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映画館、死んでまうんかいな!?という懸念について

表題の件を、私はかねてより懸念しておる。
しかし、ついこないだ、「これは意外と大丈夫なんでないか?」となるニュースを見つけたので、同様の懸念を抱いている人の心の助けになればいいな〜と思い、この文章を書いています。

私は割と「映画狂」なところがあり、それも「映画館で映画を観る」ところに大いなる価値を感じています。
映画の公開は、概ね金曜に設定されていることが多いのですが、長く目をつけていた映画については、その初日のレイトショーチケットを確保して、残業も程々に映画館にかけこむ、ということがよくあるのです。
どなたかに飲みに誘って頂いた際は、

「すいません、映画に行く予定があるので!」
「おおそうか、彼女と?」
「いえ、一人です!」
「!?!?(憐れむような視線と苦笑)」

となることも多いのです。(引け目のようなものは全く感じていません)

そんな準映画フリーク(真に熱狂的な方々へのリスペクトの意味を込めて、ここでは敢えて「準」という言葉を使っています)の私にとっては、昨今のコロナウイルス事情を発端とする、「映画作品のストリーミング移行」が、映画館を破滅に追いやる危険因子に見えてしまうのです。

とはいっても、個人的には複数のサブスクリプションサービスを契約していて、家での映画鑑賞もよく行いますし、それにも大きな価値を感じています(すぐトイレに行けるとか)。Netflixのオリジナル作品なんか、本当に完成度が高いものも多く、オリジナル作品にビッグな俳優や監督が名を連ねるようになった時には、心底驚いたものです。
直近では、「プロム」という作品を観ていたく感動したのですが、「これは映画館で観たい、、、!」という感情が沸き起こりました。
https://www.netflix.com/title/81079914

とまあ、自分語りはここまでにしておいて、
・「ストリーミング移行トレンド」がどれだけ大きなものなのか
・映画館消滅防止の為にどんな動きが出てきているか
これらについてまとめていきたいと思います。


ストリーミング移行トレンドについて

Netflixが日に日にその力を増しているのはもう皆さんご存知の通りだと思うのですが、自分にとって大きなニュースだなと思ったのが、

①HBO Maxが、劇場作品(大作)をストリーミング同時公開したこと

②Disneyが、収益の主軸を映像作品とする声明を出したこと

この2つです。

①について、HBO Maxというのは、ワーナーメディア所有の、アメリカで展開されているストリーミングサービスなんですが、発端となったのは、「ワンダーウーマン1984」です。この大作を劇場・ストリーミング同時公開する、という決定をしただけでも、「なんやて!?」の嵐が巻き起こったわけなのですが、ワーナーは更に「2021年に劇場公開する予定の作品は、すべてストリーミングで同時公開をする」なんてことまで言っちゃったんですね。
コロナ禍における苦渋の決断であるとはいえ、これは確かに衝撃。みんな大好きクリストファー・ノーラン監督もこれにはブチギレてるみたいです。
ノーラン監督だけではないのですが、「映画館で観られる」ことを大前提として体験設計をするという監督も少なくないので、「映画館で映画を観る」というのは、その界隈の人たちにとっては極めて重要なファクターであるということです。これが1つ目。

②については、これ単体だと「ふーんそうか」ぐらいにしか思えないのですが、ポイントとなるのは、「テーマパーク事業に割くリソースを削減して」という前置きがつくということ。
夢の国が、、消える、、?
まあ、新エリアもできたことですし、消えるなんてことはないと思うんですが、これも衝撃ですよね。2020年に劇場公開される予定だった「ソウルフル・ワールド」と、実写版「ムーラン」は既に、Disney+で観られるようになってます。

今はただでさえ、映画館で映画を観る人が減ってきているのに、ストリーミング公開が主流となってしまうと、その流れにさらに拍車がかかってしまい、映画館そのものが消し飛んでしまうのでは、、?と心配してしまうのは当然のこと。
しかし、それに一筋の光を差すような動きがあります。


劇場はつぶさせへんで!の策(3つ)

①映画の独占公開期間が短縮されたこと
②ストリーミング作品の変動価格制導入が検討されていること
③映画製作会社の劇場保有が許可されたこと

この3つです。

①について。
以前までは、映画を劇場で独占的に公開できる期間というのが、75日〜90日とされていたんですね。しかし、1本の映画が劇場にもたらす収益というのは、ほぼ公開後1ヶ月に集中しているので、仮に90日MAXで公開したとすると、後半60日はとても費用対効果の悪い運用期間となってしまうわけです。
そこで、2020年、この公開期間が、最短17日にまで短縮されました。これによって、作品の新陳代謝を活発化しつつ、制作会社がデジタルで得た収益をうまく劇場に再配分する、という構想がなされているようです。

次に②について。
これは読んで字の如くなのですが、ストリーミング解禁時は、劇場価格と同等あるいはそれよりも少し高い金額で販売し、時間が経つにつれてその価格が下落していく、というものです。
確かにこれは、劇場離れを抑止しつつ、提供者側の利幅も圧迫しなさそうですね。中国のテンセントミュージックなんかも、この仕組みをうまく利用してで黒字化を実現したみたいです。

そして最後、③について。個人的にはこれが一番アツいです。
簡単にいうと、NetflixやDisney等の制作会社が、自社の作品を流せる自前の劇場を持てるようになった、ということです。
冒頭私が嘆いた、「これを劇場で観たい…!」が実現するわけですね。(一部作品は今も劇場上映されてるみたいですが)
個人的には、これやったら流行りそうなのになんでやらないんだろ?と思ってたんですが、どうやら独禁法で禁じられてたみたいです。それが2020年に改定され、できるようになったと。
ここからは完全に個人的な予想なのですが、自前の映画館となると、恐らく鑑賞料金は通常の作品よりも安くなりそうですよね。それに加えて、自社制作でない一般作品も上映したり、あるいは、一般の劇場の中に「Netflix専用スクリーン」「Disney専用スクリーン」ができたりしたら、映画館の人気ってむしろ今より高まるんじゃね、、?とさえ思えてきます。


まとめ

このへんが実現されると、大好きな映画館がなくなることは一旦はなさそうかなと思ってます。というか、そんなことは、偉大な映画監督様方が黙っちゃいねえと思うので、恐らく実現されて劇場という存在は守られるでしょう。同じ心配を抱いている人の心の救いになれば嬉しいです。
みなさん、映画館で映画を観ましょう。むっちゃ楽しいですよ。
ていうか、今1900円ですよね?高ぇ!
それはできれば安くなってほしいですよね…

ではまた。

訪問頂きありがとうございました! 少しでも皆様のお役に立てるような記事を作成してまいりますので、また定期的にいらしてください!