四季彩

生年月日をスマホで入力する時
生まれ年を少し長めにスクロールするようになってきた気がする

皆が言う
今、幼少期に会ったお姉さんお兄さんと同じ歳なのに全然違う
もっと大人に見えたのにって
私も毎回自分の歳を口に出す度
嗚呼もうそんな歳なのかって
少し人生を考えてしまう
きっとそのお姉さんお兄さんたちも同じような事を感じて歳を重ねていったのかもしれない

2021年が終わる
今年はこれまでの答え合わせのような日々で
その切り取った時間や感情を言葉に変えて
noteの海に生み落としてきた
歯触りのいい言葉
火傷の跡が残る心
霧と陽炎が交差する脳
そこから感じとるあらゆること全部
今はどんな形であれ愛おしい
感性が揺さぶられる日常の瞬間一つ一つから
言葉を紡いで今の私、2021年の私を創ってきた

高校の時
「衣ちゃんのいいねしてるツイートって
ポエムばっかりで痛いよ やめたら?」
と言われたことがある
それも毎日隣にいた女友達からの一言
そうだね、気をつけるねって
悲しさを押し殺すように笑顔で口に出していた
思い返した今では心の中でそっと中指を立てている
彼女が今何をしているのか知らない
知りたくもない

あの頃から私
言葉が好きで
言葉で傷を負って
言葉に心を温められたり
言葉で心を殴られていたらしい

そんなこと言われたもんだから
好きな言葉を好きなようにいいねいいなと
思うことがないように
右手の親指が動くことがないように
何かに蓋をした
多分、心だったかもしれない

その蓋がいつの間にか開けられていて
今では自分が一から発した言葉で
私の生活と心情の証拠たちをnoteに
可視化して少しずつ残している
後ろめたさは何処にもない
あの子が手にしていないであろう
目に見えない大切なものを沢山掴んできた

“人の心を打つのは痛いシーンだ”
とある脚本家の方が話していた
きっと沢山の痛みが今の私を生かしている
心動く瞬間に数多く触れている今
痛みを知ることがなかったら今まで感じた心を打つ瞬間もこんなにも色濃く残っていなかったかもしれない

2022年 年末、
1年後私は何を思っているのだろう
どんな日々で彩られて
この世界が何色に映るのだろうか
眼に映ることない形ない未来の財産となるものを
いくつ感じて飲み込んで消化してどれくらい私として
肉付けができるだろうか

こんな疑問が沸々と溢れてしまうほど年の瀬は
不安に襲われて気持ちが灰色に染まりかける
だけど今はその中に小さな万華鏡があって
眩しくない程度の小さな光が集まる未来を想像して
覗き込みたい気持ちもある
ほんの少しだけ希望を願うことを許してほしい

私が私を見捨てる事がありませんように
どんな心の灯火も燃やし続ける1年を駆け抜けて
色褪せない日々となりますように

通過点の印を踏んだとしても
着地点は要らない
私はまだ歩んでいける
きっと大丈夫

また来年

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