前にスマホを置いて録音した音』に『自前の動画』を合わせたのをYouTubeにアップロードしました。

「良い曲だよ」で終わらせず私なりの曲の解説

これ、音使いと言うか音の並べ方というかがかなり独特なんですよね。
凄く説明しにくいんですけど、音楽ってゲーム音楽だけに限定しても曲が沢山ありすぎて「これっぽい」「あれっぽい」みたいにどうしても作風が被っちゃうと思うんですが、このゲームって聴いた事が無いタイプのメロディとリズムばっかり使われてる。
「このメロディの後はこう来るな」「このリズムは恐らく16ビートシャッフルだな」といった予測を尽く裏切って『聴いた事がないが耳に心地良い曲』が流れてくる。
ジャンル分けしようにもテクノなのか、プログレッシブなのか、ロックなのか、民族音楽なのか、はたまたそれらのミクスチャーなのか、余所では聴けない独特な作風が感じられます。

上の動画で紹介している曲も一部ですし、音質も悪いので気になったら『買い』だと思います。
あと変な動きを作って笑ったり、友達呼んでサンプルキャラ同士で対戦しても普通に楽しめると思います。

という訳で、中古で安く売ってますし気になったら『買い』です。


ところで関係ないけどあのカポエイラ使いのアフロって職業がバウンサーで趣味がダンスらしいんだけど、いつかバウンサーなんて荒っぽい仕事辞めてダンスだけで食べていけるようになったらいいね。

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