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音楽業界で働くことは新学期の自己紹介で一発ギャグするぐらいヤバい行為

どうも スーパー銭湯が大好きなのでタトゥーをいれない灰色のピーターパンです
みなさん、五月病を今月まで引きずってはいませんか?
大丈夫ですか? 基本、僕は一月〜十二月病なので、みんなの方がマトモです もう、前置き書くのダルくなったのでメインテーマへGo

よく、こんなことを言う人がいる
「音楽が大好きなので、音楽業界に就職したいです!」とか「裏方に昔から憧れていて、音楽業界をサポートする側に回りたいです!」とか
やる気は素晴らしいと思う 実に素晴らしい
そして、逆にバカだなぁ〜とも思う
あ、汚い言葉を使ってしまった すまん押忍マン
今回はこんなことを言ってくる夢追いベンガルに向けて注意勧告を発令する記事です
最初に言っておきますが、純粋な気持ちを保ちたい人は読まない方がオススメ
ショボめの実話ナックルズだと思ってください
また、僕がこれから話すことは業界の全てではないしMeは業界の隅っこの隅っこしか経験してないから実は偉そうなことは言えない
ただ、業界研究をしまくってた時期があったり音楽業界での就職活動に明け暮れて研修漬けだった日々や前職での経験を元に少しでも現実を突きつけられたらと思い、書きます

みなさんは中学でも高校でも新学期、新しいクラスになっての初めての自己紹介などで笑いを取ろうと一発ギャグとか面白いセリフとかをカマしたことはあるだろうか
だいたい、この手の前科を負っているのは調子に乗る体質の野球部とかサッカー部
良かれと思ってやってみたは良いものの、その後がしんどい 自分だけ、浮きまくる 宇宙へ誘われる
でも、こんなヤツ いたはいたけど希少でもあった いるんだけど、そんなにはいない
そこで、長い例え話をしたが音楽業界に進みたいって情熱を燃やしてる人ってこの自己紹介マンの数と同じぐらいだと思う
そして、これと同じで やってみたは良いもののその後が辛い この現象も似てるんだな さて、僕が言いたいことってのは"音楽業界へ見切り発車で進むのは非常に危ない"って話
それは何故か 僕の僅かな経験談と友人の証言、Meが卒業した専門学校を駆使した独自の調べを参考に説明していきたい

その1・とにかく激務

まず、音楽業界は超ブラックな世界だ
第1に激務・過労はマスト
24時間勤務は当たり前
時間表記が27時とか30時とかの世界
一人暮らしとかしても帰らないことが多いから家賃が無駄になる 一種の修行だ
ちなみに、僕の前職はポストプロダクションと言うセクションでその中でも映像作品に対してBGMやナレーションやSEをレコーディングしたり当てはめたりするMAと言う部門に所属していた それで、スタジオに篭ってアシスタントとして働いていたのたが基本的に24時間勤務で帰れなかった 別にフィクションじゃないよ?
当時の一週間の流れを思い出したくもないけど書くとこんな感じ
月曜日 09:00〜10:00(翌日)
火曜日 明け
水曜日 08:00〜09:00(翌日)
木曜日 明け
金曜日 10:00〜25:00
土曜日 休み
日曜日 10:00〜12:00(翌日)
これはあくまで一部のスケジュール
色んなパターンがありました
アシスタントなので、ただミキサーの方の作業を見ていて他の仕事と言えばスタジオの掃除かテープチェンジぐらい 後半はレコーディング時のマイクアレンジや伝票整理、MIXの準備をやらせてもらってはいた けど、本当に夜は眠気との戦いで腕をつねってまで必死に食らいつきましたが案の定、身体を壊して辞めました 明けを休みと捉えていた会社だったので終電で帰れただけで泣けました
友達も音楽業界に進みましたけど8割辞めている
理由は"人間としての当たり前の生活がしたい"
他業種で働いてる人はイメージがわかないと思うけどマジでヤバい
何がヤバいのかと言うと長期労働が当たり前だと洗脳された人間が新人にその洗脳をすると言う真理教的現象が普通に起きているからだ
僕のところの会社と言うかスタジオもそこそこ真っ黒だったが、他のハコもやばくて二徹(48時間勤務)をするカイジの地下労働みたいな場所もあったし今もそうしてる職場もあるはある ちなみに、キンキンに冷えたビールは藤原竜也のように飲めやしないのでカイジの方がホワイトだな
もう、就職=その職場に住民票を移すに近い
今、話したのはMAスタジオのことだけど勿論レコーディングスタジオだって漆黒だ
単純に考えてみてくれ
みんなが普段聴いているアルバムって何曲収録されてる? そこそこの量入ってるよね
アレを全部、レコーディングしてミックスしてマスタリングしてるんだよ? 地獄だ
それを完パケ・納品までに間に合わせなくちゃいけない 徹夜だよね
しかも、レコスタの恐ろしいところはほとんどアルバイト採用 大手は正社員なんかで雇ってくれない つまり、アルバイトで経験を積んで成り上がれ方式 目で見て覚えろ 先輩の背中見とけ
陶芸家に弟子入りするみたいなもん
師匠と弟子って関係性だから上司と部下って構図じゃない そして、薄給 ほん怖だ
これは他の職種にも言える
例えばコンサート関係の仕事
ツアーPAや照明、大道具と呼ばれる人たちはアーティストと共に全国を回る
今日は北海道 明日は名古屋 明後日は大阪
みんなはファンの立場なのでツアーと言われるものに何の違和感も湧かないが僕からすると裏のことを考えてしまって身の毛もよだつ
さらに、コンサート現場なんて工事現場とほぼ同等なので怒号が響き渡る 危険と隣り合わせなのでね プロレスラーみたいな強面の先輩がたくさんいて、夜中に明日のライブの仕込みをする
フォークリフトにも乗る クレーンでスピーカーも吊る そして、ライブ本番は絶対に間違えられない責任感と緊張感を抱えながらオペレートをする みんなが楽しそうに会場からはけていった後はバラシが待っている
次はレコード会社 これも説明不要でブラック
定時でなんか帰れない 遅くまで残業してなんぼ
アーティストマネージャーなんかもっと大変 電話鳴りっぱなし
インディーズのレーベルでも大きなところは体力勝負でしょうね
友達でツアーPA目指して大手のPA会社に勤めてたヤツもいたし、大手のレコード会社でA & R目指して就職した人もいたけどみんな体調崩したり、精神的におかしくなりかけて辞めてしまった                                                        僕はコンサートの機材搬入をやったことがあるけど凄い重いスピーカーを運んでいる時に前からフォークリフトに乗った武藤敬司似のオッサンに「轢かれてえのか!オラ!」と威嚇されたことがありました 夜中の1時ぐらいのことでした


その2・絶望的なスケジュール

次に激務ということは予定はメチャクチャ
僕の前職の一週間の愉快な流れを見てもらっても分かるが他人と予定なんか合わない
今まで友達と定期で遊んでたけど、そんなこと到底無理 一人暮らし組は帰省も出来ない
彼女や彼氏作ったってデートも難しい
そもそも、今まで行っていたライブも受動的な立ち位置から能動的な立ち位置に変わったので行けるわけがない
僕はそもそも友達いませんし親になんか会わなくても結構ですって闇の具現化みたいなヤツはそれでもいいんだろうけど音楽が好きな元陽キャは確実に死亡する
友達と呑めない、ライブに行けない、実家に帰れない、一人で買い物も行けない
筋トレするしかない GOLD GYMには行けないけどな 家でやれ
これってそうでもないと思いきや意外と辛い
激務の合間を縫ってこんなこと予定として挟み込んでたらそれこそ疲労で終わる


その3・好きなことを仕事にしても…

あとは、やりたくないこともやるってこと
これは仕事どれにも言えるけど音楽が好きだからって言ったってみんな分野があるはずだ
アニソン限定だったりロックのみだったり
そんなことを選り好みして仕事はできない
演歌を扱うかもしれない 売れない地下アイドルと仕事するかもしれない それをシラフで出来るかってこと 例えば"ロッキンオンジャパン"とか"音楽と人"と言った音楽雑誌を読めば分かるが扱うアーティストは様々だ YUKIからマキシマムザホルモンまで多種多様
サザンが表紙の回でページを開くと後半はRADWIMPSにインタビューした2万字の記事とか載せてるのだ
やってけますか? アーティストに直接取材して嫌いな音楽も肯定しなくちゃいけない HipHop1つだって好き嫌いがあるんだよ?
Trapが苦手でもBAD HOPを仕事と割り切って褒めちぎれる? そこ これってかなり大事なポイント
フェスでPAやるとする 普段はいかないフェスに仕事では行くシチュエーションがあったとして、自分が任されたのは一番小さなステージで聴いたこともないコミックバンドのおふざけライブをオペレートするとなった場合、耐えられるか? 必ずしも大好きなバンドと仕事で関われるわけじゃない それが大きな業界に入っていくと言うことだろう

そこで、暗い話ばかりしてしまったので少しハンドルを切ります
とにかく激務で他人と予定も合わなくて好きな音楽を必ずしも扱えないと申しましたが、それでも業界の第一線でちゃんと働いてメジャーアーティストと直接会って仕事している人はいるわけだ
その人たちってなんで働いてると思います? まず、お金の為だけとは思えないですよね
もちろん、人間金の為に働いてはいるが
それだけじゃやってけない職種だってのは説明済み
そこで、一番考えていきたかった話に移る


音楽を好きであるという事について

みんなが思う「音楽が好き」ってどういう好きのこと言ってます?
音楽業界で失敗する人の特徴として「音楽がとにかく大好きなんです!」ってだけの理由しか存在しないパターンがある
そりゃあ、音楽業界の先輩方だって音楽大好きだよ 好きじゃなきゃやってらんないよ
だけど、それだけじゃあんな長く働いてないよ
「音楽業界で働くことが好き」なんだよ
音楽がただ単に好きならファンでいる方がよっぽどマシだ
第1に仕事が好きか 働くことが好きかってのがあるよね 音楽は大好きだけど働くことは最低限でいいって考えならまず無理やで
仕事のためならなんでも犠牲に出来る人間がやってるのだ
それで犠牲に出来る為には好きなことじゃなきゃいけないので音楽を選んでるのだ
グルメ・美食家のヤツが必ずしも料理人になりたいかとは言い切れない
24時間働いても、友達と遊べなくても、寝れなくても、時間通りに飯が食えなくても好きな音楽の仕事をやれてるから苦じゃない!と自信を持って言えなければ…悪いことは言わない
音楽業界は諦めた方がいい
今、見てるライブDVD 今、買ったCD
それを見る側、買う側じゃなくて作り手側になるんだぞってのをもう一度考えて欲しい

僕は出版社に就職しようとは思わない
だって、音楽誌の編集者になったらこんなギャグマンガ日和みたいな文章書けないよ
誤字脱字も徹底して、締め切りに追われ、アーティストの悪口も書けないなんて僕死んじゃうわ(誤字脱字は改善していきます)
でも、それをやってるってリスペクトしかなくない? 凄いんだよやっぱり 業界人って
だから、僕ら頭上がらないよ
機材車に乗って夜だろうが朝だろうが会場まで運転したり終わりのないレコーディングやミックスに徹夜で立ち会ったり、締め切りに間に合わせる為に家でも仕事をしたり
それを嫌だと1つも思わないぐらい仕事と音楽が好きなんだよね
実際、こういう人もたくさんいて成績を残しているからカッコいいインタビューとか受けたりテレビの関ジャムで取り上げられたりする
サンレコに特集されているエンジニアはそういうことだ


まとめ

絶望へと誘った
ただ、僕が"単に諦めろ"と言い放って終わると思ったか 頭お花畑か
そりゃ、音楽業界に挑んで欲しいです
僕はよく何事も経験だよと先輩に言われました
そうだと思う 一度も業界を経験していないのに挑戦しないのは勿体ない
進んでみて、自分に合ってる世界かもしれない
僕の記事をバカにすることになるかもしれない
案外やってけるなぁとか、音楽の為ならそもそも日常犠牲に出来るタイプだから何言われても業界で戦えますとか
こんなネガティブ記事を読んだってまだ夢や希望を抱いている人はもちろんいると思う
是非、体験してもらいたい
結局、他人の意見なんて関係なくて最後は自分が決めることなんで
画面越しで見ていたアーティストと生で会って仕事が出来るって素晴らしいことだと思うし、一番同窓会で会った時に自慢出来んじゃない?
仕事は何事も辛いと思うけど、やり甲斐はその分あることは間違いない
みんながロッキンオンやソニーミュージックで輝いてる姿、期待してます
とにかく前向きに 以上



#転職   #就職   #音楽業界
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