ディスカッション

コーポレート・ガバナンス関連ニュース(2019/12/13)

機関投資家「今後5年内に世界金融危機発生」「ESGはアルファにつながる」

【注目ポイント】資産運用会社のナティクシス・インベストメント・マネージャーズは12月5日、アジア、欧州、北米、中南米、中東の500の機関投資家(企業・公的年金基金、財団・基金、保険会社、政府系ファンドを含む)を対象に行った最新の調査結果を発表。調査に応じた機関投資家のうち83%が「今後5年以内に世界的な金融危機が発生する」と予想。2020年のトレンドを見るうえで、9割の回答者が過去最高水準にある公的債務を懸念材料として挙げたとのこと。また、機関投資家の64%がポートフォリオに何らかの形でESG(環境、社会、ガバナンス)を取り入れており、54%が「ESGはアルファにつながる」と回答している。

【コメント】こうしたグローバルの機関投資家のESG投資の重要性を認める調査結果は、ESG投資の取組みが遅れていた日本の機関投資家へ与える影響も大きいだろう。もはや待ったなしの状態である。一方で、より気になるのは、調査に回答した機関投資家の8割以上が今後5年以内に世界的な金融危機が発生するとみている点である。もちろんマクロの経済動向に対しては常日頃から企業側も先を見越して対応する必要はあるが、これまで「攻めのガバナンス」としてよりリスクテイクを取る経営を日本政府は企業に求めてきた。しかし、先行きを考えると守りのフェーズに備えるべきなのだろう。大企業であってもいざというときにモノを言うのはCashである。


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