ディスカッション

コーポレート・ガバナンス関連ニュース(2020/1/15)

ヘッジファンド、物言う投資家が勝利-アックマン氏やホーン氏

【記事のポイント】ヘッジファンド業界では昨年、ビル・アックマン氏やクリストファー・ホーン氏ら物言う投資家のファンドの多くが高いリターンを上げた。標アックマン氏のパーシング・スクエア・ホールディングスのヘッジファンドはプラス58%と過去最高のパフォーマンスを記録。ホーン氏のザ・チルドレンズ・インベストメント・ファンドはプラス41%で2013年以来の好成績となっている。アクティビストらは出資先企業に変革を迫るが、昨年の標的件数は15年以来の水準に減少。投資先を比較的大規模な企業に絞ったことで、相場上昇の恩恵を受けている。


日産、顧問・相談役を廃止 ゴーン元会長事件受け改革

【記事のポイント】日産自動車は顧問や相談役を廃止する。元会長カルロス・ゴーン被告による報酬過少記載事件など一連の問題を受けたコーポレートガバナンス改革の一環とみられる。同社は2019年12月に内田誠社長兼最高経営責任者(CEO)らの新体制が発足しており、意思決定のプロセスを透明化することで、より強固なコーポレートガバナンスの構築をアピールしたい考えだ。


社外取締役の役割 経営トップが活用考えよ

【記事のポイント】経営トップにとって、ガバナンス改革は極めて重要なテーマであり、中でも取締役会のあり方は最重要課題といえる。社外取締役の設置義務などを定めた改正会社法が昨年12月に成立し、2021年春にも施行される。コーポレートガバナンス・コードに基づき、すでに東証上場企業の9割強が社外取締役を設置しているが、昨今頻発ししてるガバナンス不全では、社外取締役の役割がうまく機能しなかった事案が散見される。いくつかの考えられる要因があるが、ひとつは社外取締役に何を求めるかが不明確なことだろう。企業が「社外取締役の設置義務を押しつけられただけ」という受け身の姿勢だと、取締役会は活性化しない。また社外取締役は常に需要に供給が追い付かず、複数の企業を兼務する事例もあり、就任の依頼を受ける側も、どのくらい力を割くかが分かっていない。これも制度が未成熟なためだろう。取締役会がどんな形態を取っても、その機能をトップが生かさなければ効果は発揮できない。ガバナンス改革に近道はないことを心に刻み、企業価値の向上に努める必要がある。


明日は我が身? レオパレスへの全役員解任通告

【記事のポイント】レオパレス21の大株主で「物言う株主」として知られる村上世彰氏が、全取締役の解任を求め臨時株主総会の開催を請求した。臨時株主総会は2月下旬から3月上旬に開かれる見通しだが、上場企業にとってこのような事態はもはや他人ごとではないかもしれない。「株主ガバナンス」とも言える動きは着実にすそ野の広がりを見せている。


象印がファンドの人事案に反対、取締役選任で

【記事のポイント】象印マホービンは14日、2月開催予定の定時株主総会で投資ファンドからの株主提案に反対すると発表した。投資ファンド、エース・フロンティア・リミテッドが取締役の候補者として、日銀出身者の選任を提案しており、提案後も対話を重ねたが折り合えず、決定を株主総会に委ねるとのこと。エース・フロンティアは中国家電大手の日本法人、ギャランツジャパン(大阪市)などと象印株を共同保有しており、昨年12月23日時点で保有比率が13.5%と筆頭株主にあたる。提案理由としてグローバルな視点を持つ人材が必要だとしているが、象印は「当社が考える体制で高い監督機能を持っている」などと提案に反対している。


退職金ゼロでも…報酬88億円 辞任のボーイングCEO

【記事のポイント】米ボーイングは、昨年12月に引責辞任に追い込まれたデニス・ミュイレンバーグ前CEOに対し、退職金1460万ドル(約16億円)を支給しないと決めた。米証券取引委員会に10日、届け出た。一方、退職に伴い、株式報酬など計6220万ドル(約68億円)は支払われる見通し。ボーイングは「デニスの35年近い貢献に感謝する。退任にあたり、契約上の権利がある報酬は受け取るが、退職金や2019年のボーナスは受け取らない」と説明したとのこと。




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