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<スキルアップ> 技術書の読書術

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概要(GOTO所感)

技術書を長年にわたって精読、乱読、積読してきた技術者2人による、技術書への向き合い方、技術書の読み方に関する指南書。ITに関連するビジネス書からIT系資格試験取得に必要な問題集や参考書、書店から図書館まで様々なケースで、具体的にどのように本(技術書)に向き合ってきたのかが筆者の考え方と経験的なものも含めて書かれている。

印象的だった内容ピックアップ(一部GOTOの解釈あり)

・インターネットで検索してたどり着くブログ記事、ウェブ記事に対しての大きな違いとして、「技術書」の文字媒体としての特性は、体系的にまとまっているということ、1冊の本として完結していることである
・書店で面陳(表紙を見せるような形で棚に置かれているもの)、平積み(足元に近いところでおかれているもの)は、背表紙陳列されているものに比べて注目度が高い。注目度が高い要因としては、単純に新刊のものか、ロングセラーのものである可能性がある。新刊かロングセラーの判断ポイントとしては、書末に書かれている発行年や重版歴により、どちらの属性かは判断可能である
・「入門書」と本題に書かれていて、その実、中級上級向けの内容になってしまう本が多いのは、著者が広い層の読書に本を届けたいからである。その点のギャップがあることを読者は意識しておいた方が良い
・図書館は技術の歴史を体系的に知るのに良い場所。絶版になった本を見つけることができるので、例えば第一次AIブーム(1960年代、ニューラルネットワークの基礎理論など)~第二次AIブーム、そして現代のAIブームの時代の潮流を知ることに使える。図書館は自分の住んでいる市区町村だけでなく直接利用できるので広く捉えると良い。全国の図書館の蔵書を横断的に検索できるカーリル(https://calil.jp/)も非常に便利
・本書では、(意外にも)図書館がおススメされている。その主な理由としては図書館自体が営利目的ではないということ、書店と比べても図書館では幅広い読者層が個々人の興味から純粋に書籍を探しに来ているので、本を求める人間観察ができることもメリットである、と筆者は考えている
・洋書の物理本をネット通販で買う際はAmazon/AmazonKindleを使うのが定番だが、BookDepositoryBetterWorldBooks(古本)を使うのも一案。日本への送料が無料で使い勝手が良い
・数学に対する考え方。学校での数学は証明すること、証明できること自体が価値になる一方で、ビジネスでの数学は利用価値に重きを置く。証明は既にされているもので、公式などを証明することは利用時に無価値、といった考え方となるので、その点を意識しておくことが必要
・時間制限読書術(1冊90分が目安):メリットとしては、決められた時間を定めて短期で読むことで集中できる点、パーキンソンの法則(与えられた時間の中で完了させる傾向のこと)を応用できる点がある
・読書ログをつけるサービスを利用する。読書メーターブクログ、Notionで一元管理するなどして何かしらログをつけておくことで振り返りにつながる
・1点突破読書法を身につけて、読書依存症になることをおススメしている(⇔マイナスになる依存症とは異なる)。この依存症をポジティブに捉えることが必要
・専門性を高めた結果、行きつくのは研究論文。Connected Paperで論文をネットワークグラフで描画されるので、視覚的に理解するのに役立つ。
・書見台を利用する(acttoブックスタンドやReodoeerの超薄型ブックスタンドなど)
・アウトプットはインプットと同じくらい重要であるが、アウトプットのやり方として、Amazonのブックレビューに評価をつける、というやり方も簡易的で忙しい人には特に有効である

まとめ(GOTO所感)

技術書に対する向き合い方に関しては人によって千差万別であり、巻末の著者の2人のあとがきとして、著者の間でも考え方の差異があったと振り返っていたのが印象的であった。技術者、ビジネスパーソンとして置かれている状況も人それぞれであるので、技術書に対するアプローチとして、自分に合ったやり方を見つけていくことが必要であると改めて感じた次第である。

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