見出し画像

牛角の月額1万1000円食べ放題サブスクで牛角は儲かるのか検証してみた

あけましておめでとうございます。
新年早々入ってきた飲食業界のビックニュースがこちら↓

なんと月額1万1000円で牛角の食べ放題コースがいつでも無料になるという驚きのサブスクサービスが登場しました(年明けて今バズってますが、サービスは2019年11月よりスタートしていたとのこと。)

このサブスクを知ったユーザーからは、

「牛角があれば生きてける時代到来」
「元取るとかの話のレベルじゃねぇ!」
「関西でもやって」

と、驚きやエリア拡大への期待の声が上がりました。

ビジネスモデルとして成立するのか?

気になったのがビジネスモデルとして成立するのか、という話。

ニュース記事にもたった3回で元が取れると記載があるように、通常の牛角コースは「3,480円(税抜)」。

3,480円 × 3回 = 10,440円

食べ放題3回分(10,440円・税抜) > 月会費(10,000円・税抜)

でユーザー側はたしかに3回でもとが取れます。
※以降、月会費を税抜の10,000円で計算します。

では、牛角側はどうでしょうか?

焼肉業態の粗利率を高めに見積もって40%とした場合、

3,480円 × ( 1 - 40% ) = 2,088円

2,088円が牛角側が1回のコースで消費する食材原価などのコストとなります。
※牛角の場合、原価はもっと抑えられている可能性があります。さらに、サブスク会員の食べ放題原価は通常平均より安い可能性もあります(なんとなく1ヶ月間無料だったら1回あたりそんなに頑張って食べない気がする)

で、この場合

2,088円 × 5回 = 10,440円

食べ放題5回分(10,440円) > 月会費(10,000円)

となるので、牛角からすると月4回までは来てもらってOKで、5回以上来店されると赤字になることになります。

来店頻度から損益分岐表を作るとこんな感じ↓

スクリーンショット 2020-01-06 19.18.26

なので、牛角としての第一の検証ポイントは、「サブスクユーザーの月間平均来店回数」となります。月間平均来店回数が「4回」とかであれば牛角からするとOKな水準となります。

ちなみに月間平均来店回数が4回の場合、

10,000円 - 2,088円 × 4回 = 1,648円

と全然利益ないじゃん、と思われがちですが、これはサブスクです。もし解約率が5%で平均継続月数が20ヶ月の場合、

1,648円 × 20ヶ月 = 32,960円

の利益となります。しかも1人のサブスクユーザーからです。

もし会員数が1,000人になれば3,000万円以上の利益となります。

ここまで来てなんだか旨味のありそうなビジネスに見えてきました。

クロスセルや同伴者が増えれば売上は爆増する

ここまでは、サブスクユーザーが1人で来店して水だけ頼んで食べ放題を無料で食べていった計算をしましたが、実際のところはドリンクのクロスセルや同伴者の来店が期待されます。

参考に「アサヒ スーパードライ 中 500円」が1来店につき2杯注文されたとして考えてみましょう。※ドリンクの粗利率は70%とする。

3,480円 × ( 1 - 40% ) - 500円 × 2杯 × 70% = 1,388円

と、ドリンクの利益が入る分、1回あたりのコストは1,388円にまで抑えられます。このときの損益分岐表がこちら↓

スクリーンショット 2020-01-06 19.34.53

ビールが2杯注文されるだけで、7回までの来店が許容されるようになりました。クロスセル効果強しです。

さらに、サブスクを利用していない同伴者が平均で1名(サブスクユーザー含む2名)来店したときの損益分岐表がこちら↓

スクリーンショット 2020-01-06 19.39.49

クロスセルでビール2杯と同伴者が1名来店した場合、損益分岐表はなんと完全黒字に変わります。毎回同伴者が来店するとは考えにくいものの、3回に1回ぐらいは同伴者が来店する可能性があるのではと思います。

結論:牛角は十分に儲かる可能性がある

「儲けはちゃんと出るのかな」という採算性を心配する声も上がっていますが、結論牛角が儲かる可能性は十分にあります。

牛角が見るメインの数値はおそらく下記3つ
・サブスクユーザーの月間平均来店回数
・サブスクユーザーのクロスセル単価
・サブスクユーザーの同伴者数
この3つの数字次第で全国の全店舗への展開かサービス終了かの選択になってくると思います。

もしこの記事を読んでいる飲食店関係者の方がいれば、自分のお店や業態の場合は、どういったサブスクに取り組むことができるか是非考えてみてください。私も一緒に考えるのでぜひご連絡ください笑。飲食店のマーケティングのお手伝いをしています。

今後の牛角の取組も引き続き注目していきたいです。

続報↓
牛角「焼肉食べ放題PASS (11,000円) 販売終了のお知らせ
https://www.gyukaku.ne.jp/information/20200107_subsc.pdf

とのことで、今回の牛角の食べ放題サブスクについては、一旦販売停止とのこと。今後の復活に期待です。ただし間違いなく今回の牛角そしてレインズインターナショナルさんの取組は飲食業界に変化を与える一手だったと思います。

株式会社レインズインターナショナル
https://www.reins.co.jp/index.html

※牛角は「MonsterPass」というサービスを利用しています。
※私が勤める「favy」でもサブスクサービスを提供しています。宣伝
※サブスクサービス導入検討時はぜひ比較してください笑
 →favyのサービスメリットはまた記事で書きます!
※あくまでも個人の勝手な計算です。
※今回の記事で、計算ミス等ありましたらご指摘くださいm(_ _)m

いいなと思ったら応援しよう!