また僕は"時間を切り売り"している。
まただ。
また僕は"時間を切り売り"している。
2017年10月。僕は3年間続けた全く好きじゃなかった仕事を辞めた。
仕事内容はともかく一緒に働く仲間たちは好きだった。
コミュニケーション能力か、人を好きになる心か、何かが知らず知らず育まれたのかもしれない。今までバイトで人とこんなに打ち解けられたことはなかった。
普段だったら絶対関わることがないだろう超ギャルのMちゃんは、1番まじめに仕事をしていたし、話してみると「遊びに行くとき同じ服だと、またこの服着てると思われそうで無理。」と1度着た服を2度と着れない燃費の悪さに悩んでいたりした。彼氏と別れたのをきっかけに地元に帰るためやめてしまった。
年の差は10歳以上あったけど、高校からドラムをやっていたUくんと、Uくんの大学サークルの仲間たちでボーカルだけおっさんのRADWIMPSコピーバンドを組んでライブをしたりもした。めちゃめちゃ楽しかった。
拘束時間は長かったけど給料も良かったし、僕がいないと店長は休みが取れないからどんなパワハラ店長も僕には甘かった。
正直居心地が良かった。
8月のこと。いつも通り15:00ギリギリに到着し、店のシャッターを上げ、タイムカード内臓のパソコンを立ち上げる。その時間を使って速攻で店の名前と一押し商品の宣伝が入ったTシャツに着替える。
レジを開けて、予約の確認をする。「うわ、30名のコースか〜。」なんて独り言で悪態をつきながらも、やっとガラケーからスマホに変わったクソ使いにくい店舗携帯で出勤の連絡を課長にし、厨房の電気をつける。
ガスを開け、冷蔵庫の在庫確認をし足りないものを解凍する。そしてドリンカーの準備をしながら大量に積まれた玉ねぎの山を見たときに「だめだ。このままじゃ30歳になっても35歳になってもここにいる気がする。」と突然の虚無に襲われ29歳の誕生日の直後に10万円程度の貯金と無計画を持ってフリーになった。
そこからさらに状況が変わるのはシンガーソングライターとしての活動を変えたときだった。
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あれから1年と2ヶ月。運か奇跡か。
いや違う、ご縁のおかげでなんとか作曲家と名乗れる1年を過ごさせてもらった。
毎月1曲以上はアレンジや提供のお話をいただいた。ありがたい。これからも一生懸命作っていこうと思う。
スレスレの低空飛行。墜落しそうに見えながらもなんとか飛び続けてこれたのは、シンガーソングライターの活動があったからだ。作曲と自分の歌。プリキュアレベルで支え合っていた。
キュアSSW(シンガーソングライター)に変化があったのは今年の夏前ぐらいだっただろうか。簡単にいってしまえばがむしゃらにライブをうちまくるのをやめて、ネット上でできることを模索する時期に入った。自分の気持ちを考え直したり、新しいことに挑戦する時間はたくさんあった。
楽しかった。
反応も少ないし、上手くいかないことばかりだったけれど、もともと緑色だったであろう形跡がわずかに残ったコンクリートむき出しの厨房の床を踏みしめて玉ねぎを無限にスライスするよりもずっと満たされていた。
それにも限界がきて、新しくバイトを探すことになる。今までと違ったのは"好きなこと" "勉強になること" "出会いがある場所"という基準で選ぼうと思える自分になっていたことだ。音楽1本でやってきた時間と経験は僕の感覚を完全に変えた。無駄ではなかった。
僕が見つけた新しい仕事は"アイドルのライブハウスのPA"だった。
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縁というものは人を待ち伏せしているんじゃないだろうか?
そう思うことがたまに起こる。
恋人と別れた瞬間にどこからか聞きつけてきたのか偶然か異性からの連絡が増えたり、楽器に興味を持ち始めたときにタイミングよく「俺ギターやってる!」なんて言い出す友達が現れたり、あの人元気かなと思ってたら向こうからLINEが来たりする。
その日ある楽曲提供のつながりでライブを見にいった。場所を調べるためにライブハウスのツイッターを見ると"PA超超超募集!"なんて文面が固定ツイートに貼り付けてあった。
「ここなら音響も勉強できて、提供のお話にも繋がるかもしれない…!」
ビビッと来たと同時に紹介してくれる人まで見つかった。
これからどうやって生活していこうというところまで来ていたギリギリで狙いすましたかのようにスムーズに新しい仕事が決まった。
たまに辛いこともあるけど、音や照明をいじくっているのは楽しい。関わってくれる人も好きだ。
そうして馴染んで来たと信じたい年末。ドドっと作曲の案件が舞い込んだ。
期限ギリギリの新曲から、アレンジ、過去のデータが消えてしまっていて4日で2曲作り直すというトラブルもあった。
12月は自分の曲も出せないんじゃないかと思うぐらいに追われていた。
(なんとか出せたのでぜひ聴いてください!)
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まただ。
また僕は"時間を切り売り"している。
照明や大きな音で疲れた目と耳、帰って来てぐったり眠ってしまうことが多くなったからか、そんな思いが頭をよぎることが多い1ヶ月だった。
ご依頼いただいているものにもっと素早く応えたくて悔しかったし
ライブが少ないのに自分の曲さえ作れていないことも不安だった。
ようやく嵐のような日々の終わりが見えて来た今思うのは
「もっと自分の時間を取り戻すぞ!」ということ。
居心地の良さに、とりあえずの安定に惑わされてはいけない。
今の仕事は好きだから仕事のせいにもしたくない。
僕の作った作品が、僕という人間が"時間"に代わって価値になれるように、もっと作って、もっと表現して、伝えていかなきゃと思う。
ファンクラブCHIPと、フレンドファンディングpolca。そして作曲。
この3つを盛り上げてもう一度完全フリーに戻るのを目標に来年は頑張っていこうと思う。
というか2018年の残り、今から行動していく。
整体に行ってバッキバキの身体を楽にしたいし、クソ痛いらしいけどヒゲ脱毛にも行きたいし、頑張ってる友達のライブに行ったり、好きなクリエイターの作品を買ったりサイン会に参加したりしたい。あと、やっぱりおかんに仕送りできるようになりたい。
生きてる感じがする。
みんなにも、もっともっと作品を届けられるようになりたい。
ぜひとも活動の応援よろしくお願いします。
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後藤大シンガーソングライター/作曲家
『それでもがんばりたい』と思いながら生きています。
MUSIC VIDEO https://goo.gl/E1ebEPjlVG
提供曲視聴 https://bit.ly/2EmR6sk
Next Live→1/6 グランフロント大阪 SHIP HALL
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