ポストの胃袋
自転車をこいでいたらふとポストが目に入った。
ポストに手紙を入れると郵便局の職員さんが取りに来てくれて、バイクに積んで宛先の元へ運んでくれる。
と今は知っているけれど子どもの頃はそんな仕組みも知らなかった。
もし何も知らなかったらポストは魔法の赤い箱だっただろう。そこに手紙を入れると渡したい人の元になぜか届いてしまうのだ。
ポストの胃袋がその人の家につながっているように見えたりするかもしれない。
知らないと損をすることもたくさんあるけれど、知ってしまうから無くしてしまう面白さもたくさんあるのかもしれないなと思った。
あえて知らないつもりで考えてみるというのもなかなかいいものだ。
なにごとも初心者から始まるのに初心者だった頃のことを忘れて、ついできない人にきつく当たってしまいそうになることがあるけど、「知らないつもり」はそういう時のちょっとした親切につながるのかもしれない。
イメージできる視点を増やしていくと、毎日は少し豊かになるような気がした。
手紙はめったに出さなくなったけど、この前おかんに読んで欲しい本をゆうパックで投函した。あのアナログな感じは便利じゃないけどなんかいい。ちゃんと送った感じがする。
いつかポストも無くなる日が来るんだろうか。
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