境界線

6時台
駅のホーム
遅延情報はない
朝日が登りきっていない朝
1日の始まりに
終わりの曲を再生する

こんな世界から消えたくなる瞬間や
こんな世界と世の中
自分を取り巻く苦しい状況に
絶望する瞬間のこと
数えても数え切れない
枯れた心を生む日は何時だって
誰の傍に居たとしても
孤独を感じていて
寂しくて虚しい

私の周りに同じ読み方をする
同じ下の名前の人が数人いる
あっちの●さんは上手くいってると
思いたくなくても
思ってしまっていた日々が
私は苦しくて苦しくて
堪らなかった

まだ今よりずっと私の考えが浅はかだった頃で
いかに私が愚かな思考をしていて脆い人間だったか
今となっては情けないくらいな記憶として
そう思い返せるようになった
でも人間だから
とある感情に一度襲われてしまったら
抜け出すのに時間がかかることも
どうにも抗えない日があることも
私は時間をかけて理解してきた
あの頃の自分に今の私が会いに行けるなら
「絶望や闇を抱えてない人や
痛みを知らない人なんて
どこにもいない
もし、その絶望や闇に気づけてない人がいても
数秒でも何処かで黒い影に染まっている時がある」
そんな言葉を
悪魔のように囁いてしまうかもしれない

愛だったかもしれない
自分が大切にしてきた守ってきたお守りに
呆気なく裏切られる日もあった
神様お願いって
何度も心の中で手を合わせてしまった日を
私は数多く過ごしてきて
苦しくて冷たい日々に沈んでいた

だけどそういう何処かにいるかもしれない
神様に願って、祈って
何かが変わるかもしれない
って自分ではどうすることもできない時の
もうどこの神様でもいい
何の神様でもいいから
救ってほしいって
何かに縋りたいあの感覚は
もう多分ずっと抜けない
もし忘れていたとしても
いつか取り戻してしまう覚悟を持っていないと
いざという時に自分が壊れてしまう
大人になるにつれて
自分が壊れない為
壊されないようにする為の
そんな防衛策を考えてしまう日が
増えてしまった

変わって欲しいと
この苦しみから抜け出したいと
思わずにいられない瞬間が
これから幾らでも起きること分かってる
それが人生なんだって
何回も自分に言い聞かせてきた
これから何度思うのか
それから私は何が変わるのかな

何でこんな世の中なんだろうって苦しかった日
何でこんなことになってるんだろうって悔やんだ日
“私が神様だったら
こんな世界は作らなかった”と
頭の隅で思ってた

虚しくて
先の見えない迷路に閉じ込められた夜に
浮かぶ曲


チャットモンチー
『世界が終わる夜に』


後書き

「世界が終わる夜に」の作詞を担当したあっこは、テレビのインタビューで次のようなエピソードを
語っている。

駅のホームで電車を待っている時に、人身事故による電車の遅れがアナウンスされたという。

しかし電車を待っていた人たちは、人身事故を悲しがるのではなく、電車が遅れることに対して
苛立っている様子だった。

その体験から生まれた曲が「世界が終わる夜に」だという。

このブログの公開は2009年
この曲が収録されているアルバムリリースは2007年
現在14年が経っている
どうだろう
2021年の話だと聞いたとしても
受け入れられない人はどのくらいいるのだろうか
世界で何人、遠い日のことだと感じるのか
その答えを想像できてしまうことが切ない

世界は変わっていますか
歌詞の中の終わったままじゃないですか
悲しくて虚しいけれど
このブログのように
これがこの時代の真実で
この世界の事実
来年同じ曲を聴いて
何か変わってると思いますか
この曲が多くの人に理解される日は
きっと来ない
そんな予想をしてしまう
世の常に私が染まっていること切なく思う

先日の悲しい訃報を知り
今書くべきnoteだと思った
父は言った
“死んだらダメだ
生きていればどうにかなる”
この言葉に関して私は思うことがあるが
ここでは何も言えない

どうか安らかに
あちらの雪降る日
あの姫の声で
この世まで歌声を響かせて欲しい

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眠れない夜に

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